CEATEC JAPAN 20009レポート

CEATEC JAPAN 2009レポート(2)

電気は“使う”から“作る”へ
あらゆるエネルギーを電気に変える最新技術

西坂 真人 @IT MONOist編集部 2009/10/19

CEATEC JAPAN 2009(2009年10月6〜10日開催)では、さまざまな環境配慮型技術の最新展示が注目を集めていた。太陽電池以外で、あらゆるエネルギーを電気に変えるテクノロジーの最新動向を紹介しよう。(編集部)

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 太陽電池など環境配慮型の次世代エネルギーに関心が集まった今年のCEATEC(「CEATECで見た太陽電池の最新動向」を参照)。これまでの「限りあるエネルギーを“使う”」時代から、「必要なエネルギーは“作る”」時代へと変化しつつある様子が、各社の展示に色濃く表れていた。本稿では最新テクノロジーの応用や新発想、従来とは違うアプローチなど、あの手この手で電気を生み出す各社の最新技術動向を紹介する。


出展社数/出展規模ともに昨年を下回ったCEATEC JAPAN 2009だが、次世代に向けたテクノロジーは健在だ

いよいよ登場? 燃料電池ケータイ――KDDI

 数年前から次世代エネルギーとしてCEATECを賑わしている「燃料電池」。特にメタノールを燃料にしたDMFC(メタノール直接型燃料電池)は、エレクトロニクス各社の研究開発も活発だ。

 CEATECのKDDIブースでは、東芝とKDDIが共同で開発した燃料電池ケータイの最新試作機がお披露目されていた。KDDIでは2005年のCEATECでも燃料電池ケータイを展示しているが、今回の試作機は4年前に比べて厚さを22ミリにするなど大幅に薄型化。連続待受時間も320時間と一般的な携帯電話と比べても遜色(そんしょく)ないスペックに仕上げている。


開発した燃料電池の仕組み

 DMFCを民生機器に利用する際に懸念されるのが、燃料となるメタノールの危険性だ。いつでもどこでも持ち歩く携帯電話は、民生機器の中でもより高い安全管理レベルが求められる。危険物第四類に属し、引火性の高いメタノールは、果たして安全なのだろうか。

 「火の中に投下する実験をはじめ、水没や落下など、あらゆる事態を想定してさまざまな安全実験を行っている。90%近い濃度のメタノールを使用しているが、メタノールの量を少なくすることで、従来から懸念されていた飛行機内の持ち込みも可能にしている」(担当者)。

 また、メタノールはその毒性も指摘されており、補給時の安全確保も課題だ。実験機では補給時にメタノールが絶対こぼれないよう、注ぎ口にロック機構を設けていた。

 「注ぎ口にカギがあるイメージ。携帯側の注入口(カギ穴)と一致しないと、メタノールは出てこない仕組みになっているので、人間の手に触れることはない」(担当者)。

携帯側の注入口(カギ穴)と一致しないとメタノールが出てこない メタノールの残量はのぞき窓から確認できる

 今回の展示では、従来のリチウムイオン充電池を装着する部分にDMFCパックを装着してデモンストレーションを行っていた。さらに薄くなれば、現在のリチウムイオン充電池の置き換えも可能になるかもしれない。

 「残る課題はコスト面。量産効果である程度のコストダウンは期待できるが、燃料電池の触媒に白金を使っているため、現状のリチウムイオン充電池と比べると購入時コストは若干上がるかもしれない。いま、白金の比率を減らすことでコストを下げる方法を検討している。最終的には端末価格プラス数千円で燃料電池ケータイが選べるようにしたい」(担当者)。

発電するスイッチ――ミツミ電機「バッテリレス無線スイッチ」

 われわれ人間が普段なにげなく行っている動作が、意外とエネルギーを生み出している……という例を具現化して紹介していたのが、ミツミ電機のブース。スイッチをON/OFFする動きを利用して発電させる機構を持った「バッテリレス無線スイッチ」を参考出展していた。


ミツミ電機が開発したバッテリレス無線スイッチ

 超小型で高性能なマイクロ振動発電機構と低消費電力回路を一体化。ブースでは少し重みのあるスイッチをパチンと切り替える時のパワーを使って電力を発生させ、展示コーナーの上部に設置したLEDライトを点灯/消灯させていた。受信側との通信には、ZigBeeなどにも使われているIEEE802.15.4準拠の2.4GHz帯を採用。照明やシャッターリモコン、セキュリティシステムなど、配線が困難な設置シーンでのスイッチをワイヤレス化するソリューションとしての提案だ。

 「電力を発生するのは本当に一瞬だが、スイッチにはそれで十分。実験では30mぐらいの距離で動作を確認している。工場の高いところに設置した照明のON/OFFや、電池内蔵型のスイッチなどの置き換え、機器の設置・追加が容易になるなどレイアウトフリー性が特徴。製品化は未定だが、最終的には製品化を視野にいれて開発を進めている」(担当者)。


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