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2009年10月28〜30日の3日間、パシフィコ横浜でFPD(フラットパネル・ディスプレイ)を中核とした関連企業の展示会「FPD International 2009(今年はGreen Deviceが併設)」が開催された。昨年に引き続き“省電力”を意識した製品が数多く展示されたが、中でも注目を集めていたのが“電子ペーパー”“LED”“3D”といった技術だ。本稿では電子ペーパーを出展していた企業を中心に紹介する。
電子ペーパーは簡便で環境負荷の少ない材料を使用していることから、エコ観点でも注目されている。各社の展示を紹介する前に、まずはNEC液晶テクノロジーとブリヂストンの技術を比較しながら、電子ペーパーの方式(マイクロカプセル型電気泳動方式と電子粉流体方式の2つ)を簡単に紹介する。
1つ目は、NEC液晶テクノロジーが採用した「マイクロカプセル型電気泳動方式」。これは米国イーインク(E Ink)が開発した方式で、現在、電子ペーパーの方式の代表格とされている(Amazonの電子書籍リーダー「Kindle」もイーインク製の電子ペーパーを採用)。正極に白の顔料粒子、負極に黒の顔料粒子を入れた透明なマイクロカプセルに電圧を掛けることで、顔料粒子を移動させ、画像を表示するというものだ。
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| マイクロカプセル型電気泳動方式
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次に、ブリヂストンが開発した「電子粉流体方式(QR-LPD:Quick-Responce Liquid Powder Display)」。帯電時に粒子同士が反発するという電子粉流体の特性を利用することで、画像を表示させている。偏光板やバックライトが不要なことから、シンプルな構造が実現でき、応答性も速いという特長を持つ。
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| 電子粉流体方式
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以下、各社の展示品を紹介していく。
最大で新聞4面分の大画面表示ができる電子ペーパー
NEC液晶テクノロジーが出展していたのは、マルチタイリング機能を採用したモノクロ電子ペーパーモジュールだ。マルチタイリング機能とは、電子ペーパーを複数つなぎ合わせることで大画面化を実現するというもの。「通常は1枚のものに対して画像を映し出すが、この機能を使うことで、数枚(最大でA4サイズを8枚)組み合わせたものに画像を分割して映し出すことができる」(会場の説明員)。同社ではマルチタイリングに対応したパネルや、制御コントローラなどを開発したという。
会場ではA4サイズの電子ペーパーと、それを2枚組み合わせたモジュールを展示していた。
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| 反射光を利用して画面を表示するため、視野角が広く、直射日光下での視認性に高い
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| 光源が不要で、一度表示された情報は電力の供給がなくても保持される(消費電力が少ない)
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展示品のコントラストは10:1。反射率は43%としている。来年度の量産を目指し、開発を進めているという。
また、現在は白黒のみだが、同社では今後カラー表示に対応したモジュール開発も検討している。「ただし、カラーについては、まだ色の付け方でどの方法が最適か定まっていない。例えば、マイクロカプセル型電気泳動方式の延長線上でカラー化を進めたとして、マイクロカプセルの中に(現在は白黒の顔料を入れているが)色付きの顔料を入れるという方法が考えられるが、それ以外にも、表面に通常のLCDと同じようなカラーフィルターを設けるという方法も考えられる」(会場の説明員)
2010年春から試験運用開始、手書き入力もできる電子ペーパー
“超薄型オールフレキシブル”とうたうブリヂストンの電子ペーパーは、独自の電子粉流体を用いた電子粉流体方式のものだ。会場では、電子書籍や各種書類を閲覧できる「電子情報閲覧用電子ペーパー端末」と、電子ペーパー、タッチパネル、電子回路基板などの構成部品を薄型化した「オールフレキシブル電子ペーパー端末」を展示していた。
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| 電子情報閲覧用電子ペーパー端末 2010年春から関西アーバン銀行の渉外員業務支援システムに採用される予定 |
電子情報閲覧用電子ペーパー端末は、サイズが13.1インチ(A4サイズ、4096色フルカラー)、ページ切り替え速度が0.8秒と高速で、応答性に優れた手書き入力機能(専用ペンで入力できる電磁誘導式のタッチパネル)を備えている。
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| オールフレキシブル電子ペーパー端末
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オールフレキシブル電子ペーパー端末は、その名の通り、画面サイズ10.7インチ、厚み5.8mmの薄型に仕上げていた。
屋外広告向け、カラー表示できる電子ペーパー
綜研化学が出展していたのは、白/赤/黄色/緑/青の5色を表現できる電子ペーパーだ。方式はマイクロカプセル型と同様だが、同社ではマイクロカプセルよりもやや大きめなツイストボール(直径約1μ)を使用している。ツイストボールはアクリルポリマーというプラスチック製のもので、0.1mmサイズの微粒子を反面ずつ2色に塗り分けた構造になっている。粒子の応答速度は、約0.3秒。コントラストは20:1。
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| A4サイズの電子ペーパーを4枚使用したデジタルサイネージ用途のもの(カラーサイネージモデル) 印刷回路基板を用いており、フレキシブルな可変表示が可能だという。同社では、屋外のLED看板の代替など、さまざまな分野での応用が期待できるとしている |
カラー表現はツイストボールの片面に顔料を分散させ(練りこませ)ることで色を表現している。三原色を組み合わせて新たな色を作ることもできるが、顔料は外注しているため、顔料そのものを買った方が早いというのもあり、検討しているとのこと。
実用化については「現状では具体的な予定はない」(会場の説明員)としたが、すでに何件か(駅構内の看板や、デジタルサイネージ用途で)提案が出ており、開発中とした。
“曲がるガラス”――電子ペーパー用途にも
ミクロ技術研究所(MICRO)では、厚み0.015mmの曲がるガラス(機能性ガラスフィルム)を展示。その応用例として、曲がるガラスを用いた電子ペーパーの技術(リブ加工技術)を紹介していた。
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| 曲がるガラス
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曲がるガラスは、曲がるという特長を持つとともに、反りや変形が起こりにくいという特長を持つ。フィルムに同ガラスを張り合わせることで、ガスバリア性に優れた機能性フィルムとして使用できるという。
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| さまざまな加工パターンを施したもの
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また、ガラス表面にはさまざまな加工パターンを行うことも可能。エネルギーや光学材料として、ディスプレイ分野はじめさまざまなパターン加工(カラーフィルター/ITO電極/AI電極/Cu電極/Agペースト加工など)ができるとしている。用途としては、LCD、有機ELディスプレイ、電子ペーパー、電池、半導体デバイス基板、パッケージ材料があるという。
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