デジタル技術の仕組みと傾向

知って得するデジタル技術の仕組みと傾向(5)

知っておきたいUSB3.0まとめ

上口 翔子 @IT MONOist編集部 2009/7/1

本連載は、ITmedia News@IT MONOistの共同でお届けする、知って得するデジタル技術講座です。デジタル家電が好きなのに機械音痴な“乙女ちゃん”の疑問に、理系男子“ムサシくん”が、最新トレンド技術の仕組みと傾向を交えて分かりやすく解説します。(編集部)

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はじめに  

 2008年11月に発表されて以降、続々と関連部品が発表されているUSB3.0。“3.0”だからと敏感に反応していた乙女ちゃんですが、現行のUSB2.0とは何が変わるのか、いまいち分かっていない様子。


 今回はSSDをUSB3.0で接続したときのデモンストレーションなども交えながら、USB2.0とのコネクタの違いや物理層の仕組みなどを分かりやすく解説します。

>USBに関するこれまでのニュースはこちらをご覧ください

■登場人物の紹介
乙女
文系女子
デジタル製品に興味はあるが、細かいスペックの話をされるとよく分からない。結局、デザイン重視で選びがちになるが、どうせ買うなら、きちんと製品の性能を理解して自分に合った良い物を買いたいという思いがある
ムサシ
理系男子
自称デジタル人間。スケジュール管理に紙なんて論外。デジタル製品のことなら、細かいICの隅々まで、何でもこい。基本的には物静かだが、得意分野となると熱く語り始める。女の子に「すごい!」といわれると、やる気が出る

USBは互換性を維持しながら進化していった規格

 USB3.0は、現行のUSB2.0と比較してデータ伝送速度が約10倍になった新しい通信規格です。ただし新しいからといって、現在使用しているUSB2.0準拠のコネクタ(ケーブル)が使えないということはありません。USB2.0までの伝送速度(High-speed:480Mbps)にUSB3.0の伝送速度(SuperSpeed:5Gbps)が追加され、USB2.0のコネクタを使用したときにはHigh-speedモード、USB3.0のコネクタを使用したときにはSuperSpeedの通信ができるような仕組みになっています。

 図1は、USB3.0策定グループの代表を務めるNECエレクトロニクスが発表したホストコントローラです。内部のブロック図を見ると、USB2.0のPHY(物理層)の隣に、USB3.0のPHYが追加されているのが分かります。なお、USB1.0(USB1.1)からUSB2.0への移行時には、USB1.0用のPHYがUSB2.0用のPHYに置き換えられる形で移行されました。

図1 NECエレクトロニクスが発表したUSB3.0準拠ホストコントローラ
(μPD720200F1-DAK-A)とその内部ブロック図


へぇ。でもなんでUSB1.0からUSB2.0に変わったときは置き換えたのに、USB3.0のときは隣にくっつけたの?

それは物理層の中身が大きく変わったからだよ。ちなみに、USBは1.0から2.0へ移行したときも、今回と同様に(以前のコネクタが使用できる)互換性を維持していたんだ。今回は、USB2.0との互換性を一部維持しながら、コネクタをすべて新しくしているから注意してね! SuperSpeedを使用するときには、新しいケーブルが必要になるよ。

SuperSpeedを使用するときにはコネクタに注意!


物理層の解説をする前に、USB3.0(SuperSpeed)を使用するときに必要となるケーブル3種類を紹介しよう。

Standard-A

 PCとデジカメをつなぐときなどに使用する、見慣れたコネクタです。USB2.0用の信号線4本に、USB3.0用の信号線が5本追加されており、USB2.0とは完全互換を保持します。

図2 Standard-A

 
__
コネクタ
USB2.0
USB3.0
ケーブル
USB2.0
USB3.0

Standard-B

 プリンタなどで使用されているコネクタです。Standard-A同様、USB3.0用の信号線が5本追加されました(上部)。その分、USB2.0のときよりも形状が大きくなっています。よってUSB2.0とは後方互換のみとなっています。USB3.0のStandard-Bデバイス側にUSB2.0のStandard-Bケーブルを差し込むことはできますが、USB2.0のStandard-Bデバイス側にUSB3.0のStandard-Bケーブルを差し込むことはできません(詳しくは下表をご覧ください)。

図3 Standard-B

 
__
コネクタ
USB2.0
USB3.0
ケーブル
USB2.0
USB3.0
×

Micro-B

 USB3.0用に新規に作られたコネクタです。主に携帯電話などの小型デバイス向けに考案されました(USB2.0のMicroコネクタとは下位互換を持つ)。

図4 Micro-B


5Gbpsの伝送速度を得るには、新しいコネクタとケーブルが必要ってことだね!

>>次ページでは物理層の違いを解説


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