@IT MONOistゼミナール・レポート(1)
〜ワイヤレスM2M市場を攻略する近道! 無線センサネットワーク基盤技術「ZigBee」講座〜

注力市場から見るこれからのZigBee活用

上口 翔子  @IT MONOist編集部 2009/12/22

2009年12月16日、MONOist編集部主催のゼミナール「ワイヤレスM2M市場を攻略する近道! 無線センサネットワーク基盤技術『ZigBee』講座」が東京・大手町で開催された。本稿ではその中から、ZigBee SIGジャパン理事長 齋藤 和正氏による基調講演の模様をお伝えする。(編集部)

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 2009年12月16日、@IT MONOist編集部主催のゼミナール「ワイヤレスM2M市場を攻略する近道! 無線センサネットワーク基盤技術『ZigBee』講座」が東京・大手町で開催された。

 当日は、ZigBee SIGジャパン理事長 齋藤 和正氏による基調講演のほか、スポンサーセッション、パネルディスカッションが行われ、会場内には、スポンサーセッションを行ったディジ インターナショナルとアジレント・テクノロジーの製品デモンストレーションコーナーなども設けられた。

 本稿ではその中から、基調講演の模様をお伝えする。

 ※齋藤氏の基調講演資料は、2ページ目の記事末でダウンロードできます。


画像1 ゼミナール会場の様子

ZigBee業界の動向:ZigBeeって現在どうなの?

 齋藤氏はまず、1年前と現在とで、ZigBeeを取り巻く状況がどのように変化したかについて、次のように説明した。

画像2 ZigBee SIGジャパン 理事長 齋藤 和正 氏

 「各所で『ZigBeeって現在どうなの?』と聞かれ、『すでに終わったんじゃないの?』という人もいれば、『スマートグリッドで盛り上がってきてるね』という人もいる。SIGジャパンでは1年前、ZigBeeはメーカー独自プロファイルが先行していると述べていた。きちんとしたスペックが定まる前に各メーカーが独自のプロファイルを出せるため、それが良さでもあり、なかなかパブリックプロファイル(標準化仕様)が出てこない原因でもあった」(齋藤氏)

 「そうして(当初の想定より約2年遅れで)出てきた最初のパブリックプロファイルがホームオートメーション向けのもので、これが昨年まではセキュリティ面で有用だとされていた。それが今年に入ってから急に省エネ面で盛り上がり、現在、米国のスマートグリッド関係のプロファイルが先行して出始めている」(齋藤氏)

画像3 昨年と今年を比較したZigBeeの状況(齋藤氏の発表資料より。以下、同様)
ホームオートメーション(HA)、ビルオートメーション(BA)、健康管理、スマートエナジー、RF4CEが仕様化された
画像4 ZigBee Allianceのターゲット市場
省エネ管理/自動検針、移動通信サービスが比較的新しく設置された分野となる。テレコムアプリケーションについては、SIMカードの中にZigBeeが入ることで普及が加速すると見ているという

 齋藤氏によると、現在仕様化されている中でも、特にスマートグリッドや、ホームオートメーション、健康管理、RFリモコンなどでZigBeeのインフラが標準化され、採用が進んでいるという。市場については海外が先行しており、「当初は3分の1を日本・アジアと想定していたが、いまでは10倍以上の開きが出ている」(齋藤氏)と語った。

 そのほか、ZigBeeの今年1番の大きな動きとしては、NIST(米国立標準技術研究所)でZigBeeとPLC(電力線通信)が追認されたことを挙げた。「これでスマートグリッドに関して、ZigBeeが米国のスタンダードになり得る基盤ができた。後はまだアナウンスはしていないが、ショッピングカート通信など、リテール向けプロファイルの標準化を検討し始めている」(齋藤氏)

 ZigBeeを取り巻く業界の動きとしては、スマートグリッドの牽引により、ZigBeeのベースとなるIEEE 802.15.4のチップセット市場が急成長(2014年まで年平均80%の伸びを予測)したという。RF4CEに関しては、2012年までに1億6000万個になるというフリースケールの予測が紹介された。さらに米国で取り組まれているスマートメータについては、「PG&Eなどユーティリティ会社の発表を基に集計してみたところ、2011年に560万ユニット、2012年に1030万ユニット、2013年に1250万ユニットが出ていくと予測している」(齋藤氏)とのこと。

ZigBeeの最新動向について

画像5 ZigBeeの最新動向

 ZigBeeの最新動向については、パブリックプロファイルと独自プロファイルの2つに分けて紹介された。「独自プロファイルについては、2005年あたりから認証製品が出ている。本命のパブリックの部分については、今年策定されたRF4CEにより、来年にはRFリモコンが市場に出てくると予測している」(齋藤氏)

 以下、特に活性化している分野としてスマート・エネルギー(スマートエナジー)とRF4CEの詳細が紹介された。

画像6 スマートエナジー分野でのZigBee利用
画像7 RF4CEについて

スマート・エネルギー

 「スマートグリッドは、米国で電力が不足していた点がトリガーになったといわれている。そのため、電力供給の安定している日本でスマートグリッドはいらないのではないかという噂も結構ある。しかし、日本で現在普及が進んでいる太陽光発電の制御などに需要があるのではないかと考えている」(齋藤氏)

RF4CE

 「赤外線リモコンを無線(ZigBee)に置き換えることで、見通しの確保が不要となり、後ろにリモコンがあっても使用できる。さらに人が前にいて邪魔だということもない。 RF4CEは双方向通信なので、例えば2階のエアコンがどうなっているのかなど、離れていても運転状況を確認できる。後は応答時間が速く、赤外線よりも省電力となっている」(齋藤氏)


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