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はじめに
最終回となる今回は、話題のUSB3.0の概要とその計測例をいくつか示します。USB3.0は、最新の規格なので、半導体技術だけではなく、計測技術も含めて新たな手法を用いています。Serial ATAやPCI Expressなどで培われてきた経験が生かされているため、前回紹介した「PCI Expressの概要と高速化を支える技術」の解説も踏まえることで、より理解を深められる内容となっています。
USB3.0とは〜策定の背景〜
USB3.0は、最も普及したシリアル・インターフェイスであるUSB(Universal Serial Bus)の次世代規格で、現行のUSB2.0の最高データ転送速度480Mbps(High Speed)の10倍を超える5Gbps(SuperSpeed)の超高速転送を実現します。
USB3.0が策定された背景には、HD画質の動画ファイルの取り扱いの需要が挙げられます。USB-IFの発表資料によれば、25GBのHD動画の転送にかかる時間は、USB2.0では13.9分のものがUSB3.0では70秒で行えるとしています。USB2.0ではそれ以前のUSB1.1と同じケーブル/コネクタを用いながら転送速度を上げていましたが、USB3.0では、USB2.0とは別にSuperSpeed専用のケーブルを追加するという手法を取っています。
これは、いままで解説してきたようにUSB2.0用のケーブルでは、SuperSpeed用の伝送路としては減衰が大き過ぎるというのが理由です。同じ構造のケーブルでは極端に短いケーブルしか使うことができず、実用性がなくなってしまいます。
図1はUSB3.0のコネクタを示しています。AコネクタではUSB2.0との違いが分かりにくいのですが、BコネクタはUSB2.0のコネクタと2階建てのようにSuperSpeedのコネクタが組み込まれていることが分かります。また、通信方式がUSB2.0の半二重通信と異なり、全二重通信が用いられていることです。
つまり、USB2.0では1本の差動伝送路を上りと下り双方向で切り替えて使っていたのを、上りと下りそれぞれに専用の差動伝送路を用意して、双方の通信を同時に行えるようにしています。これは、PCI ExpressやSerial ATAなどの高速シリアル通信では一般的な手法で、伝送路設計を簡略化することができます。実際、USB3.0はPCI ExpressのGen2の技術をベースに作られているので、全二重通信も継承しています。
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| 図1 USB2.0/3.0のAコネクタとBコネクタ |
USB3.0の概要
USB3.0は、2008年11月12日付でUniversal Serial Bus 3.0 Specificationとしてリリースされました。データ転送速度は5Gbpsですが、8b/10bエンコードを利用しているので500MB/sの転送速度になります。USB2.0は480Mbpsですが、特に8b/10bのようなコーディングをしていないので、60MB/sとなり、ピーク速度では8.3倍になります。
しかし、全二重通信によりオーバーヘッドが少なくなっているため、実用上の速度はUSB-IFの資料では12倍近い速度向上が見込めるとしています。先ほど話をしたように、USB3.0ではUSB2.0の通信経路とは独立してSuperSpeed専用の通信経路が付加されています。図1で見たようなコネクタの形状になっているのは、追加されたSuperSpeedの通信経路に対応するためですが、USB2.0との下位互換性を確保するためでもあります。
USB3.0のBコネクタにUSB2.0のケーブルを挿すことができますが、USB2.0のコネクタにUSB3.0のケーブルを挿すことはできません。AコネクタはUSB2.0と同じように見えますが、内部にSuperSpeedの通信経路が確保されています。図2にUSB3.0のAコネクタの接続を示しましたので参考にしてください。
| 図2 USB3.0 Aコネクタの接続(Playを押すと動画が再生します) こちらのコンテンツを再生するには、Adobe Flash Playerを こちら(アドビのホームページ)からダウンロードしてください |
2009年9月1日にUSB-IFがUSB2.0と同様のロゴ承認プログラムが開始したと発表があり、NEC製のチップが世界初の認証デバイスとなったことは耳目に新しいところです。信号計測の観点からすると、通信方式や伝送路が異なっているのでUSB2.0とはかなり大きな違いがあります。むしろ、ベースとなったPCI Express Gen2を参照する方が理解が早いと思います。
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