開催直前! PVJapan 2009情報

海外情報網を生かし、
ニッポン太陽電池産業に光を

上口翔子 @IT MONOist編集部 2009/6/22

2009年6月24〜26日の3日間、幕張メッセで太陽光発電に関する総合イベント「PVJapan 2009」が開催される。本稿ではイベント開催に先駆け、主催者のSEMIに伺った同イベントの見どころを紹介する。(編集部)

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 国内外の太陽電池関連企業や情報が集う総合イベント「PVJapan 2009」がまもなく開催される。太陽電池市場は、日本でも今年から本格的に助成金制度が開始されるなど、追い風が吹いている。業界内を見ると、自社の既存生産ラインをそのまま生かすことのできる半導体企業や新規参入企業など、国内だけでも数多くの企業がこの業界に乗り出している。

 今年で第2回を迎えるPVJapanは、共同出展社も含め計300社(昨年は221社)が出展し、コマ数もPVJapan単体で600コマ(昨年は527)と、昨年に比べ拡大した。展示以外にも、注目の基調講演はじめ、数多くのセミナーやレセプション、特別展示エリアが用意されている。

 以下、イベント開催に先駆け、PVJapanの主催者であるSEMIジャパンのPV部 部長 大竹 茂行氏に伺った今年の見どころ、聴きどころを紹介する。

イベント概要:厳しいときだからこそチャンス。数年先を見越した各社の開発動向に注目

展示会場

 展示会場は「太陽電池/モジュール」「部品・材料」「製造装置」「検査・計測」「システム・施工」の5エリアで構成されている。

 「今年は薄膜のセルメーカーが増えています。一時期、主要材料のシリコンが不足していた際には、高効率だがコストの高い結晶系よりも、低コストで製造できる薄膜系の方が有利だとされていましたが、現在はシリコン不足も解消し、結晶系のコストも下がりつつあります。よって薄膜系のセルメーカー各社が、どのような技術革新をしていくのか、注目です」(SEMIジャパン PV部 部長 大竹 茂行氏)

 現在は数年後の太陽電池市場を見据えて、メーカー各社が技術開発をまさに進めている時期。PVJapanの展示会場では、その最新動向がチェックできるとあって、多くの注目を集めそうだ。

基調講演/セミナー/レセプション

 基調講演とセミナー、レセプションは、“技術”“ビジネス”“普及”の3つをテーマに、プログラムが組まれている。例えば技術では、世界各メーカーの開発動向や、結晶系のコスト低下とグリッドパリティの関係、導入コストの問題などを取り扱うという。人気のセミナーはすでに満席となっているようなので、早めにチェックしていただきたい。

アカデミアリレートーク

 そのほか上記の講演などとは別に、イベント初日(6月24日)の14:30〜17:00には、PVJapan併設の第4回新エネルギー展示会のアカデミックエリアに展示をしている計18名の大学・研究機関の教授らが、太陽電池開発に関する研究成果をプレゼンテーション形式で発表するアカデミアリレートークも用意されている。

 「業界で著名な先生方がここまで顔をそろえる場はほかにありません。大変貴重な機会となっています」(大竹氏)

特別展示エリア

 幕張メッセHALL6の後方では、国内各自治体が実施している太陽電池設置に対する補助金の資料など、太陽電池に関する情報の数々が展示される。

 「今年の4月から急激に増えた助成金ですが、分かりにくいと意見を良く聞きます。特別展示エリアでは、太陽電池協会(JPEA)で集めたデータ一覧を張り出し、助成金の情報を分かりやすく紹介します。また、このエリアではほかにも太陽電池の製造プロセスや世界と日本の太陽電池技術開発ロードマップなども見ることができます」(大竹氏)

昨年との違い:新規参入企業が増える一方、海外市場の落ち込みによってセルメーカーは厳しい状況に

 昨年7月(2008年7月30日〜8月1日)に開催された第1回PVJapanの様子について大竹氏に伺うと、昨年は『自社企業の培ってきた技術が、この業界で生かせないだろうか』と勉強に来ている企業が非常に多かったという。今年については、変わらず新規参入する企業が多い一方で、海外市場の状況が厳しくなるなど、市場の状況が変化しているとした。

SEMIジャパン PV部門 部長 大竹 茂行氏

 「昨年までの傾向を見ると、PVJapanに来場される方はすでに太陽電池業界に参入している企業だけでなく、半導体をはじめとする関連産業の方々も今後エネルギー関係どうなっていくんだろうと、興味を持っている印象を受けました。これまで半導体は成長産業でしたが、やはり浮き沈みがあり、FPDにも乗り出してみたり(半導体とFPDの)双方で業界の穴埋めをしている状況でした。しかし半導体が悪いときはFPDが良いということもありましたが、今回の金融危機のように両方とも落ち込むこともありますので、それ以外のもの(新エネルギー分野)にも興味を持っているというのがあると思います」(大竹氏)

 「昨年と今年の大きな違いは、セルメーカーが昨年に比べて厳しい状況にあるということです。日本市場は、昨年に比べると大きく拡大しています。しかし、世界的に見るとセルメーカーの海外輸出は昨対比8割以下に落ちています。昨年まで総生産量の7割を海外に輸出していたのですから、それが8割に落ちるというのは大変厳しい。今後は海外メーカーの日本市場参入に対しての早急な対応と、海外セルメーカーに負けない戦略が重要になると見ています」(大竹氏)

半導体で得た海外との情報交流網を太陽電池でも生かしたい

 最後に、セミコン・ジャパンなど半導体関連のイベントを運営するSEMIジャパンがPVJapanにかける想いについて伺った。

 「日本は、もともと多くの企業がPVの製造装置、材料を提供していました。今後はやはり半導体、FPDと同じような形で業界が変わっていくだろうと見ています。そうしたときに、日本の垂直統合型の構造では、グローバルな流れの中で耐えていけるのかという懸念があります」(大竹氏)

 「SEMIは海外との情報交流が活発です。この情報を日本の太陽電池業界に流すことができれば、日本の製造業が世界で生きていくためにどうしたらいいか、そのヒントになる、あるいは海外へ出て行くためのステップに使ってもらえると思い、太陽電池業界で20年以上、普及活動を行っている太陽光発電協会と共同でPVJapanを実施することになりました」(大竹氏)

 「全体の信頼性も含め、日本の太陽電池は品質面で世界のトップを誇れると思います。しかし、戦略面では、今後日本がどういう風に対応していくのか、心配な点もあります。やはり30年以上かけて育ててきた技術ですから、日本企業が成功していただきたい。そういう想いでPVJapanも開催しています」(大竹氏)

 PVJapanの発端は、4年に一度、日本で開催されている「新エネルギー世界展示会」という国際会議だという。その中に設置された太陽電池関連の展示会から、派生したのがPVJapanだ。それまではどちらかというと産業界がメインとなっていたため、ビジネス視点での展示やセミナーは少なかった。よってPVJapanは産業化とビジネス面、両方の視点を取り入れた太陽電池のイベントとしてSEMIと太陽光発電協会が主体となり、昨年7月に第1回が開催された。なお、新エネルギー世界展示会(第4回)もPVJapanに隣接する形で開催される。

 「来場された方は、太陽電池はもちろん、新エネルギー全般について見ることができます。そもそも新エネルギーって何なの? という疑問から、太陽電池を日本の基盤産業として自立させていくために知っておきたい情報、役立つ情報を得られるイベントになっていると思います。ぜひ足をお運びください」(大竹氏)


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