ICカードなどへの搭載を目指す

薄い、曲がる、NECの有機ラジカル電池

2009/2/13

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 NEC(日本電気)は2009年2月13日、同社が2001年より開発を進めていた「有機ラジカル電池」の出力密度を従来比3倍の5kW/Lに向上し、加えて1万回以上のパルス繰り返し充放電を実証したと発表した。

 同社の有機ラジカル電池は、プラスチックの一種である有機ラジカル化合物を電極活物質に用いた電池。薄型で、一度に大きな放電電をできるのが特徴だ。有機ラジカル化合物と炭素繊維からなる複合正極に電解液を浸透させることで、ゲル状の電極を発生する。充放電は、ラジカル部位の酸化還元反応により行う。

 今回の開発では、電極用インキの均質分散技術と印刷技術を用いて有機ラジカル材料および炭素繊維のナノ複合構造の均一性を改良することで、有機ラジカル正極の内部抵抗を低減。電池の出力密度を向上した。


画像1 有機ラジカル電池
500円玉との比較
画像2 有機ラジカル電池を用いて試作したLEDフラッシュ付きカード

 また、有機ラジカル材料と電解液との相溶性(なじみやすさ)を改善し、構造改良を行うことで、高出力パルス放電の安定性を向上した。

 こうした電池性能の向上により、例えば、厚さ1mm以下のコインサイズの有機ラジカル2次電池で、1Aの高電流放電や2Wの高出力特性、100mA放電の1万回繰り返し充放電が可能だという。将来的には、薄型・省スペース性が求められる端末において、高出力が必要なLEDフラッシュなどの電源として搭載できるという。

 今後は、非接触充電技術などと組み合わせた、高機能ICカード、電子ペーパー、ウエアラブル端末など端末用電源への応用を目指し、開発を進めていくという。

 なお、今回の研究開発の一部は、経済産業省およびNEDO開発機構による「先端機能発現型新構造繊維部材基盤技術の開発」(高性能、高機能電池用部材の開発)」の一環として実施された。また、電極用インキの均質分散技術および印刷技術はDIC、改良型ラジカル材料は住友精化と共同で上記プロジェクト中に開発された。

 同社は今回の成果を、2009年2月18〜20日まで東京ビッグサイトで開催される「国際ナノテクノロジー総合展(nano tech 2009)」に出展する。

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(@IT MONOist編集部 上口翔子)

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