約10倍の伝送速度。NECエレ、USB3.0対応のLSIを発表

6月初旬よりサンプル出荷を開始

約10倍の伝送速度。
NECエレ、USB3.0対応のLSIを発表

2009/5/18

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 NECエレクトロニクスは2009年5月18日、USBの次世代規格『USB3.0』に対応したホスト・コントローラLSI「μPD720200」を発表した。

 USB3.0は、同社を含む計6社(注)を中心に、2008年11月に策定された新しいインターフェイス規格。現行のUSB2.0で使用されているLow Speed(1.5Mbps)/Full Speed(12Mbps)/High Speed(480Mbps)という3種類のデータ伝送速度に、“Super Speed(5Gbps)”が追加されている。USB2.0との互換性(デバイスドライバ、プロトコル、コネクタ、ケーブル)を維持しながらも、高速なデータ伝送を実現するとしている。

注:ヒューレット・パッカード、インテル、マイクロソフト、NECグループ、NXPセミコンダクターズ、テキサス・インスツルメンツの6社。そのほか、コントリビュータとして180社以上が規格策定に参画しており、NECグループはその中の代表を務めている。

 今回発表されたμPD720200は、こうしたUSB3.0の規格に準拠しているほか、USB2.0で開発された通信ソフトウェアの流用が可能となっている。USB3.0対応のデバイスを開発しようとすると、通常はアーキテクチャが変わるためドライバを変更しなくてはならないが、同製品を使用すれば、従来のドライバを引き続き使用できるという。

 同社 第二SoC事業本部 副事業本部長 新津 茂夫氏は、USB3.0の優位性を以下のように説明した。

画像1 NECエレクトロニクス 第二SoC事業本部 副事業本部長 新津 茂夫氏

 「Blu-rayやSSDの普及に伴い、データ転送の要求は拡大している。USB1.0から2.0へは40倍の高速化が図られたが、現在はそれでも足りないという状況。そうした背景を受け、さらに速い速度でデータ伝送ができ、かつ安価に提供できるインターフェイスとしてUSB3.0が策定された。例えば25Gバイトの映像をPCからiPodなどのポータブルプレーヤに転送する場合、USB2.0では14分かかるが、USB3.0ではわずか70秒で完了する」(新津氏)

 「実際に搭載されるデバイスとしては、まずはPCへの搭載を進めている。PCに搭載されなければ、いくらほかの電子機器が対応してもデータ通信ができない。そういう意味で、USB3.0搭載のPCがどれくらい普及するかが、USB3.0が普及するためのポイントになる」(新津氏)

画像2 USB3.0のPC搭載率予測(NECエレクトロニクスの予測) (クリックで画像が拡大します)
2000年に発表されたUSB2.0は、約5年で市場の約6割のPCにUSB2.0が搭載された実績を持つことから、同社ではUSB3.0も同様の推移を取ると見込んでいる

 同社は、すでに世界の各PCメーカーと具体的な商談を進めているという。「USB3.0搭載のPCは早ければ今年の末に登場し、2010年には本格的な拡販が開始されるだろう」と新津氏は語った。

 なお、同製品は、2009年6月よりサンプル出荷が開始される(サンプル価格1500円/個)。2009年9月より月産100万個の量産を計画しているという。今後はUSB3.0の通信機能をASICのIPコアとしてさまざまな製品へ組み込み、ストレージや映像関係を中心にUSB関連製品を拡充していくとのこと。

 また同社は、同製品の展示およびデモンストレーションを、2009年5月20〜21日の2日間、東京・文京区のフォーシーズンズホテル椿山荘で開催される「SuperSpeed USB Developers Conference」で行うという。

画像3 USB3.0 Hostリファレンスデザイン
左がデスクトップPC用、右がノートPC用
画像4 USB3.0 Standard-A コネクタ(左がUSB2.0対応で、右がUSB3.0対応のもの)
USB3.0対応のコネクタはUSB2.0で使用されていた4本の信号ライン(画像下部)とSuperSpeed用の5本の信号ラインで実装されている


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(@IT MONOist編集部 上口翔子)

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