NEC、システムLSIの消費電力を1/2にする新技術

LSIの性能劣化を高精度・低消費電力で監視

NEC、システムLSIの消費電力を1/2にする新技術

2010/2/10

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 NECは2010年2月10日、次世代システムLSIの消費電力を最大で2分の1に低減できる基本回路技術を開発したと発表した。LSI性能劣化の進行度を自律的に監視するディペンダブル技術を用いて、高度な電圧制御を行うことで省電力化を実現したという。同技術は、米国サンフランシスコで開催中の半導体回路技術の学会「ISSCC 2010」(開催期間:2010年2月7〜11日)で発表された。

 これまでLSIにおける省電力化の手法としては、LSI内の不要な部位における動作の抑制や、電源供給の停止による待機時電力の削減などが行われてきた。その一方で、LSIは経年劣化時でも性能を十分に確保するために通常動作よりも電源電圧を高めておく必要があり、それが省電力化の障壁になっていた。

 今回同社が開発したシステムLSI向け基本回路技術は、LSIの電圧を細かく制御して不要な電力消費を抑えるとともに、小型・高精度なセンサでLSIの劣化度を監視して信頼性を高めるというもの。「システムの低電力性能と長期高信頼性能を両立した」(同社)。

 具体的には、LSI内に分かれている部位ごとにその劣化の進行度を監視し、進行度に応じて電源電圧およびトランジスタのしきい値電圧などを細かく制御する手法を開発。これにより、LSIの性能確保のために全回路一律に電圧を上げることが不要となり、最大で従来比約半分の消費電力で動作が可能になったという。

 また、経年劣化の進行度合いで遅延時間が変わる小型センサ回路を使って遅延時間を測定する技術も開発。小型センサの回路面積を従来の約7分の1に小型化してLSI内部により多くのセンサを埋め込むことで、LSI内の部位ごとの劣化監視を実現している。

 経年劣化の度合いの測定では、従来よりも約10倍速い時間刻みでの測定が可能な回路技術を開発して高精度な測定を実現。これにより、1マイクロ秒以下というごく短い時間で遅延劣化を引き起こすため従来は発見が困難だった「NBTI(Negative Bias Temperature Instability)劣化」なども見落とさずに監視できるという。


NBTI劣化を見つけるメカニズム
NBTI劣化を見つけるメカニズム



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(@IT MONOist編集部 西坂真人)

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