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従来、マイコン関連の電子工作は、ユニバーサル基板に電子部品を載せ、回路図を見ながらラッピングワイヤーで結線する方法が取られてきました。しかし、近年、電子部品の小型化が進み、手作業による結線が困難になってきました……。
本連載では、こうした問題の解決策の1つとして、「プリント基板CAD」による基板製作を皆さんに紹介したいと思います。
連載前半ではプリント基板CADによる基板製作のポイントを伝授するとともに、実際にオリジナルのプリント基板を作成し、連載後半では完成したプリント基板を基にマイコンボードを製作し、制御プログラミングの解説を行う予定です。
それでは、本連載の主役、“二三夫さん”と“健一君”とともに壮大なストーリーを進めていきましょう。
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電子部品の小型化がもたらす
プリント基板CADの必要性
| ――ガラガラガラ(トビラを開ける音) | |||||||||||||||
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――久しぶりに二三夫さんを訪れた健一君、いきなり泣き付いていますね。自分からプリント基板CADの教えを請うとはなかなか感心なことですが……。
実は、健一君の涙の理由は、
「最近、電子部品があまりにも小さくなり、手作業での配線が難しい!!」
という危機感からきています。最近やっと電子工作に慣れてきた健一君にとっては切実な問題です。
それではもう少し、健一君の抱いた“危機感”について掘り下げてみましょう。
前述のとおり、電子工作といえば、ユニバーサル基板に電子部品を配置して、回路図を見ながら1本1本結線していく方法がいまでも主流だと思います。こうした手作業による組み立ては、電子回路の基礎練習や実験を行うにはとても最適な手段といえます(健一君もこの方法で電子工作のイロハを学んできたわけですね)。
ところがいま、秋葉原などで売られている電子部品に“ある異変”が起こっているのです……。
その異変の一例を画像1(a)(b)に示します。
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画像1(a) ADM3202AN(DIP) |
画像1(b) ADM3202ARN(SOP) |
画像1(a)(b)は、本連載で使用する「ADM3202」というパソコンのシリアルポートにマイコンを接続するときに必要となるRS-232ライン・ドライバ/レシーバICです。画像1(a)(b)の2つのICは形状こそ異なりますが実は同じ機能を持っています。
画像1(a)のICチップ・パッケージは「DIP(Dual Inline Package)」と呼ばれるもので、図1のように長方形の本体の両側にピンが並でいます。ピンの間隔は2.54mm(10分の1インチ)で、ユニバーサル基板の穴にピンを差し込んで、すずメッキ線やジュンフロン線などで手配線し回路を作ります。
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図1 DIP(Dual Inline Package) |
一方、画像1(b)のICチップ・パッケージは「SOP(Small Outline Package)」と呼ばれるもので、図2のようにDIPを小型化したものです。ピン間隔は1.27mm(20分の1インチ)とDIPよりも狭くなっています。
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図2 SOP(Small Outline Package) |
さらに、DIPとSOPではプリント基板への実装方法が異なります。DIPはピンをプリント基板の穴(“ランド”と呼ぶ)に挿入して、はんだ付けするのに対し、SOPはプリント基板表面のパターン(“パッド”と呼ぶ)に直接はんだ付けします。
| 関連リンク: | |
| RS232CインターフェイスIC ADM3202AN(DIP)−秋月電子通商 http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-00469/ |
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| RS232CインターフェイスIC ADM3202ARN(1.27mm)2個パック−秋月電子通商 http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-01279/ |
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そのほか、ピン間隔が狭く高さが低い「SSOP(Small Shrink Outline Package)」や「TSOP(Thin Small Outline Package)」、ピンがパッケージ本体の四方にある「QFP(Quad Flat Package)」など、ICチップ・パッケージはさらに小型化が進み、その形状もさまざまです。
| 関連リンク: | |
| NECエレクトロニクス http://www.necel.com/pkg/ja/ |
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| 東芝セミコンダクター http://www.semicon.toshiba.co.jp/product/package/ |
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| パナソニック セミコンダクター社 http://www.semicon.panasonic.co.jp/jp/common_info/package/ |
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画像2 画像1(a)(b)のサイズを比較 |
このように、電子部品は小型化が進んでいます。画像2を見れば、健一君が手作業による配線に限界を感じたこともうなずけますね。
そこで、今回健一君はプリント基板CADに目を付けたわけです。続いて、プリント基板CADのメリット(可能性)について見ていきましょう。
プリント基板CADで作成したデータを用いれば、同じ基板を何枚でも作ることができます(CADデータを基に、小ロットで基板を製造してくれるサービスがあります)。また、実際に新たな回路を作る場合であっても、イチから回路を作るのはごくまれなことで、前に作った回路を修正して再利用することがほとんどです。回路をCADデータとして残しておけば、いつでも(すぐに)再利用できますよね。
さらに、プリント基板CADは、ネットデータ(部品の接続情報)を基に設計するため、結線の誤りは起こりませんし、線や部品の重なり具合をチェックする機能などもあるため、品質の高い基板を正確に作ることができます。つまり、プリント基板CADによる作業は、手作業よりも「速さと正確さ」という意味で断然有利なものなのです。
さて、電子部品の小型化による従来のユニバーサル基板に頼った電子工作の限界、そして、プリント基板CADのメリットをご理解いただいたところで、健一君と一緒にプリント基板CADについて勉強していきましょう!!
USB電源マイコンボードを作ろう
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