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小中高校生による自律型ロボットの世界大会「WRO」をご存じだろうか。
WRO(World Robot Olympiad)とは、2人から3人の生徒と指導者1人が1チームとなり部品の組み立てからプログラミング、実装までを1日で行うというロボットの世界大会だ。競技はロボットの走行タイム、外見デザイン、プログラム技術を競い合うレギュラーカテゴリーと、テーマに沿って設計、デザインしたロボットの展示およびプレゼンテーションを行うオープンカテゴリー(注:こちらは事前に制作したものを当日提出し、会場で評価される)の2部門により構成されている。ロボット競技への挑戦を通じて生徒たちの創造性と問題解決能力を育成することを目的とし、今年で開催5年目を迎えた。
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| 画像1 組み立てから実装までの流れ (クリックで画像が拡大します) |
画像2 会場の様子 |
これまでシンガポールやタイなどで開催されてきたWRO国際大会だが、今年はついに日本で開催される。(日時:2008年11月1、2日、会場:パシフィコ横浜)
2008年8月31日には国内の決勝大会が開催された。会場は国際大会と同じパシフィコ横浜だ。生徒たちはなかなか思いどおりに動いてくれないロボットの設計に何度も頭を抱えながらも、チーム一丸となってものづくりを体感していた。
レギュラーカテゴリー
レギュラーカテゴリーで使用するロボットは市販されているレゴ社のロボットキット「Lego Mindstorms」だ。統一したマシンデザインが規定されているETロボコンとは異なり、各チーム好みのロボットに作り上げられる点も生徒たちの興味を引くポイントの1つといえる。
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| 図3 車検の様子 競技前にはロボットの大きさが規定内に収まっているかを確認するための車検が行われた |
競技コースは小中高校生別に難易度の異なるミッションが課せられており、制限時間はいずれも2分。小学生部門の競技コース「ベースランナー」は横1m15cm、縦2m37cmの長方形コースで、空き缶を倒す、ゲートを通過するという2つのミッションが課せられている。コース脇に設置してある3つの空き缶を1つ倒すごとにポイントが加算され、カーブを曲がる際に決められた範囲内のゲートを通ることができればさらにポイントが加わる。
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| 画像4 小学生部門の競技コース (クリックで画像が拡大します) |
画像5 競技の様子 スタートの瞬間は誰もが緊張の面持ちだ |
競技では空き缶は倒せなかったが順調にゲートを通過してそのままゴールした、もしくは空き缶はすべて倒すことができたが、最後のターンに失敗して完走できなかったチームなど、完全に満足のいく走行ができたチームは少なかったようだ。しかしプログラムの修正中など、生徒たちは競技終了後の笑顔から想像がつかないほどの集中力を発揮していた。会場で応援していた両親も、そんな我が子の様子に目を見張っていた。
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| 画像6 実装の様子 プログラミングもすべて生徒たちが行う |
画像7 試走順番待ちの様子 計2回行われた試走は常に順番待ちの列ができていた |
中学生部門の競技コース「スマッシュトライアスロン」は小学生部門のコースを基本にトンネルと坂道を通過するというミッションが追加されている。ミッションが増えたことで、制限時間内にゴールできるようスピードへの配慮も必要になるなど、難易度が高くなっている。
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| 画像9 中学生部門の競技コース (クリックで画像が拡大します) |
画像10 試走の様子 時間内であれば何度でも試走ができる |
また、プログラムを組む際にどこに注力するか、その優先順位も必要となってくる。せっかく完走してもゲートを通過していないとポイントがゼロになってしまうため、空き缶を倒すよりもゲートを確実に通るといった戦略が重要だ。
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| 画像11 競技の様子 幅400mmのゲート通過は難関だ |
画像12 組み立て時の様子 細部まで隅々チェックしていた |
中学生部門のコースは全部門の中で最も観客席から近い場所に位置していたため、コーナーでロボットが止まってしまった場面では会場からのお祈りや、見事完走したときには大きな拍手でわいていた。
高校生部門の競技コース「リサイクルキーパ」のミッションは、コース中央に2×8の長方形ですき間なく並べられたピンポン玉をすくい、それを落とさないように所定の位置へと搬送するという2つだ。よってコースの形状もミッションに合わせたものとなっていた。
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| 画像13 高校生部門の競技コース (クリックで画像が拡大します) |
画像14 競技の様子 高校生部門は他チームの見学をする生徒が多かった |
この部門で大きなポイントとなるピンポン玉をすくう仕組みは、大きなアームで一度にすくい上げているチームと鳥かごのような網目のアームで四方から集めているチームに2極化していた。さらにアームの形や大きさがミッション成功の鍵を握るため、ロボットのデザインにもチームの個性が表れていた。
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| 画像15 ピンポン玉搬送の様子1 網目のアームで集めたピンポン玉を見事収めた |
画像16 ピンポン玉搬送の様子2 こちらのチームも別の戦略で見事ミッションに成功! |
オープンカテゴリー
会場で各チーム力作のロボットによる熱戦が繰り広げられる中、オープンカテゴリーでは地球環境保護をテーマに制作された計4チームによるロボットの展示が行われていた。本稿ではその中から、モーターを使った風力発電システムと食卓で使用された天ぷら油から石けんを製作・運搬するロボットの2つを紹介する。
ロボット日本代表、選出!
国内決勝大会には全国22の地区予選を勝ち抜いた総勢80チーム(内訳は小学生29チーム、中学生30チーム、高校生31チーム)が参加した。表彰式では、2008年11月1、2日に開催されるWRO国際大会の日本代表としてレギュラーカテゴリーから小中高各部門の競技結果上位6チームおよび審査員特別賞を授与した2チーム(計24チーム)、そしてオープンカテゴリーから3チームが選出された。
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こちらもレゴ仕様だった |
| WRO国際大会出場チーム一覧(WRO 2008 日本公式ホームページ) | |
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| 画像20 表彰式の様子 女の子チームも見事入賞 |
画像21 表彰式の様子2 表彰式では日本代表のユニフォームも初披露された |
代表に選出された生徒たちからは「開催国として海外の人たちの手助けになれることもあると思うし、交流を深めながら競技も一生懸命頑張りたい」といった意気込みが聞かれた。
WRO国際大会前日の10月31日には、今年からの新たな試みとしてロボットを活用した日本と海外の実践事例報告会「科学技術におけるロボット教育シンポジウム」が開催される。教育現場で直接指導する教育者たちの報告を基に、生徒への指導方法や指導技術の情報共有なども行われるという。
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| 画像22 WRO 2008大会の流れ(WRO 2008 日本公式ホームページより転載) |
11月最初の3連休、まだ予定が決まっていないという方は、子供たちのロボット世界大会を見に横浜へ行かれてはどうだろうか。
◇
次回はETロボコンへ戻り、チャンピオンシップ大会の模様をお伝えする!
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