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ESEC2008に出展するサイバネットシステムは今年、同社の販売する「MATLAB/Simulink」を前面に出し「モデルベース開発」のメリットをアピールするという。モデルベース開発は組み込みソフトウェア開発の中でもかなり先進的な取り組みで、「I/Oポートを直接たたく」「デバイスドライバを独自開発する」といった従来型の組み込み開発とはかなり違う世界だ。
同社でMATLAB/Simulinkによるモデルベース開発のプロモーションに携わる近政 隆氏によると、「日本の組み込みシステム開発の中で、最もモデルベース開発に積極的なのは自動車業界です。OEMメーカーとその1次サプライヤーの企業はほぼ、この新しい開発手法への取り組みを始めています」ということだ。
モデルベース開発と自動車業界
モデルベース開発とは、製品開発の早い段階でコンピュータ上に仮想的なモデルを作り、それを検証しながら開発プロセスを進めていくというもの。試作機にソフトウェアを実装する前にさまざまな機能をシミュレートすることで、開発効率の向上やコスト削減を目指す。この手法が自動車業界に浸透しつつある理由を近政氏は次のように分析する。
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| サイバネットシステム 応用システム第1事業部 近政 隆氏 |
「自動車業界のモノづくりには、伝統的に製造プロセスを作り込むことで品質を上げようとする文化があります。メカトロニクス中心だった自動車の開発は、近年急速にソフトウェアで制御する部分が多くなっていますが、『メカはメカ屋、ソフトはソフト屋』といった分業の弊害に陥ることなく、メカニカルな部分とソフトウェアを一体化して全体を最適化する製造プロセスを組み立てようと模索しているのです」。
メカ設計の世界では、早くから3次元CADの立体モデルを利用して、試作機を作る前に干渉の有無や強度解析などのコンピュータ・シミュレーションを行うフロントローディングと呼ばれる開発手法を取り入れてきた。これをソフトウェア開発にも広げたのがモデルベース開発だ。では、具体的にどんな開発となるのだろうか。
論より証拠、まずはLEGOのデモを見てみよう
モデルベース開発を広く知ってもらうために、サイバネットシステムのブースではLEGO Mindstorms NXTを使ったモデルベース開発のデモ機を展示する予定だ。まずは、下記の動画で雰囲気をつかんでほしい。
サイバネットシステムが展示する予定の「モデルベース開発デモ機」
(画像をクリックすると動画「demo.mov」が再生されます)
LEGO Mindstorms NXTを用いて作成された二輪型倒立振子ロボット。自律的に前後のバランスを修正して倒立状態を保っている
このような運動を伴った機器のソフトウェア制御は、ソフトウェア単体で完結するGUI開発のようなわけにはいかない。メカ的な動作を含めた全体の振る舞いを検証しながら開発プロセスを回していく必要がある。その際に、ハードウェアを作る前段階として、コンピュータ上に構築した仮想モデルである程度まで開発・検証を進められるというのが、モデルベース開発のメリットである。そのためのツールは各社からリリースされており、MATLAB/Simulinkもその1つだ。
日本の自動車業界にMATLAB/Simulinkが浸透している要因の1つとして、近政氏はJMAAB(Japan MATLAB Automotive Advisory Board)の活動を挙げる。「JMAABはMATLABのユーザー会として、メーカーの壁を超えた業界横断的な活動をしています。自動車制御システム開発におけるモデルベース開発エンジニアを対象としたスキル・キャリア基準『ETSS-JMAAB』を策定するなど、活発な普及活動を行っています」と語る。
また上述のデモにも使用されている「LEGO Mindstorms NXT向けモデルベース開発環境」がMATLABの開発元であるMathWorks社のWebサイトで公開されている。MATLABの最新機能を使用したモデルベース開発ワークフローを体験したい方は、下記からダウンロードしてみてはいかがだろうか。
LEGO Mindstorms NXT向けモデルベース開発環境「Embedded Coder Robot NXT」
実行環境は、国産リアルタイムOSの「TOPPERS OSEK」をLEGO Mindstorms NXTへ移植した「LEJOS OSEK(LEJOS NXJ platform + TOPPERS OSEK)」。C言語開発環境はGNU ARM(GCC)
| 関連情報 | |
| Embedded Coder Robot NXTダウンロードページ http://www.mathworks.com/matlabcentral/fileexchange/loadFile.do?objectId=13399&objectType=file |
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| JMAAB(Japan MATLAB Automotive Advisory Board) http://j-maab.cybernet.jp/ |
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MATLAB/Simulinkを使ったモデルベース開発の特徴として近政氏は「画面キャプチャを見ていただいても分かるように、ブロック線図から仕様書を作り、それを基にコードを自動生成し、検証するといった流れです。自動車のようにメカとソフトが一体となって機能を実現するような機器開発に威力を発揮します」と説明した。
サイバネットシステムのブースにはモデルベース開発以外にも、信号処理・画像処理系の展示、MATLAB/Simulink入門コーナー、MATLABの概要を紹介するプレゼンテーションなども用意されるという。
| 展示会名 | 第11回 組込みシステム開発技術展(ESEC2008) |
| 開催日 | 2008年5月14日(水)から16日(金) |
| 会場 | 東京ビッグサイト |
| ブース番号 | 東38-30 |
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