- - PR -
今年で11回目を迎えるESECは、同時開催される8つの専門展の中でも最大の規模を誇り、毎年秋に開催されるET(組込み総合技術展)と並ぶ国内屈指の組み込み開発イベントである。ここでは直前情報として、毎年著名なスピーカーを招いて開かれる講演、専門セミナーの内容を紹介していこう。
いま最も熱いカーエレクトロニクス
現在の組み込みシステム開発で、最も技術革新の著しい分野といえば「カーエレクトロニクス」と「携帯電話」である。日本独自の進化を遂げ、高機能化に歯止めの掛からないケータイ端末は、おそらく多くの関連機器や開発ツールが展示ブースに出展されるだろう。ここは最新技術がしのぎを削る現在進行中の分野だ。一方のカーエレクトロニクスは、これから爆発的に拡大していく発展途上のテクノロジーといえる。組み込み開発に関係するエンジニアなら誰でも、カーエレクトロニクスがどこへ向かって進化するのか、気にならないはずはない。
ESEC2008のオープニングを飾る基調講演は「トヨタグループにおける組込みソフトウェア開発効率化の取組み」である。講演者の林 和彦氏はトヨタ自動車のBR制御ソフトウェア開発室の室長で、昨年4月に同開発室の立ち上げ以来、トヨタグループの組み込みソフトウェア開発全般を統括している最重要人物だ。これまで多くのメディアに登場しているので、ご存じの方も多いだろう。
今回の講演テーマは自動車システムにおけるソフトウェアの品質確保である。トヨタはいうまでもなく、リアルなモノづくりにおいて品質、コスト削減、効率などあらゆる分野で世界最高峰の手法を確立した企業である。そのノウハウは、果たしてバーチャルなソフトウェア開発の世界にも継承され、多くの企業がお手本とするような開発手法を生み出すことが可能だろうか。
トヨタと同様に、日本のモノづくりを代表する家電メーカーたちは莫大な経営資源を投入して携帯端末機のソフトウェア開発を行っているが、ちまたでよく耳にするとおり、開発現場の混迷ぶりは大きな問題となっている。トヨタといえども、同じ轍を踏まないとは限らない。そうならないために、彼らはどんな対策を考えているのか。トヨタの推進する開発手法、プロセス構築、標準化などの最新情報を直に聞ける今回の基調講演は、ESEC2008最大の呼び物といっていいだろう。
今年の専門セミナーは少し先の未来=夢を語る
ESECの専門セミナーで何を取り上げるかについては、各界の専門家を招いた企画委員会で討議され、決定される。従来は現実的なテクノロジーを中心とした講演を企画してきたのだが、今年は少し趣を異にしているという。ESEC事務局長の土居氏は「今回の特別講演に選んだのは、少し先の未来に目を向けた、いわば夢を語るようなテーマです」と語る。
![]() |
|
| リード エグジビジョン ジャパン ESEC事務局長 土居 史和氏 当日は大変な人出なので、興味のある出展社に対して、事前にアポイントを取って訪問するとよいそうだ。 |
会期2日目の15日に開催される特別講演は、おなじみの東京大学大学院 坂村 健教授による「ユビキタス・コンピューティングを支える組込みシステム技術」、そしてもう1つは最近テレビ番組でも取り上げられるロボットスーツの開発者、筑波大学大学院 システム情報工学研究科 山海 嘉之教授による「ロボットスーツ『HAL』の開発と科学技術が拓く未来」である。
HALは現在、山海教授とその研究室の成果を活用する目的で設立された大学発ベンチャー企業、サイバーダインによって研究開発と実用化が進められている。2008年4月16日には、同社と大和ハウス工業が共同でロボットスーツの量産工場の建設に着手したと発表されている。かつて子供たちの夢であったサイボーグ型ロボットが、いま量産化の一歩手前まで来ているのである。山海教授が何を考え、これからHALをどう進化させようとしているのか。気になる方はぜひ講演を受講しよう。
| 関連情報 | |
| 大和ハウスとサイバーダイン、国内にロボットスーツ量産工場(NIKKEI NETより) http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT3K1600A%2016042008&g=S1&d=20080416 |
|
最終日に組まれた特別講演は、「日本の電子技術が実現させた宇宙への夢」(宇宙航空研究開発機構(JAXA)理事長 立川 敬二氏)、そして「燃料電池自動車開発とホンダのモノづくり」(本田技術研究所 四輪開発センター 新村 光一氏)である。JAXAの立川氏からは、月周回衛星「かぐや」、超高速インターネット衛星「きずな」を支えている電子技術の動向から、将来の宇宙開発の展望が語られる予定だ。また、ホンダの燃料電池自動車開発は、環境性能の重要性が高まっているモノづくりの世界において、数年先の技術動向を理解するうえで貴重な機会となる。
安全設計という新しい商機を先取りしよう
これまで見てきた基調講演・特別講演が少し先の技術動向、そして展示会場を埋め尽くす出展社ブースの数々はいま動いている現実のビジネスとすれば、その中間に位置して「半歩先の技術動向を知る機会」(土居氏)を提供してくれるのが専門セミナーである。毎年恒例となっている4つのトラック、
- ソフトウェアエンジニアリング
- プラットフォーム技術
- ハードウェア技術
- 応用技術
に分かれて、3日間で合計24コマのセッションが開催されるが、中でも応用技術トラックの「安全設計手法徹底解説」と「安全設計適用事例」を注目したい。製品の安全性に対する消費者意識の高まりを受け、モノづくり現場での安全設計は今後ますます重要になってくる。この2セッションでは、電気・電子製品の機能安全に関する国際規格IEC 61508、および自動車車載機器向けの機能安全規格ISO26262についての解説を受けられる。「機能安全」という半歩先の技術を先取りすることは、競合企業に差をつけるチャンスとなるだろう。
◇
普段は目先の業務に追われて、業界全体を広く見渡す視点をなかなか持てないのが組み込みシステム開発者の日常だ。ESECはそんな技術者の視点を広げ、新しい製品開発のヒントをつかむ絶好の機会になる。MONOistでは組み込み開発フォーラム内に「ESEC2008特集ページ」を設けて出展予定企業への事前インタビューや製品情報ニュース、イベントレポート記事を随時掲載していくので、ぜひ情報収集に役立ててほしい。
関連記事 ESEC2008
組み込み開発フォーラム 新着記事
- フルスクラッチの“Hello World”を動かしてみよう(2011/3/31)
- FlexRayプロトコルの概要(その2)(2011/3/29)
- JASA、東北地域に拠点を置く会員企業を支援(2011/3/25)
- NEC、震災の影響を受けた4拠点の生産再開を発表(2011/3/23)
- 内部ブロック図の基礎と共通要素(2011/3/22)
- インテル、被災地におけるITインフラの復旧を支援(2011/3/22)
- Facts on AUTOSAR/AUTOSAR導入の現実(2011/3/18)
- 計測器・震災被害ホットラインを開設、テクトロニクス(2011/3/18)
- ZMP、地震の揺れを多角的に計測するアプリ無償配布(2011/3/16)
- メンター、3Dテレビ・マルチメディア検証プラットフォーム(2011/3/16)
- 【番外編】タチの良い計測値、悪い計測値とは?(2011/3/15)
- tarファイルシステムをAndroidに組み込む!!(2011/3/10)














