開催直前! ESEC2009速報

開催直前! ESEC2009速報

ハードとソフトの融合で機能の見える化を強化

上口翔子 @IT MONOist編集部 2009/4/28

2009年5月13〜15日の3日間、東京ビッグサイトで第12回 組込みシステム開発技術展(以下、ESEC 2009)が開催される。本稿では展示会開催に先駆け、共同出展する図研のSoC事業部とエルミック・ウェスコムのブースの見どころをお伝えする。(編集部)

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 2009年5月13〜15日の3日間、東京ビッグサイトで第12回 組込みシステム開発技術展「ESEC 2009」が開催される。

 すでに発表されている通り、図研のSoC事業部は、2009年6月1日にエルミック・ウェスコムと統合する。両社は2008年の6月より資本・業務提携を進めており、以降、ET(Embedded Technology:組込み総合技術展)で共同出展するなどの展開を進めてきた。

 今回のESECでは、どのような展示を行うのだろうか。以下、両社ブースの見どころをお伝えする。

開発ボードが付いた、RTPストリーミング配信ソリューション

 図研SoC事業部では、監視カメラ(ネットワークカメラ)などの映像通信系組み込み機器に採用されているRTPライブラリ「Z-core RTP」をメインに、展示を行う。最新バージョンはIPv6対応と、RTP over RTSPという転送方式へ対応しており、これまでリアルタイム性を重視していたZ-core RTPが、次世代ネットワークへの対応が可能になるとともに、伝送品質も強化された。

 図研 SoC事業部 システムデザインセンター 統括マネージャの矢次 久志氏によると、「RTP over RTSPを使うことで、UDPではなくTCPでデータ転送が行われるようになるため、再生品質の劣化が起きない。TCPを使うと、ファイアーウォールを越えられるので、インターネット上でもローカルな専用線を使用した映像配信が可能になる」という。

注:RTP over RTSPは、TCPを使用して通信する方式。データの安全性が保障されている(データが必ず届く)が、代わりに、重かったり遅延が大きいという問題がある。一方、RTP(Real-time Transport Protocol)は、UDPをベースに動いているため、データの伝送速度は速いが、パケットロスなどが起こり、例えば映像や音声を送るときに再生品質が劣化することがある

 「品質を重視するがリアルタイム性は重視しないという方には今回の新機能、遅延が多くて困るという方には従来どおりの機能と、さまざまな用途に対応できるようになった」(矢次氏)

 また、今回のESECでは実際の動作をボード上で確認できる開発プラットフォーム「Z-SYS for network camera(以下、Z-SYS)」も用意されており、実際の製品イメージに近い環境での動作を会場で見ることができる。

図研 SoC事業部 システムデザインセンター 統括マネージャ 矢次 久志氏

 具体的には、ボード(Z-SYS)を2枚動かし、一方は従来どおりの転送で遅延なく転送しているもの。もう一方はRTP over RTSPを使用し、パケット欠落がおきない、という伝送方式を変えた2つのデモンストレーションを並行して実施予定だという。

 Z-SYSはネットワークカメラをイメージしたもので、入力は音声と映像の2つ。内部にはFPGA、入出力にはイーサネットを積んでいることから、FPGAによるJPEGのリアルタイムエンコードや、LANに接続してリアルタイムの画像音声配信などもできる。

 また、Z-SYSのほとんどが図研の自社開発製品、技術でまかなっていることから、同社のRTPライブラリを評価したり、FPGAに積んでいるJPEGをH.264に変えるなど、ユーザーのシステムに合わせたカスタマイズも容易にできるという。ソフトとハード、両方の技術部隊が揃っている同社ならではの強みといえる。

 「これまでの展示会では両方できますよ、といっても実際にはお見せできるものがなかったため、実例を示すのが難しかった。今回はZ-SYSを前面に押し出し、Z-core RTPでできることをアピールしていきたい」(矢次氏)

 なお、今後の指標としては、ONVIF(Open Network Video Interface Forum:アクシス、ボッシュ、ソニーが昨年9月に設立したネットワークカメラ製品のインターフェイス規格標準化フォーラム)などへの対応を考えているとのこと。

関連リンク:
図研
http://www.zuken.co.jp/index.html
ESEC 2009出展 紹介ページ(図研SoC事業部)
http://www.zuken.co.jp/soc_show/index.html


Adobe Flashに対応した組み込み機器向けマルチプレーヤー

 エルミック・ウェスコムはSTBなどの組み込み機器向けマルチプレーヤー「MachBlue」を展示する。40インチの大型モニターを使用したインパクトのある展示方法で、これまで組み込み分野では見せることの難しかったFlashの動きをアピールするという。

注:MachBlueはカナダのブルーストリーク(Bluestreak)が開発した製品。エルミック・ウェスコムは日本での販売促進を請負っている(昨年に契約した)

エルミック・ウェスコム 営業本部 マーケティング部 マネージャー 加藤 昇治氏

 「Machblueは簡単にいってしまえばFlashのプレーヤー。おそらく日本市場ではブラウザとFlashのプレーヤーを重ねてやるのか、あるいはどっちか一方を使うかというような製品の扱いになると考えている。すでに欧州で採用実績のある携帯電話と、今後使われるであろうカーナビなど組み込み機器でのデモンストレーションを考えている」 (エルミック・ウェスコム 営業本部 マーケティング部 マネージャー 加藤 昇治氏)

 加藤氏によると、1番の見どころはFlash Playerでの動作。通常、組み込み機器に採用されているAdobe Flash Playerは、PC向けのものと比べ、2〜3段階ほどバージョンが古いものとなっている。しかし、MachBlueは現状の最新バージョン(Ver.9)からワンランクだけ下となるVer.8までの機能が実現できるという。

 「監視カメラなどの映像機器や、動画を扱っている企業の方にアピールしたい」(加藤氏)

関連リンク:
エルミック・ウェスコム
http://www.elwsc.co.jp/
ESEC 2009出展紹介ページ(エルミック・ウェスコム)
http://www.elwsc.co.jp/japanese/event/index.html#ev03f


共同出展をする意義

 昨年のETから展示会で共同出展を行っている両社。その強みは何だろうか。

 「IPネットワーク、例えば映像配信のソリューションを提案する際に、Z-core RTPとKASAGO IPv6(組み込み用IPv6デュアルスタック)を組み合わせるということもできる。両社のオリジナル製品については互いに販権を持っているので、例えば受託のときには、それも含めて対応できる」(矢次氏)

 展示会では、両社の製品を組み合わせた“テクノロジーマップ”も配る予定だという。

 「いまはソフトだけ、ハードだけではできない世の中。ともに技術を補完し合いながら、製品の幅を広げていきたい」(加藤氏)


展示会 第12回 組込みシステム開発技術展(ESEC2009)
開催日 2009年5月13日(水)から15日(金)
会場 東京ビッグサイト
ブース番号 東44-2
(図研SoC事業部とエルミック・ウェスコムの共同ブース)

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