完全マスター! 電子回路ドリル

完全マスター! 電子回路ドリル(25)

1学期【期末考査】解答編
   〜電子回路の基礎知識〜

横田一弘 埼玉県立新座総合技術高等学校 教諭 2007/12/13

本連載は、これから電子回路について学びたい人、知識の再確認を行いたい人のための「電子回路ドリル」です。電子回路に関する問題を宿題形式で毎週お届けします。“継続は力なり”です! ぜひ毎週チャレンジしてください。(編集部)

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 前回は、1学期【期末考査】をお届けしました。

 解けた方も解けなかった方も、次項の解答と解説をぜひ読んでみてください。

 1問1問確実に理解しながら解いていけば、必ずやその知識が身に付くことでしょう。

 それでは、解答を発表します!

期末考査−第1問の解答と解説



第1問

・ベース電流IBを0から変化させたとき、コレクタ電流ICとコレクタ−エミッタ間電圧VCEはどのように変化するか? グラフを完成させなさい? ただし、トランジスタのhFEは200とします。


答え.



 第1問は、図1の回路のIBを0から変化させたときのICとVCEを調べる問題です。

図1

 IBとICの関係は、

となります。

 またIBとVCEの関係は、

となります。以上の関係からIBに対するIC、VCEを計算したものを表1に示します。

表1 IBとIC、VCE
IB[μA]
0
10
20
30
40
50
60
70
それ以上
IC[mA]
0
2
4
6
8
10
10
10
10
VCE[V]
10
8
6
4
2
0
0
0
0

hFE=200、VCE=10V、RC=1kΩ

 図1の回路において、IBが50μA以上になるとトランジスタが開き切ってしまうため、ICは10mA以上に、VCEは0V以下に変化することができません。このような回路の状態を“飽和状態”といい、トランジスタをスイッチとして使用するときは、必ず飽和状態になるようにIBを流します。

期末考査−第2問の解答と解説

第2問

・R1、R2、R3の抵抗値は?

答え.20kΩ

・R4、R5の抵抗は?

答え.300Ω

・R6の抵抗は?

答え.200Ω

※白いところをクリックすると答えが表示されます。


 第2問は、マイコンのポートでフルカラーLEDを点滅させる回路を設計する問題です。

 フルカラーLEDは赤、緑、青(光の3原色)のLEDを1つのモジュールに収めたものです。LEDの特性から赤、緑LEDの順方向電圧VFを2V、青LEDのVFを3Vとして求めてみましょう。

 最初にコレクタに挿入されている抵抗RCは、

となります。そして、各LEDに10mAの電流を流すために、R4、R5「300Ω」、R6「200Ω」とします。

 IBは、

より、hFEを200にすると50μAと求められますが、トランジスタをスイッチとして使用するので、ここでは数倍の200μAとします。

 ベースに挿入されている抵抗RBは、

より、VHを5V、VBEを0.7Vとすると「約20kΩ」と求められます。


期末考査−第3問の解答と解説

第3問

・RBの抵抗値は?

答え.1.2MΩ

・電圧増幅率は?

答え.200

※白いところをクリックすると答えが表示されます。


 第3問は、固定バイアス回路に関する問題です。

 最初にバイアスを掛けるための抵抗RBを求めます。

 図2のバイアス回路で、出力信号の振幅を最大にするために、VCEを=VCC/2となるようにIBを流します。

図2

 IBは、

となり、VCC=9V、RC=3kΩ、hFE=200のとき、7.5μAと求められます。

 そしてRBは、

となり、「1.2MΩ」と求められます。

 また、電圧増幅率AVは、

より、hFE=200、hie=3kΩのとき、「−200」と求められます。

期末考査−第4問の解答と解説

第4問

・オペアンプ回路に交流信号を入力した場合、どのような波形が出力されるでしょうか


答え.



 第4問のオペアンプ回路は“比較回路”と呼ばれるもので、入力電圧と基準電圧を比較する回路です。

 オペアンプは差動増幅器で、非反転入力の電位VI+と、反転入力の電位VI−の差を増幅します。つまり、増幅率Aのオペアンプの出力電圧は、

となります。

 オペアンプの増幅率Aは非常に大きいため、小さい入力であっても出力は飽和してしまいます。

 その結果、

  • VI+>VI−のとき、+Vcc(正の電源電圧)
  • VI+<VI−のとき、−Vcc(負の電源電圧)

が出力されます。

1学期終業式 〜継続は力なり〜

 以上で、1学期の期末考査の解答と解説は終了です。また、今回をもって「完全マスター! 電子回路ドリル」の1学期が終了となります。本当にお疲れさまでした。

 1学期は「電子回路の基礎知識」をテーマに出題してきました。皆さん、いかがでしたでしょうか? 前々回でも述べましたが、“電子回路を理解するには、何より「回路構成とその動作を思い描けること」が大切”です。そのためにも本連載で出題した問題に何度も挑戦していただき、基礎を押さえつつ、技のバリエーションを増やしてみてください。

 最初は分からなくてもいいんです! あきらめずに何度もチャレンジすることが大切です。その努力が必ずやご自身の力になるはずです。そう「継続は力なり」ですから。

 それでは皆さん、【2学期】の連載でまたお会いしましょう!

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