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ロボット専業メーカーのZMP(ゼットエムピー)は2009年6月9日、電動化(EV/HEV)やネットワーク化(CAN/FlexRay)が進む自動車の開発現場および各学術機関向けに、自動車開発シミュレーション用のプラットフォーム「RoboCar」およびRoboCarにボディを搭載した「RoboCar Z」を発表した。
RoboCarは、その名の通り「ロボット」と「自動車(カー)」が融合したもの。カーエレクトロニクスの技術を搭載した走行シミュレーション用のロボットである。ZMPではRoboCarを“カーロボティクスプラットフォーム”と呼び、2008年12月17日から受注を開始。このたび2009年6月末日から順次出荷を始める。
実車を用いた自動車の走行シミュレーションは、これまでも米国の国防高等研究計画局(DARPA)などで行われてきた。しかし、広大な土地で実車試験を行える海外とは違い、日本ではテストが行えるスペースも少なく、また膨大なコストもかかることから、誰もがカーロボティクスの分野へ自由に参画できる環境ではなかった。
そこでZMPでは、デスクトップサイズの小型なカーロボティクスプラットフォーム「RoboCar」の開発に着手。開発パートナーには、画像処理技術に強い半導体ファブレス企業のレグラスや車載用画像認識プロセッサ開発で実績のあるNECエレクトロニクス、工業デザイナーの根津 孝太氏(znug design 代表、ボディデザインを担当)らが名を連ねた。
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画像1 RoboCar Zの外観(画像=左)と3次元図面(画像=右※クリックで画像が拡大します) RoboCar Zの“Z”はZMPのZと、デザインを担当した根津の社名(znug design)のZから取ったという |
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RoboCarの特長
RoboCarは、約10分の1ほどの車体スケール上に、自律移動用のロボット技術を搭載している。市販されているラジコンカーなどに比べ、ステアリングの精度が10分の1(0.5度)と剛性、精度に優れた車体であることから、走行シミュレーションに必要な“正確な制御アルゴリズム(ステアリングやステップ機能など)”が実装できるという。
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画像2 RoboCarの機能※クリックで画像が拡大します |
カメラや各種センサなど環境認識プラットフォームも充実しており、ステレオカメラ、赤外線測距センサ、レーザーレンジファインダ(オプション)、ジャイロ・加速度センサ、4輪独立回転速度計などを備えている。ボードはNECエレクトロニクスの画像認識処理用の並列プロセッサ「IMAPCAR」を128個搭載した専用ボードを使用している。
ソフトウェア面では、ユーザーが自由にアプリケーションを搭載できるよう、APIを公開。Linuxべースの制御OSを採用したCPUボードを搭載し、RoboCar単体での自律走行も可能にしている。
仕様
RoboCarの概要は画像3、4を参照。自動車に近い機構となっている。
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画像3 RoboCarのセンサ、基板レイアウトイメージ(上部)※クリックで画像が拡大します | 画像4 RoboCarのセンサ、基板レイアウトイメージ(下部)※クリックで画像が拡大します |
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画像5 RoboCarのサイズ※クリックで画像が拡大します |
上部に取り付けられたカメラは前方をよく見渡せられるようになっており、障害物の検知などに有効だという。周囲取り付けられた赤外線測距センサ8個はユーザーで自由に取り付けることができ、オプションで別のセンサの取り付けることも可能だという。
下部にあるエンコーダはモータ軸と4輪のタイヤに着いており、車の挙動やそのときの状態を知る上で有効となる。サイズは195(幅)×429(長さ)×212.2(高さ)mm。
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画像6 RoboCarの仕様※クリックで画像が拡大します |
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画像7 RoboCarの製品内容と付属品一覧※クリックで画像が拡大します |
ターゲット
ターゲットとしては自律自動車や自律ロボットの開発を行う企業・研究機関、学校や企業の教育用、省エネや環境技術(燃料電池、電池駆動技術)の開発企業、無線通信を利用した車車間通技術を開発している企業などを想定しているという。
今後はユーザーからのニーズを収集し、API開発環境、ツールの充実、画像認識モジュールの単体販売(画像8参照)、第2世代「IMAPCAR」への対応、屋外に適したレグラスの画像認識技術(WDR技術)の搭載、つくばチャレンジなど屋外での利用を考えた大型化、海外への販売などを考えているという。
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画像8 画像認識モジュール※クリックで画像が拡大します 受注は本日より開始されている | 画像9 レグラスの画像認識技術(WDR技術)のデモ
右が通常の画像、左がWDR技術を使用したもの。人間の目のようにロボットも明るい画像を広いダイナミックレンジで見れるように変換している |
ZMP 代表取締役社長の谷口 垣氏は「RoboCarは最先端の画像チップが搭載され、CPUが入り、センサも充実している。ここまで一体化したシミュレーションマシンはほかにない。自動車業界の新たなAPIやアプリケーション開発に貢献できたら」と語った。
なお、本体価格はRoboCarが59万8000円(税込み)。ボディ付き(色は赤と黄色の2種類から選択)のRoboCar Zは129万8000円(税込み)。本日より受注開始した画像認識モジュールはアカデミック価格で39万9000円(税込み)となっている。
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