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ウインドリバーは2009年7月9日、仮想化機能「Wind River Hypervisor」を中心とした同社仮想化製品の説明会を実施した。
Wind River Hypervisorは、2009年6月16日に提供開始がアナウンスされた組み込みプロセッサ向け仮想化機能。リリースされたバージョン1.0では、マルチプロセッサ対応やリアルタイム応答性、フットプリントの小ささ、利便性の高いデバイスドライバ、独立した仮想ハードウェア提供などを特徴としている。
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| ウインドリバー 営業技術部 第一営業技術部 シニアエンジニア 小宮山岳夫氏 |
同社営業技術部 第一営業技術部 シニアエンジニアの小宮山岳夫氏は「ハイパーバイザという仮想化技術はITの世界などですでにさまざま使われいてる。この技術を組み込みに応用する際に必要なのは高速性、フットプリント、リアルタイム性、移植性。Wind River Hypervisorは、これら組み込み製品に特化した機能の提供によって実現した」と説明する。
Wind River Hypervisorはハードウェア上で直接稼働するType 1のハイパーバイザで、IntelおよびPowerPCアーキテクチャをベースにしたシングルコアおよびマルチコア双方のプロセッサ上での仮想化をサポートする。対応するゲストOSは、同社が提供する商用OS「VxWorks6.7」や「Wind River Linux2.0.2」(他OSの対応も可)。
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| Wind River Hypervisorの位置付け |
「導入はやや大変だが、小さなフットプリントと高い安定性を確保できるネイティブ型のType 1 ハイパーバイザを選んだ。また、ハイパーバイザ上で動くゲストOSの実装方法も、Paravirtualized方式を採用。この方式は互いに協調させるためにOSそのものに手を入れる必要があるが、近年はハードウェア側で仮想化を支援する機能を搭載しているケースが増えているので、それを積極的に使うことで効率的な仮想化を実現するハイブリッド仕様になっている」(小宮山氏)。
組み込み利用で欠かせないリアルタイム応答性を高めるため、リアルタイムスケジューラを実装(タイムスライススケジューラも選択可能)。仮想CPU下において、リアルタイムアプリケーションを実行することができる。
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| リアルタイムスケジューラを実装するWind River Hypervisor |
また、デバイス共有では仮想化せずにゲストOS自身がデバイスに直接アクセスできる機能を装備。ハイパーバイザ環境で、デバイスへのアクセスオーバーヘッドを最小限化し、デバイスの全機能を利用可能にしている。将来的には仮想デバイスもサポートしていく予定とのこと。
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| 高速・低遅延のプロセス-OS間通信を実現 |
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| ゲストOSまでを同一ベンダーで提供することで製品開発の早期スタートが可能になる |
組み込み環境における仮想化の必要性
組み込みシステムが抱える問題として「システム再構成に工数がかかる」「OS間の干渉」といったものがあるが、マルチコア化が進めば進むほどこれら問題が顕在化してくる。
例えば、組み込みシステムの再構成ではAMP/SMPのシステム構成を再度変更しようとするとOSを編集しなければならず、システム資源のチューニングに工数がかかり、検出困難なバグを埋め込んでしまう可能性がある。また通常のAMP/SMPのシステム構成では各OSがリソースを管理しているため、ほかの領域にアクセスが可能になってしまいその領域を壊してしまう危険性があるという。
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| 組み込みシステムでは再構成でのバグ埋め込みや干渉による他OS領域破壊という危険性がある |
Wind River Hypervisorでは資源の再構成はハイパーバイザ側が行うので、システム再構成が非常に容易にでき、またOS間の独立性も高まるのでシステムの堅牢性も向上するのだ。
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| ハイパーバイザ導入後の構成 |
受け継ぐVxWorksの遺伝子
Wind River Hypervisorが生まれた背景には、航空宇宙分野で活躍するVxWorksによる功績が大きい。
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| ウインドリバー マーケティング本部 寺嶋祐一本部長 |
同社マーケティング本部の寺嶋祐一本部長は「例えば航空機では、安全に飛行するための機体制御システムから、座席モニタで映画を映し出すようなマルチメディアコンテンツ配信システムまでさまざまなシステムが稼働している。このように信頼性が非常に重要なシステムとそうでないシステムとがお互いに干渉しないようにするという技術を、当社はVxWorks上で以前から開発してきた」と語る。
安全性やリアルタイム性が最も求められる航空宇宙分野でのVxWorksの最先端技術が、今回のWind River Hypervisor開発に生かされているというわけだ。
同社ではこのWind River Hypervisorを、航空宇宙・防衛、自動車、コンシューマデバイス、産業、ネットワーク機器分野などで用いられる組み込みデバイスの仮想化実現に応用していく構え。
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