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マイクロソフトは2009年10月2日、9月に発表されたばかりの組み込み向けOS「Windows Embedded」ファミリの新製品ラインアップに関する記者説明会を開催。新製品の概要と、同社が考える日本の組み込み市場の動向について説明が行われた。
同社は約2年を掛けて、Windows Embeddedの認知を広げる活動をさまざまなユーザーに対して行ってきたという。その中で、同社は『PC分野で培ったWindowsの技術・ノウハウを組み込み機器に適用し、PC、携帯電話と同じようにネットワークに接続されたシームレスな世界を実現していこう』というゴールを掲げ、新しい技術や製品のリリースを続け、Windows Embeddedの普及活動を進めてきたという。
「PC、携帯電話、組み込み機器。これらすべてのカテゴリで“Windows”と名の付く製品を提供してきた。そうした中、現在これまで以上に力を入れているのがもっとネットワークにつなげていこう、もっとデバイス同士が相互接続できるようにしていこうということ」と、マイクロソフト OEM統括本部 OEMエンベデッド本部 シニアマーケティングマネージャ 松岡 正人氏は語る。
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| 画像1 マイクロソフト OEM統括本部 OEMエンベデッド本部 シニアマーケティングマネージャ 松岡 正人氏 |
現在の組み込み市場のトレンドについて松岡氏は「PCや携帯電話、あるいはネットワーク対応のTVと同じように、現在、組み込み機器もネットワーク上のサービスの活用やデータ共有をはじめようとしている。今後、ネットワーク上のサービスと組み込みデバイス、あるいはデバイス同士で相互にネットワーク接続されることで、これまでになかった新しいサービスが生まれてくるだろう」とし、こうした新しいサービスを実現するインフラや、サービスを受けるための新たな組み込みデバイスの必要性を説いた。
とはいえ、組み込み分野はPCや携帯電話のように、単一のカテゴリとして取り扱うことが難しい。例えば、PND(Portable Navigation Device)、電子辞書、カラオケの操作端末、POSやKIOSK端末も組み込み機器であるし、医療・金融・製造分野で利用されるミッションクリティカルな組み込み機器も存在する……。
こうした無数のカテゴリが存在する組み込み分野に対し、同社は標準・汎用的に使用できるプラットフォーム、あるいは特定用途向けのプラットフォームを提供することにより、カテゴライズするのが困難な組み込み分野で数百億台規模のビジネスを作り上げているという。
「エンタープライズは特にマイクロソフトが強い分野。日本で一番売り上げを上げているのがリテール分野、次にFA(Factory Automation)分野である。ITのシステムとつながることが前提となるシステムで高い評価を得ている」(松岡氏)。また、なぜこうした分野にWindowsが採用されているのかについて、松岡氏は「インフラ側でマイクロソフトの製品・テクノロジが使われているケースが多い点、またITエンジニアがWindowsで開発を行うケースが非常に多く、開発・運用面で結果的にコストが抑えられる点が挙げられる」という。
エンタープライズ向けに今回発表されたのが「Windows Embedded Standard 2011 CTP」「Windows Embedded Enterprise “Windows 7”」「Windows Embedded Server 2008 R2」の3製品。
Windows Embedded Standard 2011 CTPは、従来のWindows Embedded Standard 2009がWindows XPベースであるのに対し、Windows 7をベースとしている。「現在CTP版だが、おそらく1年以内には製品版を出荷できるはず」(松岡氏)。また、Windows Embedded Enterprise “Windows 7”とWindows Embedded Server 2008 R2は、Windows 7あるいはWindows Server 2008 R2を組み込み機器で使用するための専用ライセンスとして用意されたもの。「デスクトップPCのような汎用的な利用ではなく、ある特定用途に限ってWindowsを使用するといった場合、例えば、工場のラインの情報を吸い上げて、それをホストPCに渡すといった用途などでWindowsを使用する場合に購入していただくライセンスとなっている」(松岡氏)。
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| 画像2 Windows:エンタープライズ機器 |
これら新製品には、Windows 7ならではの新たな機能がいくつか追加されているが、特に注目なのが「Sensor and Location プラットフォーム」だ。これは標準化されたデバイスドライバのフレームワークのようなもので、センサ、モータ、アクチュエータなどの工業用の入出力デバイスを、PCのマウスやプリンタのようにプラグアンドプレイ感覚で簡単に接続できる仕組みだ。「この仕組みがうまく浸透すれば、誰でも簡単に、工場、あるいはプラントの制御システム、情報処理のための仕組みを構築できるようになる」(松岡氏)。これまでは機器の入出力部分を個別に作り込まなければならなかったため非常にコストがかかっていたが、こうした面倒な部分を標準機能として提供することでエンドユーザーの負荷を減らせるとしている。
一方、コンシューマ機器分野はというと、iPhoneやiPod touchのヒットからも分かるとおり、ユーザーインターフェイスの役割が非常に重要になってきている。従来ボタンやスイッチで操作を行っていたものが、タッチパネルによる直感的な操作に変わりつつある。また、ユーザーインターフェイス以外にも、クラウドサービスとの連携という機能要求も高まっている。
こうした仕組みをコンシューマ分野の組み込み機器で使用できるように機能拡張を行ったのが、今回発表されたもう1つの新製品「Windows Embedded CE 6.0 R3」だ。
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| 画像3 Windows:コンシューマ機器 |
Windows Embedded CE 6.0 R3の新機能の中で注目したいのは、Windows PCとの相互接続性を保証する仕組み「Windows デバイスステージ」「Windows コネクションマネージャ」。そして、タッチパネルでの操作を想定したパン/ズーム/ジェスチャによるブラウジング機能を実現するフレームワーク。さらに、Silverlightのサブセットとして組み込み機器向けに用意された「Silverlight for Windows Embedded」だ。Silverlight for Windows Embeddedは、Silverlight 2がベースとなっており、組み込み機器で主に使用される2次元、2.5次元(疑似3次元)の処理をターゲットにしているという。また、これらのデザインツールとして「Expression Blend」を提供する。「同一の環境でPC、あるいは組み込み機器向けにオブジェクトをデザインできる標準化されたデザインツールはおそらくなかったであろう」(松岡氏)。
なお、CE系の次世代製品「Windows Embedded Compact(“Chelan”)」が2010年Q2にリリースされる予定があり、今回発表されたWindows Embedded CE 6.0 R3が“CE”ネーミング最後のバージョンとなる予定だ。
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| 画像4 Windows 7ベースのプラットフォームを進展 |
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