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今年も組み込み技術者の熱い頭脳戦が全国各地で繰り広げられる。組込みシステム技術者協会(JASA)は2010年2月9日、組み込み技術者の育成をテーマにしたイベント「ETロボコン2010」の説明会をマスコミ向けに実施。今年度の開催内容や審査方針などが語られた。
ETロボコン――正式名称「ETソフトウェアデザインロボットコンテスト」はその名のとおり、組み込みソフトウェアの設計技術を競う競技だ。同一のロボット(走行体)をベースにして、UML(Unified Modeling Language)などで分析・設計したソフトウェアの技術を競い合い、「ロボット走行システムのソフトウェア設計モデル評価」と「ロボット走行性能(タイムレース)」の2つの側面で審査が行われる。
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| 画像1 JASA副会長 兼 ET事業本部長の藤木 優氏 |
JASA副会長 兼 ET事業本部長の藤木 優氏は冒頭のあいさつで「“ETロボコン”のほか、毎年秋に開催している“Embedded Technology”、組み込みソフトウェア技術者試験“ETEC”、この3つがJASAの三大事業だが、その中でもETロボコンが最も元気がよい事業として発展している。若手技術者の育成と今後日本を背負っていく組み込み技術者を支えるベースとして、JASAあげて支援するイベント」と、ETロボコンの意義を語る。
ETロボコンは、企業内のエンジニアを含めたオープン参加型のロボットコンテストとして2002年からスタートした(当初の名称は「UMLロボットコンテスト」、2005年に「ETロボコン」と名称を変更)。
「組み込みソフトウェア開発分野における分析・設計モデリングと、若手および初級エンジニア向けにモノづくりの楽しさを経験する教育機会を提供する」という目的を持ったETロボコンは、“ソフトウェア分野の教育ロボコン”という役割を担っている。
そのため、参加者(教育対象)は若手技術者や高校生以上の学生とし、運営者(教育提供者)は産学官の関係者がボランティアベースで担当している。
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| 画像2 ETロボコン実行委員会 運営委員長の小林 靖英氏 |
ETロボコン実行委員会 運営委員長の小林 靖英氏は「ロボットの性能制御を競うのはもちろん、中身(設計図)を競うのがETロボコンの特徴。世界的に見てもユニークな、ソフトウェアの設計コンペティションとなっている」と語る。
さて、今年で9年目を迎えるETロボコン。昨年は全国7地区(東北、北関東、東京、南関東、東海、関西、九州)で開催されたが、今年は新たに北海道(北海道札幌市)、北陸(石川県金沢市)、沖縄(沖縄県沖縄市)の計3地区が加わった。
「地区大会の開催地は、可能な限り(参加者の)在住地区付近ということを目指しており、今回3地区を新たに増やした。個人的には、ひそかに47都道府県全部での開催を目指している」(小林氏)。
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| 画像3 開催地区に北海道、北陸、沖縄の計3地区が新たに加わった |
2002年の第1回大会から毎年右肩上がりで参加数も増加。2009年は354チーム、1700名が参加するなど、大規模なイベントとなった。「今年は認知向上や新規地区での開催もあるので(参加数も)ぐんと増えてほしいが、景気低迷の余波もあるので参加数は410チームぐらいと予測している」(小林氏)。
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| 画像4 参加者数の推移と2010年の予測 |
2010年は走行体がワイドに
使用される走行体(ロボット)は、2008年まではLEGO Mindstorms RCX(以下、RCX)が使われていたが、2009年はRCXのほかに2輪倒立振子ライントレースロボット「LEGO Mindstorms NXT(以下、NXT)」が登場。2009年は移行期ということでRCXとNXTの2つの走行体から選択できた。2010年ではいよいよRCXがなくなり、NXTベースのみとなる。
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| 画像5 昨年のETロボコン2009で使われたNXT走行体 |
2010年の走行体は現在策定中とのことだが、発表会では「仮」としながらも2010年版NXT走行体がお披露目された。
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| 画像6 お披露目された2010年版NXT走行体(仮) |
新しい走行体は、2009年版に比べてタイヤを外側に出してトレッド(左右のタイヤの中心間距離)を広くした「ワイドトレッド化」が最大の特徴だ。これにより、走行体の横方向の安定性が大幅に改善され、段差の昇降や傾斜角最大15度の坂道走行などが可能になったという。なおワイドトレッド化に伴うパーツは2009年版の走行体キット(ETロボコン2009キットNXT-A)で構成できるため、昨年NXTで出場したチームは、キットの組み立て変更のみで対応できる予定。
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| 画像7 ワイドトレッド化され、安定感が増したNXT走行体の下半身 |
また、段差や坂道への光センサ接触の可能性を低減するために光センサ取り付け位置を走行体の中心に近づけた(2009年版の光センサ地上高は維持)ほか、超音波センサの使用を解禁(具体的な競技ルールは未定)など、2010年版走行体での変更点が明らかにされた。
開発環境のサンプルとして、昨年同様にオープンソースのC/C++向け開発環境「nxtOSEK」がETロボコン事務局(技術委員会)から提供される。2010年1月末時点でETロボコン事務局が動作確認を行っている開発環境はこのnxtOSEKのほか、TOPPERSプロジェクトのオープンソースRTOS「TOPPERS/JSP for LEGO MINDSTORMS NXT」がある。こちらは事務局公認の開発環境として参加者が使用できるように、現在TOPPERSプロジェクトと調整中とのことだ。
今後のスケジュールは、まず2月中旬から3月中旬にかけて全国各地で説明会を実施。直近では東海地区の2月13日が最も早い開催となる。その後5〜6月には技術教育を展開。競技規約や審査基準が公開されるほか、技術教育の場ではUML表記法や設計・実装など初級者にも分かりやすい技術解説が行われる。また7〜8月には本番同様のコースを用いてテスト走行を行う試走会を各地で開催。そして9〜10月に地区大会、12月1〜2日にパシフィコ横浜でチャンピオンシップ大会が開催される。
参加募集は3月8日〜4月6日にETロボコン2010のホームページ上(http://www.etrobo.jp/ETROBO2010/)で実施される予定。
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| @IT MONOist ロボット特集ページ
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