- - PR -
はじめに
前回は、キャッツ株式会社の新卒社員4人組が研修期間の一環として参戦した2005年のETロボコン注1の予選会(競技会・ワークショップ)までを、UMLモデリングを中心に紹介しました。今回は、実装部分(実際の走行)を中心にチャンピオンシップ大会(本戦)までのドキュメントを紹介します。ハッスルCATSでの実装のポイントは、C言語などのコーディングではなく、ZIPC注2を使用した状態遷移表により実装を行ったところです。
注1:ETロボコン
自律型ライントレース・ロボット「LEGO Mindstorm」を使って、組み込みソフトウェア開発の「分析、ソフトウェア設計モデリング」と「走行性能(タイムトライアル)」を競うコンテスト。詳細は下記を参照。
・ETソフトウェアデザインロボットコンテスト チャンピオンシップ大会
・激走! ETロボコン チャンピオンシップ大会(@IT記事)
・さあ君もETロボコン2006に参加しよう(@IT記事)
注2:ZIPC
キャッツ株式会社が開発・販売を行う組み込みシステム向け純国産CASEツール。STM(State Transition Matrix:状態遷移表)をベースとし、基本設計からシミュレーション、実装、実機試験までを統合して開発できる。詳細は下記を参照。
・「品質100%保証」を実現するCASEツールへ(@IT記事)
予選会の反省で見えてきたこと
ほかのチームのUMLモデルや実機走行の印象
2005年7月2日に内田洋行・潮見オフィスで開催された予選会には53チームが参加しました。参加チームはそれぞれ個性的な分析を行い、予選会に挑んでいました。中で注目されたのは、特殊コースや独特なショートカット(コースレイアウトについては後述の図3を参照)に挑んだチームでした。オフロードコースをバック走行で攻略をしようとしたチームや、自ら新たな近道を開拓しようとしたチームがいました。
![]() |
|
| 写真1 予選会のレース結果 優勝した加賀百万石の35秒42に対し、第9位のハッスルCATSは1分2秒63だった |
ところが、予選会当日は直射日光の影響によりコース上のテープが乱反射し、光センサによる値の取得が困難でした。そのため、予選会の本番では独特な走行を披露できなかったチームも数多くいました。そんな環境の中、予選会を制したのはシンプルな分析を行ったチーム「加賀百万石」でした。私たちの記録したタイムと優勝チームとのタイム差は約30秒、およそ2倍のタイムという苦しい結果でした。
チャンピオンシップ大会に向けて、修正すべき点はどこか
チャンピオンシップ大会に向けて修正を行うに当たり、敗因分析を行いました。予選会での走行映像や設計書を繰り返し見て、どうすれば速く走れるかを分析していきました(図1、図2)。
![]() |
| 図1 予選会での敗因分析(1)問題項目の洗い出し (画像をクリックすると拡大します) |
![]() |
| 図2 予選会での敗因分析(2)問題点の集約と改善案への落とし込み (画像をクリックすると拡大します) |
まず、着目したのがリカバリーの回数でした。予選会の走行では、リカバリー処理に頼り切った走行だったため、コースアウトして復帰する分の時間がタイムロスとなっていました。そのため、チャンピオンシップ大会ではコースアウトをしない走行を目指すことにしました。
また、本戦では予選会のルールに加えてボーナスタイムが適用されました。ボーナスタイムとは、難易度の高い特殊コースを通過できたり、特別な条件を満たすと与えられるもので、ボーナスタイムを獲得すると走行タイムからボーナスタイム分の時間が減算されるルールです(図3)。
![]() |
| 図3 コースレイアウト 図上部にある一方通行の標識がスタート位置で、OUTコース(青線)とINコース(赤線)の2回走行する。ボーナスポイント獲得の対象は、OUTコースではコースの黒線が漆黒の破線に変わる近道、INコースはオフロード(コース上に障害物)のある近道。ボーナスポイントはこのほか、ゴール地点から50cm以内での停止、コース中のゲート通過がある。また難所として、図の右上の漆黒線3から始まる坂道がある。 |
予選会では全体的に走行戦略の分析が不足していたこともあり、チャンピオンシップ大会では黒の実線走行から特殊走行まで、すべてのコースに対して走行戦略を練り直すことにしました。ボーナスタイムの獲得は優勝への大きな鍵になるため、本戦に向けてのコンセプトは「すべてのコース条件にトライする」に決めました。
関連記事 ETロボコン
組み込み開発フォーラム 新着記事
- フルスクラッチの“Hello World”を動かしてみよう(2011/3/31)
- FlexRayプロトコルの概要(その2)(2011/3/29)
- JASA、東北地域に拠点を置く会員企業を支援(2011/3/25)
- NEC、震災の影響を受けた4拠点の生産再開を発表(2011/3/23)
- 内部ブロック図の基礎と共通要素(2011/3/22)
- インテル、被災地におけるITインフラの復旧を支援(2011/3/22)
- Facts on AUTOSAR/AUTOSAR導入の現実(2011/3/18)
- 計測器・震災被害ホットラインを開設、テクトロニクス(2011/3/18)
- ZMP、地震の揺れを多角的に計測するアプリ無償配布(2011/3/16)
- メンター、3Dテレビ・マルチメディア検証プラットフォーム(2011/3/16)
- 【番外編】タチの良い計測値、悪い計測値とは?(2011/3/15)
- tarファイルシステムをAndroidに組み込む!!(2011/3/10)














