組み込み開発でもEclipseを!

〜 Eclipse Foundationのプロジェクト最新事情 〜

組み込み開発でもEclipseを!

トーマス・イベンソン ウインドリバー・システムズ(http://www.windriver.com/
チーフ・テクニカル・オフィサー 2006/3/7

Eclipse Foundationでは、Eclipseを組み込み開発に応用するための取り組みが行われている。いまEclipseで何が起こっているのか。プロジェクトの最新事情を紹介する。(編集部)

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Eclipse Foundationの誕生

 2000年当時の開発ツールはおおむね相互運用性に乏しく、単一のインフラが望まれていました。

 2002年にIBMが独自技術をオープンソース・コミュニティに委ね、開発ツールに関係する主な企業が協業して共通のインフラを実現することを提案しました。共通のフレームワークと模範的な開発ツールを作れば、多くの企業がそれらを自社製品の開発に活用できるようになります。こうして、“Eclipse”が誕生しました。

画面1 Eclipse 3.1の画面(画像をクリックすると拡大します)

 発足時から、Eclipse Foundationはほかのオープンソース・イニシアティブと異なっていました。参加者は個人の開発者ではなく、すべてが商用製品を開発してきた企業です。そのため、参加企業の会費で推進母体を財団化することができました。Eclipse Foundationの使命は、企業が商用製品の設計に安心して使える、標準技術に基づいた開発環境を実現することです。

 会員企業は年収に応じて年会費を拠出します。戦略メンバーは、さらに最低8人のエンジニアをEclipse関連の開発に従事させることになっています。その見返りとして、戦略メンバーはEclipse技術のロードマップ策定と財団の運営を主導する立場を得ます。戦略メンバーの下位にも参加資格があり、アドイン・プロバイダ、賛助会員、学術会員、個人会員が存在します。

 各会員企業は、Eclipseベースの製品を商用化するなど、何らかの形でEclipseを活用するわけですから、自社の研究開発の一環として真剣に取り組みます。Eclipseフレームワークは、企業の独自開発とオープンソース両方のプラグインをサポートできます。参加企業はEclipseプロジェクトで緊密に協業していますが、市場では互いに激しく競い合っています。

関連リンク:
Eclipse Foundation
http://www.eclipse.org/
Eclipse downloads home
http://www.eclipse.org/downloads/

Eclipseプロジェクトの概要

 Eclipse Foundationは複数のトップレベル・プロジェクトで構成され、それらのプロジェクトはそれぞれ関連するサブ・プロジェクトを管轄しています。Eclipseはもともとデスクトップ・コンピュータ向けの開発環境であったため、Eclipseプロジェクトの大半はいまでも企業システムで要求される技術や機能の開発に関係しています。

  • Eclipseプロジェクト
    http://www.eclipse.org/eclipse/
    Eclipseプラットフォームとも呼ばれているトップレベル・プロジェクトです。その上で開発されるすべてのソフトウェアに、基盤技術を提供します。このプラットフォームには汎用的な統合開発環境(IDE)が含まれ、これを土台にしてプラグインやJava開発ツールを活用して、カスタムIDEやクライアント・アプリケーションを作ることができます。


  • Toolsプロジェクト
    http://www.eclipse.org/tools/
    Toolsプロジェクトは、Eclipseプラットフォームを土台にして、一連の開発ツールを作っています。これらのツールには、C/C++の開発ツール(CDT)、グラフィカル・エディタ・フレームワーク(GEF)、Eclipseモデリング・フレームワーク(EMF)、COBOL開発環境、ビジュアル・エディタ(VE)、UML開発ツールなどがあります。


  • Web Tools Platform(WTP)プロジェクト
    http://www.eclipse.org/webtools/
    WTPは、J2EEおよびWebアプリケーションを開発するツールを提供しています。


  • Test & Performance Tools Platform(TPTP)プロジェクト
    http://www.eclipse.org/tptp/
    TPTPは、アプリケーション開発に必要なテスト、モニタリング、トレーシング、プロファイリングなどの診断ツールを作るためのフレームワークとサービスを提供しています。


  • Business Intelligence and Reporting Tools(BIRT)プロジェクト
    http://www.eclipse.org/birt/phoenix/
    BIRTは、エンドユーザー・アプリケーションにレポーティング機能および分析能力を組み込むツールとフレームワークを提供しています。

  • Data Tools Platform(DTP)プロジェクト
    http://www.eclipse.org/datatools/
    DTPは、ベンダがデータ・モデリング、データベース接続、SQLクエリ・ユーティリティなどのツールを使って、データ中心のアプリケーションを開発するためのツールとフレームワークを提供しています。


  • Device Software Development Platform(DSDP)プロジェクト
    http://www.eclipse.org/dsdp/
    DSDPは、デバイス・ソフトウェア(組み込みソフトウェア)開発プロセスのすべての段階をサポートするフレームワークと模範的なツールを提供するプロジェクトで、本記事のメインテーマです。


  • SOA Tools Platform(STP)プロジェクト
    http://www.eclipse.org/stp/
    STPは、SOA(Service Oriented Architecture)に関するモニタリングや管理ソフトウェアなどのツールを提供しています。

  • Technologyプロジェクト
    http://www.eclipse.org/technology/
    Technologyプロジェクトは、Eclipseコミュニティによって提案されるほとんどすべての新しいサブ・プロジェクトを検討し、リサーチ、インキュベータ、教育の環境を整え、新プロジェクトを最初のリリースに育成する役割を担います。

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