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デキるエンジニアになるために
皆さんは、製品開発の中で何に気を付けて設計をしていますか? 「要求された機能や品質(Q)を満足すること、要求されたコスト(C)を満足すること、要求された納期(D)に間に合わせることなど、すべてに気を使っている!」 といわれることでしょう。
確かにQCDは、製品開発の中で最も重要な項目です。しかし、このQCDも効率よく達成しなければ何度も設計をやり直すことになり、毎日夜遅くまで残業し、毎週のように休日出勤をする羽目に陥ります。
効率よく設計を進めるために、以下の項目に留意することが重要です。
- 製品開発の業務の流れ全体を把握する
関連部門とのかかわりや開発の流れの中のイベントを知りステップごとの求めるアウトプットが出せなければ、手戻りが発生して当然です。 - 設計作業の中で分類される「構想設計」「詳細設計」の役割を明確に区別する
先を急ぐあまり、構想をおろそかにした詳細設計を始めてはいけません。構想設計が製品の素性を決定する遺伝子(設計図)と理解してください。 - ツールとしてCADを有効に使う
「CADを使うことが設計をすること」と勘違いしているエンジニアが大勢存在します。2次元CADや3次元CADを適宜使い分けなければいけません。 - 機械製図の重要性を知る
CADで計画図(組立図)を描いてしまえば、これで設計が終わりと思っていませんか?製品の品質やコストを決める最後のとりでが製図です。寸法の記入一つで部品のバラツキが変わるということを理解しなければいけません。 - 3次元CADを有効に使う
2次元CADは線の集まりとしか認識できないのに対し、3次元CADは物体として認識できることが、両者の決定的な違いです。この特徴を生かして有効に使うことで、大幅な開発期間の短縮が図れます。
上記の5つの項目を、5回にわたって「デキるエンジニアのCAD設計」としてお届けいたします。筆者は20年間で2つの業種において、研究→設計→品質保証→設計と経験してきました。この経験の中で得た私なりに考える機械設計論をお話しいたします。
企業と製品開発の流れ
学生から新入社員として会社に入ると、設計の進め方から製図の作法、自社製品のノウハウなど、先輩や上司から丁寧に教えてもらえると期待しますよね。
確かに、最初の数カ月は新入社員研修として、業務に必要な知識を手取り足取り教えてもらえます。ところが、いざ現場に配属されると、設計についてマンツーマンで教えてもらえるわけもなく、ほったらかしにされたまま実務をそれなりにこなしているのが現状だと思います。
それでは、設計経験のない若手技術者は、どうやって設計という作業を覚えていくのでしょうか?
最初は先輩の描いた図面の修正や部品の手直し、技術資料の修正などをいい付けられて、設計業務の断片的な部分だけを与えられて、目の前の業務をこなしながらも限定された部分の設計を「設計とはどうするものか?」も分からないまま任せられます。
以前の設計現場では、このような暗中模索の状態で設計していても、要所要所で課長が机にひざを突き合わせ、若手が設計した内容をチェックしてくれたものです。この会話の中で、問題点の指摘や自身の体験談を聞くことで、担当者が誤った方向に進んでいた設計を、本来のあるべき方向に修正してもらい、さまざまな知識を身に付けていったものです。そう、この会話こそが上司の技術を盗む絶好の場面だったのです。
ところが、近年では開発の短納期化のためにさまざまな開発手法や管理ツールが取り入れられ、さらに関連部門である製造や品質保証、営業、保守部門が開発初期からかかわり、意見をいうようになりました。そのため、設計上位者は、経営陣に対して、納期遅れがないか逐一報告をし、他部門からの要求に回答・調整しなければならず、自身の業務で手いっぱいの状態になっています。
また短納期化によって、設計担当者自身も精神的な余裕がなくなり、製品仕様や品質基準、製品開発の背景や目的など理解せずに、与えられたスペースに必要機能を盛り込むだけの「やっつけ設計」に陥りがちです。いい加減な設計をしたうえに、上位者のチェックも甘ければどうなるでしょうか?
そう、担当者任せの図面が製造現場に流出することを意味するのです。
図1 開発の短納期化に伴う設計現場の変化
設計担当者とリーダーとの間に、大きな溝がある
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