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CADを使う詳細設計
前回のデキるエンジニアのCAD設計(2)は、構想設計について説明をしました。構想設計が製品の素性を決定する遺伝子なら、詳細設計は遺伝子を受け継いで生まれた子供を立派な成人(製品)に育てる役割を担います。
構想段階で、ある程度スペースのことも考慮をしてアイデアを検討しますが、あくまでも理想を追いかけた姿にすぎません。与えられたスペースの中で、隣り合うユニットとの関係や組み立て性、メンテナンス性を実現させようとするとさまざまな制約が噴出し、設計者は頭を痛めます。
構想段階ではラフな検討で良かった1つ1つの部品に対して、コストや機能が出るように、また加工も考慮して形状を決めていく必要があります。実際のスペースに入らずに多少の構造変更を余儀なくされることも少なくありません。
与えられたスペースに無駄なく機構をレイアウトするためには、手描き設計では限界があります。ドラフターに張り付けた方眼紙に線を描く場合は、シャープペンシルで描ける限界が0.5mm単位までです。これが1.6mmや2.3mmの板金を使うような設計であれば、描かれた図形の寸法を信用することができません。
そこで、CADの登場です。CADは、入力した数値に対して忠実な寸法で線を描いてくれるため、累積した寸法の計算間違いなどが発生しません。 これによって、設計部門以外の技術者やトレーサーでも、部品図から寸法を把握することができるようになりました。
現在では、特別な理由がない限り手描きで図面を描くことはなくなり、2次元CADを使って図面を描くことが一般的です。また大企業では3次元CADが普及し、そこから2次元図面に展開あるいは3次元CAD上に寸法を指示しています。
CADの出現により、20年ほど前から設計の軽薄短小を狙ったコンパクト設計が求められるようになりました。限られたスペースの中に厳密に機構をレイアウトするには、CADが欠かせません。ところが、CADは万能ではありません。CADが勝手に設計してくれるわけではなく、設計者自身がCADを操らないといけないのです。そう、CADは単なるツールということを認識し、使いこなすことに留意すべきなのです。
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キーワード:コンパクト設計
限られた少ないスペースに構成部品を配置し、無駄な空間をできる限り排除する設計をいいます。コンパクト化により材料節約とともに軽量化によって省エネルギー化を図ることができ、環境にも役立っています。 |
CADとは
「CAD」(Computer Aided Design)とは、コンピュータを用いて工業製品などの設計を行うシステムのことで、「コンピュータ支援設計」と和訳されます。ワープロと同様に、CADは手描きと比べて簡単に線を作成・消去、あるいは移動・コピーできることが最大の特長です。
「CADを導入することで設計期間が半減します」といううたい文句だけを聞いて、設計部門の主業務である構想設計と詳細設計の期間が半減すると勘違いする人がいますが、残念ながらそうではありません。構想設計や詳細設計は設計者のアイデアや経験、知識が優先され、CADはそれを表現する設計支援ツールなのです。設計者の頭の中で思い描く製品のイメージは、CADを使っても期間短縮はできないのです。
以下では、設計作業の中で図を描く手法(ツール)を「手描き」「2次元CAD」「3次元CAD」の3つに大別して説明します。
手描き
シャープペンシルを使って、ドラフター上に張り付けた方眼紙やトレーシングペーパーに1本1本の線を描き、第三角法の投影図として図形を描く作業をいいます(図1)。
![]() 図1 手描き |
2次元CAD
パソコン画面上に2次元の投影図を描くためのツールで、図形を描く考え方は手描き作業とまったく同じです(図2)。手描きと同様に、平面上に線の集合体として図形が存在しているだけですので、CADソフトが形状を認識しているわけではありません。
![]() 図2 2次元CAD |
3次元CAD
パソコン画面上で図形をXYZ方向の仮想の3次元空間に立体的な図形を描くツールです(図3)。3次元CADは、立体的にモデルを表現できることと、物体としてモデルを認識できることが最大の特長です。そのため、手描きや2次元CADのように線の集合体として図形を表現する設計概念と考え方がまったく異なります。3次元CADは、そのソフトの特性によって「ハイエンド」「ミッドレンジ」「ローエンド」というクラスに分類されます。自動車業界では、モデルに直接寸法や幾何公差を指示して、2次元平面の部品図を抹消しようとする動きを模索しています。
![]() 図3 3次元CAD |
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