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検図の際の6つの注意点
設計者が部品図に魂を入れても、必ずしも完全であるとはいえません。製図の作法に関するミスや勘違い、検討漏れなどのリスクが潜んでいます。そのため、自己チェックに加え、第三者による図面チェックが必要です。図面をチェックして問題ないと証明するのが、照査や承認欄のサインです。しかし、このチェックをする上位者には、寸法漏れさえなければよいと勘違いしている人も多いのです。
検図とは、主に下記の視点でチェックする必要があります。
- 部品の目的(機能): 組立図を見て、寸法基準、機能基準などを把握。
- 製図の作法: 第三角法や尺度、図形の省略などJIS製図に沿ったものか確認。
- 機能性: 重要機能寸法やはめ合い部分の寸法公差と表面性状など適切か確認。
- コスト: 適切な材料、表面処理、材料の無駄などがないか確認。
- 安全性: 人が触る操作面のエッジなど、危険部位は面取りなどが処理されているか確認。
- 環境性: 禁止有害物質の使用やリサイクルのための材料表記(樹脂の場合)を忘れていないか確認。
以上のように、視点を明確にして検図する姿勢が重要です。
単に部品図を眺めているだけでは、不良の流出を防止できません。構造検証として、組立図を見ながらチェックを行い、また図面変更時に検証漏れがなく、確実に図面に反映されているかを確認するべきと考えます。
つまり図面とは、機能を下流工程へ伝達するための手段であり、機能を正しく反映し、誤解されない内容でなければいけません。このように製図は、最終的に企業利益に反映される重要なステップであることを十分に認識しなければいけません。
◇
さて、今回を含めて5回の連載で機械設計の“取り組み方”を解説してきました。「CADが目の前にあるから……」といって、いきなりCADで検討を始めていませんか? 「CADで計画図ができた」といって、設計が完了したと勘違いしていませんか?
機械設計は、アイデアを生み出す図解力と、品質・コストを作り込む製図力が必要です。そのうえに、失敗を繰り返さないという“経験”と技術者としての勘を働かせる“センス”が重要な要素であることも忘れてはいけません。
もし、あなたがまだ設計経験の少ない技術者であれば、「早く一人前の設計者になりたい!」と願っていることと思います。焦りは禁物です。雑用も含めた日々の業務の積み重ねが、あなたを機械設計者として一人前にしてくれます。
失敗を恐れず、同じ失敗は二度と繰り返さないという心構えで業務に取り組めば、自然と技術力も向上します。
将来、若い技術者があなたを頼って、仕事のやり方を質問してくる日が訪れると思います。一人前の設計者になるということは、上司に認められるのではなく、部下に認められることだと私は考えます。
そして、そのときは、あなたの失敗談やノウハウを若い人たちに伝えてください。近い将来、皆さんが部下に頼りにされる設計者になっていることを願って、本連載を終了いたします。ありがとうございました!
| Profile |
| 山田 学(やまだ まなぶ) 1963年生まれ。ラブノーツ代表取締役、技術士(機械部門)。カヤバ工業(現、KYB)自動車技術研究所で電動パワーステアリングの研究開発、グローリー工業(現、グローリー)設計部で銀行向け紙幣処理機の設計などに従事。兵庫県技能検定委員として技能検定(機械プラント製図)の検定試験運営、指導、採点にも携わる。2006年4月、技術者教育専門の六自由度技術士事務所を設立。2007年1月、ラブノーツを設立し、会社法人(株式会社)として技術者教育を行っている。著書に『図面って、どない描くねん!』(日刊工業新聞社刊)などがある。 >>執筆者紹介ページへ |
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