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@IT MONOist編集部は2010年8月4日、「@IT MONOistゼミナール PCクラスタを活かせば、設計CAEはもっと進化する!」(定員30名)を東京・大手町のアイティメディア内で開催した。
前回の記事では、各セッションの概要について紹介した。そして今回は、ゼミナールのラストに行われたパネルディスカッションの模様をお届けする。
※当日配布されなかった栗崎氏の講演資料は、前回の記事「設計のねじれプロセスを正しCAEの浮島を築く」でダウンロードできます。
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MONOistゼミナール恒例のパネルディスカッションでは、講師4人を集めて設計者CAEとPCクラスタについて、「人間」「インフラ」「運用」の3つの視点から議論。以下では、その内容をお伝えする。
| ■今回のモデレータとパネリスト | |
| モデレータ キャドラボ 取締役 栗崎 彰氏 |
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| パネリスト デジタルプロセス(以下、DIPRO) 常務取締役 加藤 廣氏 |
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| パネリスト エムエスシーソフトウェア(以下、MSC) 代表取締役社長 加藤 毅彦氏 |
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| パネリスト 富士通 プラットフォームビジネス推進本部 PCクラスタビジネス推進室 営業支援グループ プロジェクト部長 浜崎 正昭氏 |
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いまどきの設計者は、3次元CADを使わないの?
「講師の皆さんは、設計者はCAEをするべきだとお考えですか?」 |
「そもそも大手自動車メーカーの設計者のほとんどは、CAEどころか、3次元CADをほとんど使いません。3次元CADを使っているのは、メーカー傘下の設計会社の設計者です。極端なことをいえば、大手自動車メーカーの設計者は、CADの使える設計者(あるいはトレーサ)が仕上げた結果を評価するためだけに3次元CADを見ているだけであり、自分自身でモデルを作ったりCAEをやったり……ということはほとんどありません。 彼らがコンピュータに向かっているとしたら、電子メールや、PowerPointやExcelといったMicrosoft Officeツールを使っているとき。設計者が、技術的なことを(本来はやるべきなのに)どうしてやらないのか? それは、自動車メーカーの責任文化が起因するところです。テクニカルな内容検討について、サプライヤへの依存度が高まっており、自動車メーカーの設計者は“コーディネータ”になりつつあるのです。製造と部品メーカーが考える部品と車両性能全体をトータルコーディネートするのが設計者の仕事になってきています。 部品設計は部品設計者、製造は製造エンジニア、実験評価や解析は、解析エンジニアや実験エンジニア、とそれぞれ役割分担が決まっています。設計者は自分の担当部品なりシステムに対してプランニングし、それを各専門家たちにばらし、うまくコーディネートすることが仕事。だから3次元CADは使わず、ほとんどPowerPointとExcelの世界になる、というのが現状なのです。 もう1つ、いまの3次元CADがあまりにも使いづらいこと。もともと3次元CADのほとんどが、欧米(特にアメリカ)で生まれたものです。アメリカの自動車設計現場は30年ぐらい前から、設計をする人と、形状を表す人(CADエンジニア、トレーサ)と分かれていました。その分業体制のために最適化されたツールである3次元CADは、あくまでCADエンジニアが使うためのツールとして発達してきました。設計者が強度や性能などを検証するための道具としてではありません。構想段階や設計段階で、さまざまな検討をするための道具としては、まったく欠落しているのです。 自動車メーカーも『それじゃいかん。設計者も、もう少し技術のことを知らなければ』ということで、反省期にきています。例えば日産は新入社員の設計者に全員、1週間のCAEの基礎教育(材料力学や有限要素法の基礎、CAEソフトウェアのオペレーションなど)を受けさせます。これまでは、3次元CADの使い方は教えるけれど、CAEはまったく教えてこなかったのです。もちろん、解析専任者と同等に仕事ができることを望んでいるのではなく、解析結果について評価したり議論したりできるようにしようというのが狙いです」 |
ここで、「俺は設計者だが、CAD使ってるぞ」と思った方も、どうかもう少し先までお付き合いください。
「設計者の定義は非常に難しいですね。『設計者=CADを使う人』でなく、『設計者=コーディネータ』ということですと、コーディネータにCAEを使わせるのは無理があります。その観点からすると、もう1回役割分担を含めて見直して、本当にいい製品を作る……企画や設計をする、という体制を見直すタイミングにきているのでしょうね。そのときCAEがメインであることは間違いありません。 誰がやるにしても、とにかく設計初期段階でCAEをやらなければいけないのも間違いないのではないでしょうか。会社組織もしくは産業により、それを実行する人は変わってくるでしょうが、ともかくそれをやるときに、CAEの専門家の経験やノウハウが生かせるようにさえすれば、誰がそれをやってもいいと思います」 |
「設計初期段階で検討したいときに、設計者がPowerPointやExcel並みに自由に使えるCAEやCADがあればいいと思います。そういうわたしどもも、CADベンダの一部なので、そういったツールを作らなければいけないのですが」 |
「そもそも、PowerPointやExcel(の使い勝手や難易度)はそういう域に達しているんですかね? 」 |
「PowerPointやExcelを使えない設計者はいないですよね? 新しい技術や部品について役員会をするとき、PowerPointやExcelで資料を作りますし」 |
「それにしても、PowerPointやExcelのフルの機能は使われていないのでは? いまのOfficeツールは結構難しいですよ。フルで使おうとしたら、むしろ3次元CADの方が簡単かもしれませんよ(笑)。さて栗崎さんは、設計者とはどういうものか? どうお考えですか」 |
「ヘっ!? あ、えっと……PowerPointとExcelを使って管理(コーディネート)をする人!(質問し返されちゃったよ……)」 |
(場内笑い)
「確かに、わたしも(大手自動車メーカーの)お客さまのところへ行くと、設計の人がほとんど出てこないんです。(設計については)XX重工といった名前の会社さんの方が出てきます。(設計作業をする人は)技術者と技能者と分かれると思うのですが、この場合、技術者はコーディネータ、技能者は3次元CADを使う人になるでしょう。『技術者は3次元CADの使い道を分かってない』ということを技能者の人がよく漏らします。例えば『スケルトン技法というのがあるよ』と技能者がやり方を教えても、技術者に理解してもらえないとか……。そうだとすれば、やはり設計者はコーディネータになっちゃう。 ただ、お2人のお話しされたケースは、かなり大手な会社でのことですよね。もう少し中小規模の会社では設計者自身が、一生懸命CAEをやろうとしていますよ。中規模な会社には、3次元CADが使える、あるいは2次元図面が読める設計者は、まだまだいますし、エンジニアリング力が非常に高いです。わたしはそういう人たちを設計者と呼びたいのです」 |
「わたしどもも、中小の部品メーカーとも付き合いがありますが、まさにそのとおりだと思います。先ほどいったのは、あくまで(栗崎さんもおっしゃったとおり)日本製造業のトップ……、何十兆円も売り上げるような会社の話。まあtier1(ティアワン:一次下請け)といわれる会社は、それに近い感じではあると思いますが……。それよりも少し小さい規模の会社の設計者のほぼ100%が3次元CADを使いこなしているし、CAEもやろうとしています」 |
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