開催直前! DMS2009速報

フルカラー3Dプリンタで造形モデルができるまで

上口翔子 @IT MONOist編集部 2009/6/11

2009年6月24〜26日の3日間、東京ビッグサイトで「第20回 設計・製造ソリューション展」が開催される。本稿ではこれまで掲載してきた3次元プリンタ出展企業への事前インタビューシリーズ最終章として、ZPrinterシリーズを販売するDICOの展示内容を紹介する。(編集部)

- PR -

 これまで、DMS 2009に3次元プリンタを出展する企業へのインタビューシリーズとして、アルテック丸紅情報システムズの展示内容を紹介してきた。今回は、シリーズ最終章として、フルカラー対応と処理スピードの速さに自信を持つ、ZPrinterシリーズ(ZCorporation製)を扱うDICOの展示内容を紹介する。

 同社ブースでは、これまで紹介してきた企業と同様に、3次元プリンタ「ZPrinterシリーズ」をはじめ、3次元データを活用したモノづくり支援ツールとして、3次元スキャナやモデリングソフトを含む計11品目の製品群が展示される予定だ。本稿では、3次元プリンタに特化して、各製品の特長および造形モデルができるまでの工程を紹介する。

今年はフルカラーの大型3次元プリンタを2台展示

 今年のDICOブースでは、2008年11月にリリースした「ZPrinter 650」をメインに、中位モデルの「ZPrinter 450」の2種類の3次元プリンタが展示される。

 ZPrinterシリーズは材料に石こうベースのパウダーを使用しており、一般的なインクジェットプリンタと同様の動作をしながら、石こうに接着剤とカラーインクを吹きかけることで、造形部分を固めて積層していく。

注:ZPrinter 650に関しては、始めからカラーインクと接着剤を混ぜたもの(色付接着剤)を使用している

画像1 ZPrinterシリーズで作成した造形モデル

 2機種の主な違いは、表現できる色のバリエーションと、最大造形サイズなど。以下、順番に紹介していく。

世界初の全自動3次元プリンタ「ZPrinter 450」

 ZPrinter 450はリリース当初、世界初の全自動フルカラー3次元プリンタとして注目された製品だ。シアン、マゼンタ、イエローのインクを使用することで、金銀を除く24bitのフルカラーを表現できる。本体サイズは1220mm×790mm×1400mm。造形サイズは203mm×254m×203mmとなっている。接着剤を吹きかけなかったところの粉を自動で取り除くなど、人の手があまりかからず消耗品のリサイクル率が高い設計が施されている。

本物の“黒”が表現できる、フルカラー3次元プリンタ「ZPrinter 650」

 ZPrinter 650は、本体サイズが1930mm×760mm×1450mmの、いわゆる大型プリンタだ。主に自動車関連企業からの引き合いが多いという。最大造形サイズは254mm×381mm×203mm。 最大の特長は、造形の際にあらかじめカラーインクが混ぜ込んである接着剤を使用していること。それにより、従来どうしても白っぽくなりがちだった黒色も、鮮やかに表現している。

ZPrinterで造形モデルができるまで

 ここからはZPrinter 650を使用した実際の動作手順を紹介する。

画像2 PCから、造形したい図面のデータをプリンタに送る 画像3 ZPrinter 650の外観

画像4 フタを開けた様子(内観)
中央に造形台(ビルドエリア)、左右にカラーバインダー(色付接着剤)がある
画像5 造形台(ビルドエリア)を平らにならす

画像6 プリント開始
写真上下に動く
画像7 1往復するごとに、うっすらと色が付いているのが分かる
往復すると同時に、台が下がり(積層される)、石こうパウダーを後ろから持ってきて敷く、というのを繰り返す

画像8 積層が終わると、ビルドエリアを振動させながら、余分な粉を払い落とす
ビルドアリアの底面はザルのようになっている。よって固まっていない部分(接着剤を吹きかけていない部分)は吸い取られる
画像9 吸いきれなかった粉を掃除機のようなもので吸い取る
今回は時間がなかったので、薄い造形を作成していただいた(所要時間は5〜10分ほど)

DICOに聞く、3次元カラープリンタのこれから

 3次元プリンタを扱う企業として独立したDICOに、ここ数年の3次元プリンタ事情について伺った。

画像10 DOCO 営業1グループ 吉田賢造 氏

――フルカラー3次元プリンタを購入されるユーザーさんは、どういった業種の方が多いのでしょうか。

 これまでは自動車業界の方が多かったですが最近では医療業界や学校関係が増えてきています。特に部品単体だけを作るというよりは、アセンブリでいろいろな機構が含まれた部品をカラーで作りたいという方が多いです。データ上で色分けしていたものがそのまま再現されますので、社内はもちろん社外でプレゼンテーションをする際にも、より伝わりやすいツールになると思います。

 後は日用品や家電など、色を重視されて複数のバリエーション紹介するという方も多いですね。

――始めから色が着いている方が、後から塗装するよりも作業短縮になるのでしょうか。

 そうですね。というのもありますし、後から塗れないというのもあると思います。例えばつぼの中に絵を描いたり、建築関係の方などは細かい模型をカラーで作りたい場合に、手作業でやろうとすると、長時間かかってしまいます。それが3次元プリンタでしたら、数時間で完成します。

画像11 ZPrinterシリーズで作成した造形モデル

――造形の完成後に、後処理を加えることも可能でしょうか。

 石こうの特性を生かして、ボンドやワックスを染み込ませることで表面に光沢感を出すこともできます。もともとが粉なので、表面形状や硬さを変えられるというのも特長の1つです。

画像12 ZPrinterシリーズで作成した造形モデル

――1つの材料で作れてしまう(サポート材などを使わない)メリットは何でしょうか。

 まず、サポート造形を行わないために造形時間が早くなることがあげられます。また、同じ理由で無駄な材料を使用しませんのでコストを低く抑えることが出来ます。さらに、サポート除去作業がないため作業工数が短縮になります。実際は接着剤が着いていない部分は粉なので、中空形状ができます。つまりガイドレールにボールが中に入っているような、自由度の高いモデルも造形できます。

画像13 ZPrinterシリーズで作成した造形モデル

――3次元プリンタの市場は今後どうなると思いますか。

 いまは3次元プリンタの基となる3次元データが様々な分野で普及してきていますので、3次元プリンタの市場も益々広がっていくと思います。現場を見ても、以前は紙の図面で確認していたものが、デジタルのデータになっています。そうすると、3次元プリンタで作成したモデルが時間の短縮やコスト削減のお役にたてると思います。


展示会名 第20回 設計・製造ソリューション展(DMS2009)
開催日 2009年6月24日(水)から26日(金)
会場 東京ビッグサイト
ブース番号 東2ホール 18-48

  • メカ設計トップ
  • MONOistトップ

メールマガジン

スキルアップ/キャリアアップ(JOB@IT)

スポンサーからのお知らせ

@IT MONOist 求人情報