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DMS 2009に3次元プリンタを出展する企業を紹介していくシリーズ。第2弾は、丸紅情報システムズに伺った3次元プリンタの魅力と、CADやCAM、3次元プリンタなどが普及する中で生まれてきたRP(ラピッドプロトタイピング)と呼ばれる手法が、今後どのように変わっていくのか、その将来像を紹介する。
なお、同社が出展するのは、3次元プリンタ業界の老舗として知られているストラタシス(Stratasys、本社:米国ミネソタ州)の3次元プリンタ“Dimension”および“uPrint”、そして3次元造形機“FORTUS400mc”。そのほか“モノづくりにおいてコストダウン化を図るためのトータルソリューション”という位置付けで、CAD・CAMやCTスキャン、3次元デジタイザなど、モノづくり全工程でのコストダウン化を支援する製品群が展示される予定だ。
展示概要:世界約50%のシェアを持つ3次元プリンタ/3次元造形機
ストラタシスの製品は、材料に実際の製品(携帯電話や車の内装、家電など)で採用されているABS樹脂を使用しているというのが最大の特長だ。ABS樹脂はある程度の強度を保持しており、経年変化や収縮が少なく、重さも軽い。
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| 画像1 ストラタシスの3次元プリンタで作成した造形モデル(uPrintを使用) |
ABS樹脂を使用した背景には、あくまでも設計効率を上げるためだけに外観確認モデル(3次元プリンタで作成した造形モデル)を作るのではなく、実際に最終製品と同じ感覚を得ながら、組立性も確認をしてほしいという狙いがあるのだという。
「Dimension(やuPrint)で作った造形モデルは、実際の製品と同じ材料(材質)を使用しているので、形を確認した後に組み合わせのチェックや、試作のテストまでできる。ストラタシスの3次元プリンタは世界で46%ほどのシェアを持っているが、やはりそういった点が評価されている」(丸紅情報システムズ 製造ソリューション事業本部 モデリングソリューション部 部長 上田 史夫氏)
老舗だからできる! 198万円からの低価格設定
なお、今回の出展において1つの目玉といえるのがuPrintだ。その名のとおり「u(=あなたの)print(プリンタ)」ということで、ほかの3次元プリンタと比較してもかなりの低価格(198万円:税別)となっている。2〜3人、もしくは個人で使用するための専用3次元プリンタとして、2009年4月の発売以来、多くの好評を得ているという。また同社では操作パネルがすべて日本語対応というのも、売りにしている。
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| 画像2 uPrint(画像右は表示パネル) 本体寸法:W660×D670×H800(マテリアルベイを2段に増設した場合はH953)、最大造形サイズ:W203×D152×H152、積層ピッチ:0.254。※単位はいずれもmm。また、操作パネルの日本語対応はストラタシスと丸紅情報システムズが共同で行った | |
次に、uPrintの1つ上位モデルとなるのがDimensionだ。こちらは768/Elite/1200esという3種類4機種のラインアップを揃えており、価格は298〜548万円(税別)。主に企業や学校から、10〜20人の設計者(または学生)に対し1台の割合で購入されているという。4機種の主な違いは、最大造形サイズと積層ピッチ。ベストセラーモデルの768は最大造形サイズがW203×D203×H305、積層ピッチが0.254または0.330(選択)、本体寸法がW686×D914×H1041となっている(単位はいずれもmm)。
そして、試作だけでなく実部品の製造(DDM:Direct Digital Manufacturing)にも対応しているのが、3次元造形機FORTUSだ。小型部品の試作から大型(造形サイズは最大で914mm×609mm×194mmに対応)な構造物までを1台で造形でき、材料も熱に強い5種類の樹脂(ABS・PC・PC-ABS・PPSF・PEI樹脂など)に対応している。価格は造形サイズや樹脂のバリエーションによって変わり、2000〜9500万円。
| 関連リンク: | |
| 丸紅情報システムズ uPrint 製品紹介ページ http://www.marubeni-sys.com/de/uprint/uprint.html |
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| 丸紅情報システムズ Dimension 製品紹介ページ http://www.marubeni-sys.com/de/dimension/ |
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| 丸紅情報システムズ FORTUS 製品紹介ページ http://www.marubeni-sys.com/de/stratasys/ |
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仕組みが簡単! だから壊れにくい
なお、uPrint、Dimension、FORTUSでは、いずれも熱溶解積層法(FDM法)と呼ばれる造形手法を用いている。
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| 画像3 熱溶解積層の構造(提供:丸紅情報システムズ) |
「FDM法は、樹脂を溶かしながら、モデルの外形、内形の順に描いて積み上げていくというもの。ただし、単純に樹脂を溶かして積み上げれば良いのではなく、収縮や溶着性を考慮しながら積層している。つまり万年筆と一緒で、最初から終わりまで1本のきれいな線を書こうとすると、同じ筆圧を出しているのに、最初が細く、最後が太くなってしまう。そうならないようにトルクの制御など、独自の技術を使用している」(上田氏)
「新樹脂の対応は難しく、研究にもコストがかかる。ストラタシスの製品は20年の歴史があるからこそ、この価格を実現している。例えば、現在298万円のDimensionは、10年前には3000万円だった。また、仕組みが簡単だからこそ故障が少ないのも特長だといえる」(上田氏)
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| 画像4 ストラタシスの3次元プリンタで作成した造形モデル(uPrintを使用) |
既存ユーザー比率としては、自動車関連が15〜20%、教育関係が25%、家電系が15%、そのほか情報、日用雑貨、建築分野、ほかなどが約40%だという。
「大手自動車メーカーから、2〜3人のデザイン事務所のお客様まで、業種はさまざま。塗装すれば色も表現できるので、ロボットを作っているベンチャー企業様からも引き合いがある」(上田氏)
製品は注文してから約1カ月程度で納品され、uPrintについては東京と大阪、名古屋、月に1回ずつ無償の教育会という場が設けられている。実際に購入する機械を操作しながら、もしも不具合が起きた場合にどう対処するかなどの不安解消を目的としているという。製品(uPrint)は勉強会を受講しないと配送されない。また、購入後のサポートも別途丸紅情報システムズで、請け負っている。
「とにかく使えば価値が分かる」
――3次元プリンタ/造形機の魅力とは?
前回「3Dプリンタ普及の兆し。精度、スピード、あなたは何を重視する?」でもお伝えしたとおり、3次元プリンタは造形方法や材料の種類、最大造形サイズなど、各社得意とするスペックが異なる。「造形モデルを何に使用するのか、そのためにどんな性能を重視するかを見極めながら、自身のニーズに合った3次元プリンタを選択して欲しい」と上田氏は語る。
同社の場合は「材料強度があり、熱による影響を受けにくい」「経年変化がない」「治具として使える」というような要望から、ストラタシスの製品を選択する方が多いという。
また、価格が198万〜9500万円までと非常に高価なことから、なかなか予算が下りないという方に対しては、「初期投資をしてから効果が出るまでは、1年はかかる。やはり予算が……というお客様も多いが、できれば一度使っていただいて、その効果を試してほしい。あるお客様からは、導入後の1年間で金型のミスが大幅に減り、作り直す回数が確実に減っているという声が聞かれた。上流で確実な確認ができるので、堂々と後工程に流せるということだった。1回金型のミスを起こすと、300万〜1000万近くかかってしまう。そのミスが無くなることによって、プリンタ代はまかなえる」と事例を交えながら3次元プリンタ導入のメリット語った。
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| 画像5 丸紅情報システムズ 製造ソリューション事業本部 モデリングソリューション部 部長 上田 史夫氏 |
さらに上田氏は3次元造形機の使い方について次のように提案した。
「3次元CADやインターネットが普及し、製造工程はここ20年間でかなり短縮された。今後は製造ラインに掛かっている組立時間をいかに短くするかが重要になる。いくら設計が良くでも、後工程で時間が掛かっていては意味がない。そうした場合に、3次元造形機で組立治具を作成すれば、作業性の向上や、作業者の負担軽減ができる」(上田氏)
「例えば上位クラスの車に付いているエンブレムの位置合わせ治具は、アルミなどで削り出されているが、造形機ならば(アルミを削るよりも)短時間で作成でき、変形の心配もなく、軽い。イメージとしては設計者が図面を書いて、加工に流している間に、組み立て用の治具を造形機で作成すれば、同時にでき上がり、実際にモノが完成したらすぐに組み立てが完了できる。造形機はこうした使い方もできる」(上田氏)
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| 画像6 治具を使用した例 (提供:丸紅情報システムズ) | |
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