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設計・製造ソリューション展(以下、「DMS展」)と同時開催の機械要素技術展が西館まで拡大するといわれていたが、昨年のリーマン・ショックの打撃によって日本の製造業も不景気に見舞われ、それは叶わなかった。そんな状況下だが、DMS展は去年と同等規模の出展数となるようだ。
今年のソリッドワークス・ジャパンは、去年とまったく同じ場所で同規模の「東2ホール、11-48(21小間)」で出展する。
CADではなく、統合ツール
経費を絞られ厳しい状況の製造業では、生産部門から設計への手戻りによるロスをできる限り減らし開発期間を短縮していくこと、あるいは実機の試作もなるべく数を抑えることが大きな課題となるといわれる。
「いまの時代、デジタルものづくりは必須です。単なるモデリングや設計要件の考慮だけではなく、生産要件、環境要件などを事前に検証でき、設計の手戻りの激減と、設計者の製品への想いの作り込みが徹底的にできるツールをこれからも提供していきたいです」とソリッドワークス・ジャパン マーケティング部 担当部長 金谷道雄氏はいう。今年の同社のブースやPRセミナーでもこの視点で、高度なデジタルものづくりで成果を挙げてきた中小企業の紹介を行う。また「SolidWorks」のCADとしての機能ばかりではなく、「SolidWorks Simulation」「EPDM」「3DVIA」などを含む統合ツールとして提案する方針だという。「業界が推進する3次元図面(3D単独図)へのシフトが始まろうとしているいま、設計と現場がどれだけ効率良くコミュニケーション融合ができるかが大事です」(金谷氏)。
また上記の統合ツールを紹介した展示コーナー、代理店製品やパートナー製品・サービスを提供するインフォメーションコーナーを併設する。さらに、同社ブースでのステージデモで紹介した内容は、DMS展内で出展する同社代理店・OEM、パートナーのブースでも展開する。
ソリッドワークスブースでは、アンケートと引き換えに上記の出展企業のブース位置と製品が分かるコミュニティマップと、デジタルモノづくりで成功している中小企業の社長インタビューを中心とした事例冊子を配布する。また、すでに公開されている同社のDMS特設サイトを6月第2週に更新予定で、見所紹介と併せコミュニティマップをダウンロードできるようにする予定だという。
| 関連リンク: | |
| ソリッドワークス・ジャパン DMS特設サイト http://www.solidworks.co.jp/sw/6603_JPN_HTML.htm |
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これからの設計は、デジタルでいこう
これまで日本自動車工業会(JAMA)や電子情報技術産業協会(JEITA)などの業界団体では、日本を代表する大手自動車メーカーや電気メーカーを中心に、3次元図面の実証実験や規格化が進められてきた。各社による実証実験は順調で、規格の仕様もほぼフィックスしてきている現状で、いよいよ普及への啓蒙が本格的に始まる段階だ。同社のSolidWorksでも、3次元図面にまつわる機能とその活用(例えば、公差検証、加工・製造性検証、検査・検図など)を今後さらに充実していくとのことだ。
「3次元図面になれば、紙図面がなくなってきます。そうすると、例えば受け入れ検査などをどうしていったらいいのかが問題になってくるでしょう。そういう場合、3次元デジタイザを使って複数の部品を一気に寸法測定し、そのデータを3次元図面と比較して評価を行うなどの方法も考えられると思います」(金谷氏)。
3次元図面の普及にともない、同社ユーザーや業界団体からもSolidWorksに対して多くの要求が来るだろうと金谷氏は予測する。例えば、2次元CADデータの中では、寸法と外形などの属性に分けてレイヤーを切り、ビューを管理するが、3次元図面でもそういったレイヤー分けに該当するような機能への要望も想定されるという。
また同社の3次元公差解析ソフト「TolAnalyst」では、3次元図面化されたアセンブリから歩留まりや公差寄与率などが計算できるが、3次元図面普及に向けたさらなる機能拡張もするとのことだ。
DMS展内で、リード エグジビション ジャパンが主催する専門セミナー*専門セミナー受講は有料です 「3D図面の最新動向と活用事例」では、日本自動車工業会や電子産業技術産業協会の取り組みに続き、最後に同社ユーザーであるローランド ディー.ジー.の活用事例が紹介される。3次元図面については、昨年までの専門セミナーでも扱われてきたが、実際のユーザー事例が登場するのは初めてだ。
別の専門セミナー「設計者によるCAE活用事例」でも、同社ユーザーである日本製鋼所の射出成型機設計・検証の効果事例が登場する。高圧の非ニュートン材が流動した場合、装置の構造・機構にどのような課題が発生するのか、同社の解析ツール「SolidWorks Simulation」による連成解析を行った事例を紹介する。
SolidWorksユーザー全体で見ると、SolidWorks Simulationを使いこなしている企業はまだごく一部。ただ同製品を使いこなしている企業については、高度なデジタルものづくりを実践していて、その効果が経営力にまでおよんでいると金谷氏はいう。
SolidWorks Simulationに関していえば、「構造」あるいは「流体」だけなど、個別に使うのではなく、構造と流体の連成を行うニーズが増えてきているという。近年の電子機器分野では、高密度設計化が進み、熱の放出や空気誘導が問題となっているが、それを効率よく解決するためにも連成解析が有効となる。
「SolidWorksのモデリング機能についてはよく知られているけれど、シミュレーションツールとしての機能については、案外、知られていません。同製品では、統合環境でモデリング検証できることを強みとしています」(金谷氏)。今回の展示でも、設計プロセスの中における同社解析ツールの利用価値について強くアピールしていきたいとのことだ。
設計者による設計検証(=「モデリング評価」、CAEも含む)の普及がままならない理由として、金谷氏は「設計者にとって検証の設定自体は難しくはないし、操作もできます。ただ、結果の評価が課題となっています」と説明する。同社は解析・シミュレーションツールについて、使い方や結果評価の具体的な方法なども啓蒙していくという。しかし、設計者が何から何まで、本格的に検証を行うことは当然無理だが、「8割が設計者、2割が解析専任者や現場の熟練者」(金谷氏)と提案する。8割の評価ができていれば、従来よりも手戻りは大幅に削減できるということになる。
機構や構造面は、これまでの3次元モデルでもある程度検証できていた。ただ、それだけの検証では不十分で、実機試作をしてみると問題が発生してしまう。それには、公差計算の不足、加工条件の考慮の不足、モデリングミスなどさまざまな要因が複雑に絡み合っている。人力で1つ1つ問題を潰していくのは非常に厳しい。同社では、3次元CADのモデルを核として、さまざまな検証が行える仕組みを提供する。同社は、高い専門性に特化したパートナーたちの技術も利用している。
例えば、角Rを小さくし過ぎると工具径も小さくなるのだから、切削効率が落ちて工数が掛かる、すなわち部品コストが上がりそうだ、その程度なら設計者でも見当が付く。ただ、ブランク材と工具がどういう状況になるか、治工具が干渉して機械を破損してしまうリスクはあるか、などまでを見込むのは難しい。そうした場合、CAMとの連動が有効だ。同社のパートナーであるCNC SoftwareのCAD/CAM「Mastercam」はSolidWorksと連携でき、3次元CAD上で加工条件を詳しく検証できるようになっている。
また同社のパートナーであるナショナルインスツルメンツ(NI)では、同社が得意とする制御プログラミングソフトとSolidWorks上の装置モデルの動作とを直接リンクさせるツールを開発している。こちらも要チェックだ。
元気を戻すにはどうしたらいい?
日本の製造業はここ10年ぐらいで、少ない資源をうまく利用したり、新しい材料を開発したりと、製造技術の向上に努めてきた。環境問題にも積極的に取り組んできた。「これからも、そういったことを地道に続けていけばいいだけ」と金谷氏はいう。
「そのためにも重要なのは、設計者が“設計”というものの真の意味・役割を真剣に意識して、設計者自身の想いを確実に形にしたものが、すべてのプロセスで、できるだけ手戻りなく評価されること。ぜひ3次元モデルを核とした統合ツールを有効活用してみてほしいです」(金谷氏)。
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| ソリッドワークス・ジャパン マーケティング部 担当部長 金谷道雄氏 お話も声も、いつもパワフルな金谷氏。記者も 元気付けられる |
「この数年間、日本の製造業に携わる人たちは、日曜日に休んでいる暇もないくらい、非常に忙しかったのではないでしょうか。3次元CADは使っていても、図面は2次元や紙だという企業の経営者でも、デジタルモノづくりというのが非常に重要なキーワードだというのは頭の中では分かっていたはずなんです。だけど忙しすぎて、現場のリーダーなどに情報収集を託す余裕すらなかったのではないかと思います」(金谷氏)。景気が落ち込んだことで、彼らの時間の余裕が、かつてよりは出てきているだろう。いまこそがITツールの導入検討をしてもらえるチャンスだという。状況が状況なだけに、検討の際の真剣度もかなり高くなる。
「ここ半年ぐらいで、全世界で景気が大きく落ち込んでいますが、これから先1年ぐらいで、世界各国の製造業が、デジタルモノづくりを推進できる人材育成やITに投資をしっかりと行っていけば、間違いなく、2011年には一斉に世界の景気が戻ってきます」と金谷氏は断言する。
「環境問題への取り組みは、いまのところは日本が世界でも一番だと思いますが、油断していれば、すぐにアメリカや中国に抜かれてしまうかもしれません。環境に対して、日本が数年掛けて投資してきた額よりも、ここ数カ月でアメリカが投資した額の方が大きいですよね。アメリカは一度『やる』と決めると、すごい集中力ですから」(金谷氏) 。
また、これまで中国は京都議定書の「温室効果ガス削減義務」に関わってこなかった。しかし“世界の工場”をうたうからには、中国の企業も関わらないわけにいかなくなる。中国全土の総人口は10億超だ。その1パーセントである約1000万人が動けば、そのパワーは相当なものだろうと金谷氏はいう。
| 関連リンク: | |
| EU・中国、協調を確認 温暖化対策など
(日経ネット) 2009年05月23日 http://www.nikkei.co.jp/kaigai/eu/20090520D2M2003I20.html |
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「中国政府は環境対策への特別優遇をしたり、交通機関を一斉刷新をしたりと動くことになるでしょう。行政機関も企業も、環境インフラをきちんと整備しないわけにはいけなくなります」(金谷氏)。環境関連の技術に強い企業が多数ある日本は、そこに飛び込んでいけばよい。環境問題に対応しようと各国が躍起になれば、経済的な相乗効果が起こり、製造業が元気になっていくというシナリオだ。環境関連の技術分野の発展において、IT活用は大変重要なキーとなるだろう。
| 展示会名 | 第20回 設計・製造ソリューション展(DMS2009) |
|---|---|
| 開催日 | 2009年6月24日(水)から26日(金) |
| 会場 | 東京ビッグサイト |
| ブース番号 | 東2ホール、小間番号11-48 |
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