- - PR -
まずは、単位系のお話から
解析工房では、いくつかの手計算による例題をやってもらっています。
ある数式を示して、そこに値を代入してもらうようなカンタンな計算です。基本的には四則演算で、そのほかは、あってもルートくらい。電卓があれば中学生でもカンタンにできる計算です。それなのに、それなのに……みんな間違えるんですよ。数字としては合っているんですが、問題は単位系なんです。
これまでの僕の経験では、解析の間違いの80%は入力データの間違い。さらに80%が単位系の間違いです。特に単位系をそろえる部分で間違いが多いようです。
新しい材料を使うとき、初めて解析するときなど、材料特有の値をさまざまな文献から引っ張ってきますが、単位系がバラバラの場合があります。そこで単位系をそろえるわけですが、これをなぜか間違える人が多いのです。もちろんサラッとできる人もいるわけですけど。
とにかく単位換算は正確に行っておかないと、後の作業がすべて水のアワとなる可能性があります。
そこで僕は単位換算に関しては、以下のようにトリプル・チェックをしています。
ステップ1
まずは単位換算表を使い、自分のアタマと手で単位換算を行ってみます。
ステップ2
単位換算ソフトを使い、自分の単位換算が正しいかどうか確認します。単位換算ソフトはフリーのソフトが多数そろっています。
|
| 図2 ドクターUnits |
僕は「ドクターUnits」というソフトを愛用しています。材料力学では不可欠な応力(いまはまだ何のことか分からなくても構いません)に対応しているソフトです(図2)。
単位換算ソフト「ドクターUnits」
http://www.eonet.ne.jp/~kotobukispace/ddt/drunits/drunitsj.html
ドクターUnitsだけでは基本的な単位変換しかできませんので、ドクターUnits用の単位換算データベースを読み込ませて使用します。
単位換算全集
http://www.eonet.ne.jp/~kotobukispace/ddt/drunits/allunitj.html
ステップ3
自分の単位換算が間違っていて、万が一、ひょっとすると、われらのドクターUnitsも間違えているかもしれません。まあ、そんなことは0.01%もないとは思いますが……。そこで念には念を入れて3つ目のチェックです。このチェックには単位換算サイトである「ユニットマーケット」が有効です。「2008年新年のごあいさつ」が出ていたので、情報は新鮮かつ継続的だと思います。
ユニットマーケット
http://www.unitmarket.jp/
このサイトもしっかりと応力に対応していますよ。
以上、これだけの方法を使ってチェックしておけば、単位換算も万全です。
単位の統一、ちゃんとやっています?
ところで、皆さんの会社では単位系を統一していますか? 最近はSI単位系をスタンダードとしている会社が多くなってきました。これは現場での実感です。
ものはついでですので、SI単位系について少しだけ説明します。SI単位系とは、国際単位系のことです。7つの基本単位を組み合わせて単位を定義します。基本単位の中で長さを表すのは「メートル」です。日本だとこれまで「ミリ」が使用されているのが多かったと思います。現在では、ほとんどの国で合法的に使用でき、多くの国で使用することが義務付けられています。
日本では、1991年に日本工業規格(JIS)が完全に国際単位系準拠となりました。また1999年10月1日をもって、取引または証明に用いる計量単位はSI単位でなければならなくなりました。これが多くの会社がSI単位系に移行している理由なのでしょう。
また2002年から、教科書でも採用が開始されました。ダイエットでおなじみの熱量を表す単位cal(カロリー)もSI単位系ではJ(ジュール)となります。「私はメタボなので、ジュールの高いものは、ちょっと……」などというときも間近なのですね。SI単位系についてもっと知りたい方は、ほかのWebサイトや参考書などでも調べてみてください。
◇
さて、次回より材料力学のお話に入っていきたいと思います。次回は、なんで材料力学を知っていると設計に役立つのか、材料力学の御利益をお話ししたいと思います。
それでは、今回はこの辺で。お疲れさまでした。
| Profile |
| 栗崎 彰(くりさき あきら) 1958年生まれ。キャドラボ 取締役。1983年より24年間、構造解析に従事。I-DEASの開発元である旧 SDRC 日本支社、CATIAの開発元であるダッソー・システムズを経て現在に至る。多くの企業で3次元CADによる設計プロセス改革コンサルティングや、設計者解析の導入支援を行う。特に設計者のための講座「解析工房」が人気。解析における最適なメッシュ・サイズを決定するための「OK法」を共同研究で模索中。 |
メカ設計フォーラム 新着記事
- 今回の俺小物は、えっと……、クマ? ネコ?(2011/4/1)
- 「私の経験上」という言葉が出たら、ご用心!(2011/3/30)
- 金型屋さんがSNSで協力者を仕切って商品開発する(2011/3/25)
- 技術を最大に生かして、一緒に笑顔になろう(2011/3/24)
- Macでパーソナルファブリケーションする(2011/3/23)
- 技術者としてできることは何か?(2011/3/22)
- 公差解析の基本おさらいタイム始まるよ (2011/3/18)
- いまこそ頑張る日本のモノイスト(2011/3/18)
- CADもCAEも、ニホンナイズしよう!(2011/3/16)
- グローバル展開を支えるモノづくり系女子(2011/3/11)
- 自動車の騒音もトンボの羽ばたきもCAEが解く(2011/3/9)
- 大手メーカーを退職して、自分がメーカーになる(2011/3/7)







