このページは移動しました。新しいページに移動します。新しいURLはhttp://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1003/19/news096.htmlです。

自社事業を強化する!知財マネジメントの基礎知識(3)

知財戦略の実態はどうなっているの?
これからは中小企業も知財戦略の実践が必要

野崎 篤志 日本技術貿易株式会社 2010/3/19

製品開発の戦略作りには技術特許のルールや、技術情報活用の利点を理解しておくことが重要。本連載では知的財産権にかかわるトラブルへの対処法から、特許技術情報を基にした戦略構築の手法までを紹介する(編集部)

- PR -

前回の復習

 皆さん、こんにちは。日本技術貿易の野崎です。「自社事業を強化する! 知財マネジメントの基礎知識」の第3回を始めたいと思います。

 前回は知財戦略の「キホン」と知財戦略を実践するに当たって必要な機能や要素について解説しました。今回は特許庁や中小企業庁の実施している統計・アンケート結果を基に、大企業と中小企業の知財戦略の実態について確認していきたいと思います。

 今回紹介するデータは、特許庁が平成14年度以降、企業や大学・研究機関などの知的財産活動を定量的に把握するために実施している「知的財産活動調査」と、政府が毎年中小企業の動向を国会へ報告するために作成している「中小企業白書」です。

 なお、中小企業白書からは三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)が実施した「市場攻略と知的財産戦略にかかるアンケート調査」(2008年12月、営利法人5万5000社を対象に実施したアンケート調査:回収率15.7%)の結果を主に紹介していきます。

 

やっぱり知財戦略を実践するともうかる!?

 まず一番始めに注目すべきデータから見ていただきたいと思います。図1は国内の中小製造企業を対象にした特許保有形態別の従業員1人当たり営業利益のグラフです。

 

図1 特許の保有形態と従業員1人当たり営業利益の関係(国内中小企業、製造業対象)

 以下の3つの特許保有形態ごとに、保有企業と非保有企業の従業員1人当たり営業利益を比較しています。

  1. 特許保有の有無別比較
  2. 海外特許保有の有無別比較
  3. 海外特許保有、国内特許のみ保有、非保有別比較

 いずれの保有形態においても、特許保有企業の方が非保有企業よりも従業員1人当たり営業利益が高い、つまり特許を持っている企業の方がもうかっていることが分かります。

 前回「事業の成功と知財戦略の実践」という2×2のマトリックスを使って、知財経営企業・知財重視企業・知財リスク保有企業・知財軽視企業の4タイプに分けました。

 図1の結果は、特許保有形態に限った話ではありますが、知財戦略を実践していれば事業が成功している知財経営企業になる傾向があり、逆に知財戦略を実践していないともうからない「知財軽視企業」に陥りやすいということを示しています。

図2 大企業・中小企業別の特許取得状況

 続いて、大企業・中小企業別に特許権を中心とした知財戦略の実態について見ていきたいと思います。図2は大企業と中小企業別に見た特許の取得状況です。大企業では80%近くが特許を取得しているのに対して、中小企業では30%程度にとどまっています。中小企業では過去に取得していた企業を合わせても50%に到達しません。これからは「知恵の時代」であることを踏まえると、中小企業も知恵を法的に保護する特許権を積極的に取得していくことが望ましいでしょう。

 ただし、何でもかんでも特許出願を行えばいいというものではありません。前回「【参考】日本の特許電子図書館は海外からも人気」でも説明したとおり、日本特許を検索できる特許電子図書館へのアクセスの半分以上は中国・韓国・台湾からといわれています。もしも特許が権利化できなかった場合、タダで貴重な技術情報を提供してしまうことになりかねません。特許として出願・権利化した方がいいのか、それとも営業秘密・ノウハウとして秘匿しておいた方がいいのかしっかりと選別する必要があります。

 この特許出願・営業秘密に対する戦略について示したのが図3です。

図3 大企業・中小企業別の特許出願・営業秘密に対する戦略

 大企業では「積極的に特許出願を行っている企業」で50%を超えており、営業秘密・ノウハウ化する戦略を取っている企業も合わせると全体の約70%に達します。一方、中小企業では「特に方針を定めていない」企業が半分近くに達しており、特許出願・営業秘密に対する戦略を取っている企業は30%程度にとどまっています。

  • 連載バックナンバー
  • 全記事インデックス
  • 生産管理トップ
  • MONOistトップ

スキルアップ/キャリアアップ(JOB@IT)

スポンサーからのお知らせ

- PR -
@IT Sepcial

@IT MONOist 求人情報

- PR -