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前回の復習
皆さん、こんにちは。日本技術貿易の野崎です。「自社事業を強化する!知財マネジメントの基礎知識」の第4回を始めたいと思います。
今回からスタートする連載後半の3回は知財マネジメントスキル各論編ということで、知財戦略を立案するうえで欠かせない情報収集・分析スキルについて、特に特許情報の調査・分析スキルを中心に解説していきます。
今回から再びロボットアーム工業の路保(ろぼ)社長と、中堅技術者でありかつ知的財産面の管理を行う立場にある地西(ちざい)さんに登場してもらいます。第1回「身近に潜む知財リスク」でいろいろな知的財産面の災難が降り掛かったロボットアーム工業。これじゃいかん! ということで、地西さんはその後知的財産関連のセミナーに参加するようになりました。
今回地西さんが受講したセミナーは「技術者・研究者向け 現場で役立つ特許調査・分析スキル」です。3日間構成で1日目が知的財産権調査編、2・3日目が特許分析・パテントマップ編となっています。路保社長からは「わが社も現在策定している中期経営計画に沿った知財戦略を立案しなければいけないな。地西君、セミナーでしっかり学んできてわが社の知財戦略を立案してくれよ!」といわれています。
さて1日目の特許調査編のセミナーが始まったようです。
◇ ◇ ◇
知的財産権調査を行う目的
1つは権利的な側面からの調査です。自社が新製品を市場投入する前に、競合他社の知的財産権(特許だけではなく意匠や商標も)を侵害していないか調査を行う侵害防止調査(クリアランス調査ともいいます)などがあります。
もう1つは技術的・マーケティング的側面からの調査です。自社独自の製品・サービスを生み出すためにはお客さまのニーズが重要であることはいうまでもありませんが、市場や競合企業の状況を把握する必要があります。市場や競合企業の情報を収集するために、新聞や雑誌・専門誌を調べたり、学会・展示会で競合の発表内容を把握するといった方法もありますが、特許や意匠・商標は非常に充実した情報源です。
知的財産権情報〜特許公報・意匠公報・商標公報〜
| 特許公報 (Nintendo DS関係) |
意匠公報 (ゲームボーイ関係) |
商標公報 (Wii関係) |
|---|---|---|
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図1 知的財産権情報の例
(特許・意匠・商標公報のフロントページの例:画像クリックで実際の内容をPDFファイルで閲覧できます)
- 特許・意匠・商標番号(出願番号・公開番号など)
- 日付(出願日・公開日など)
- 分類情報(特許であればIPC・FI・Fターム、意匠であれば国際意匠分類(ロカルノ分類)や日本意匠分類(Dターム)、商標であればニース分類)
- 知的財産権を出願した組織体に関する情報(出願人、発明者、代理人など)
などが掲載されています。特許であれば発明の概要を記載した要約と代表図面が掲載されています。
参考
公報に記載される情報にはINIDコードという世界的に統一されたコードが利用されています。ですから、ドイツ語特許で出願日が知りたい! といった場合、(22)という数字が「出願日」であることを知っていれば「出願日」というドイツ語を知らなくても大丈夫です。ニュース・雑誌・専門誌にはINIDコードのような全世界統一のコードが存在しません。一方、知的財産権情報はINIDコードがあるので、ほかの情報源に比べて全世界レベルでの情報収集・比較が容易です。
参考URL:特許庁 公報発行案内
それに対してアメリカでは特許法の中でデザインの保護も規定されているため「デザイン特許」と呼びます。
ちなみに中国もアメリカと同様、専利法という法律の中で特許・実用新案・意匠の3つが保護されます。
次ページ > > 知的財産権情報の調査の基本的な考え方
連載バックナンバー
- 第1回 自社開発品が特許侵害に?! 身近に潜む知財リスク
- 第2回 知財戦略を実践すれば事業はうまくいくの!?
- 第3回 これからは中小企業も知財戦略の実践が必要
- 第4回 カンタン3段ステップ検索方法をマスターする
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