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設計変更の発生と「おシャカ」案件が重なってほぼ徹夜な日々が続くイトウくん。
彼女へのフォローもそこそこに、確認作業とスケジュール作成でへとへとです。
試験課の課長さんには「いつまでも現場ぁ歩いて作業の進ちょく確認なんてしないでさぁ、頭ぁ使って便利な道具作れよ」などとどやされます。
いい方法はないのでしょうか?
2日連続の深夜残業をこなして、今日も早朝出社です。また現場を回り、昨日の作業計画表を提示して歩いたら、自分の机で缶コーヒーを一杯。今日は8時前に課長が出社してきました。
早速、昨日考えていたことを課長に相談します。
じゃぁ、あっちの課長に電話しておくか。
実は同期がその担当なので、そいつに聞いてこようと思っているんです。結局、今日も新人指導はないようなのでいまから行っていいですか?
何かあったら内線で呼ぶから、午前中いっぱい聞いてきていいぞー。
では行ってきます。
◇ ◇ ◇
工場の中庭を横切り、ひときわ大きい建屋を目指します。フォークリフトが頻繁に出入りする横を通り過ぎ、工場内の現場事務所に向かいました。見回してみると、なぜかこちらの工場はボクの職場よりもきれいな印象です。なんというか整然としているというか……。
現場事務所でパソコンを見つめている同期のタカハシくんを見つけました。
生産管理の仕組みを勉強しに来たんだけど、午前中、ちょっと横で作業を見ててもいいかな。ついでにさ、あまり仕事の邪魔をする気はないんだけど、できれば簡単に説明しながら作業してくれると助かるんだけど。
いつも忙しくしてるのに今日はそんな時間があるんだ?
そういうわけだから、まぁ、何でも聞いてよ。
ポンと僕の方をたたきます。同期なのになんだか上から目線です。寝不足じゃない分彼の方が肌つやが良くて若く見える気がしました。
タカハシくんの説明を要約するとこうです。
【タカハシくんの部門の業務内容】
- 日々営業から来る受注情報を「オーダー」としてシステムに入力
- オーダーには「製品の属性」が設定してあるので、その製品マスターから部品表を参照し、手配品の手配を行う
- 社内工程に関しては、手配品の納期と連動して部品表から作業手順が自動生成される
- 作業手順は「生産スケジューラ」というものに登録され、前日までに収集した実績を反映してスケジューリングが行われる
- スケジューリング結果から自動的に在庫引き当てと在庫補充の計画も立案する
- 製造現場への作業指示は「POP」と呼ばれるシステムで本日の生産目標数量を表示する
- 製造現場では、定期的にバーコードリーダで生産品目をスキャンして製造数量を実績として入力
ふーむ。何となく便利だということは分かりました。なにせ「自動」がたくさんありますよ。
確かに、これならいま現場でどの製品がどのぐらい生産されているか、在庫がどれぐらいあるかなどの状況が把握できます。でも、この仕組みをそのまま自分の部署で使用するには、問題がありそうです。
いま部品表がないっていったよね?
そりゃぁ、生産管理の前提がないってコトだよ!
そもそも部品表が定義できないってことは生産管理システムなんか使えないよ。
え! そうなの? タカハシくんの夢の道具を手に入れようと思ったのに、予想外のダメ出しをもらってしまったイトウくん。次回はいいかげん彼女とデートすることができるのだろうか……。

イトウくんの試練はもうちょっと続きそうです!
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