このページは移動しました。新しいページに移動します。新しいURLはhttp://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1004/09/news087.htmlです。
 

技術系男子のための企画&プレゼン講座(1)

上司のOKを取りにいく。必要なのはこの2枚

楊 典子 五葉コンサルティング 2010/4/9

モノづくりエンジニアの努力ってなぜ評価されない? モノづくりを支えるエンジニアはもっと発言力を持つべき。モノをいう、組織を動かすエンジニアになるための必須要件「プレゼン力」を基礎から鍛えます(編集部)

- PR -

 皆さまこんにちは! 五葉コンサルティングの楊です。

 今回の連載『技術系男子のための企画&プレゼン講座』では、通常業務のほかに、製品改善、業務改善などを通じて会社に大きな貢献を果たしながらも、なかなかその功績をアピールし切れない“技術系男子”の皆さんに、すぐに使える企画書作成、プレゼン発表のコツを3回にわたって分かりやすく紹介していきます(“男子”と銘打っていますが、もちろん女性やベテランの皆さんを排除するものではありません)。

 第1回は「企画書作成のABC」として、社内のサポートを得られる企画書作成のコツをお伝えします。

なぜ技術系男子の努力は見えにくいのか?

 製造業にとって、技術開発部門や製造部門は会社の基盤そのものであり、誰もがその重要性を認めている部門です。しかしながら評価という観点になると、「新技術を製品化して当たり前」「生産性を向上させて当たり前」「不良をなくして当たり前」と、開発や改善の努力が、他部門に比べるとあまり高く評価されないな、と感じられている方も多いと思います。

 では、なぜこのような状況が生じてしまっているのでしょう?

 企業ごとにさまざまな要因はあると思いますが、共通する要因としては「技術系の方はアピールが苦手」というところがあるかと思います。

 筆者はこれまで数十社の製造会社を見てきましたが、技術系部門に勤務する“技術系男子”の共通点は、「とにかく仕事熱心」「知的好奇心が高い」「課題を見つけると即改善」など、まさに日本経済の土台を支えてきたものと感じます。

 そして日本人らしさともいえる、「誰にも評価されなくたって、結果として会社やお客さまの役に立てればいい」という考え方も、他部門に比べてとても強いように感じます。

技術系男子はアメがなくても頑張ってくれる

 人事労務の世界では、人材活用には「アメ(報奨)とムチ(罰)」を使い分けるのが肝要とされています。

 しかし、技術系男子は「アメ」がなくても頑張ってくれる存在のため、ついつい会社もそれに甘えてしまう(=当然と思ってしまう)という状況が生じてしまっているのです。もちろん会社も意図的に「アメ」を与えないようにしているわけではありません。

「分かりやすい情報が伝わってこないんだよ」

 以前ある企業の経営者とこの議論をしたことがありますが、「技術部門の頑張りが、分かりやすい情報としてなかなか伝わってこないんだよ。生産系の役員は口下手な方だし、営業系の役員はその技術や改善の何がすごいのかも分からないしね」というのがその方の意見でした。これはごく一例ですが、皆さんの会社でもこれに近いような状況が想像できるのではないでしょうか?

 今回取り上げる「企画書」は、上司や意思決定者とのコミュニケーションを円滑にし、適切な判断をもらいやすくする稟議ツールであると同時に、自然な形でご自身やチームの努力や問題意識の高さを会社内に効果的にアピールできる、非常に優れたツールでもあります。

ほんの2枚で数倍のリターン

 これまで口頭やメールで相談し、OKをもらって進めていたような改善も、企画書という形を通じて行うことで、たとえ上司がアピール下手なタイプでもその内容をそのまま上長へ示すことができますし、その上長もさらにその上へ「こんなことをやろうとしている」と、報告しやすくなります。ほんの2枚の企画書を作るだけで、そのリターンは自身にも、上司にも、チームにも戻ってくるのを実感いただけるはずです。

 いよいよ次からは、これまで企画書はほとんど作ったことがないという方に向けて、分かりやすく、ABCのステップで企画書作成のポイントをお伝えします。

企画書作成のABCの「A」:意思決定者の関心事を重視する

「返品の業務プロセスに問題があるので、関係部門を巻き込んで新しいプロセスを作りたい」

「金型の管理に非常に手間が掛かっているので、ITを活用して改善したい」

「開発期間を短くするために、コンカレント化を進めたい」……

 企画書を書く理由はさまざまだと思いますが、費用が掛かるもの、活動のために関係者のまとまった工数が必要なもの、他部門の協力が必要なもの、新製品や新サービスにつながるものなど、稟議が必要なものが中心だと思います。

企画書は説得ツールにあらず

 つまり、企画書は稟議の意思決定者が「よし、やってみよう」という内容になっていなければ、意味がありません。どれだけ情報を詰め込んでも、ビジュアル的に凝っても、やってみようと思ってもらえないのであればそれは企画書として失敗です。

 よくある誤解の1つに、「企画書は相手を説得するもの」という考え方があります。説得するツール、と考えるので、読む気もうせるほど情報が過剰な企画書や、情熱だけを打ち出した論拠に欠ける企画書が作られてしまうのです。

 人が心から納得し、行動するのは、やはり自分自身が「やってみたい」と思えることでしょう。緻密(ちみつ)な理論を積み上げて説得モードを取りがちな技術系男子にこそ、ぜひこのポイントを理解いただきたいと思います。

相手の関心事を整理する

 では、具体的に何をするのか。まず、その企画の承認にかかわる意思決定者をリストアップし、それぞれの「関心事」を明確にすることから始めます。

 目標管理制度が導入されている会社であれば、意思決定者の目標が「関心事」に相当しますし、そうでなくてもどのような指標に責任を持っているか、会社で期待されている役割は何かが容易に想定できると思います。

 そして、今回の企画が各意思決定者のどの関心事に関係するかを明らかにします。

意思決定者 関心事
A課長 ・プレス工程の生産性向上
・プレスの不良率低減
・段取り替え時間の短縮
B部長 ・製造原価の低減
・製品の不良率低減
・顧客クレームの低減
・新製品の短時間立ち上げ……
…… ……

表 意思決定者の関心ごとをまとめる

ストーリーを固める

 もし今回の企画が「金型のデータベース管理をして、管理レベルを上げよう」というものであれば、「これが実現すれば、工程の段取り替え時間の短縮が見込まれ、結果生産性向上や、原価の低減につながる」というように、意思決定者の関心事を中心にストーリーが出来上がってくると思います。このストーリーが企画書の骨子、強調して伝えるべきメッセージとなるのです。

  • 連載バックナンバー
  • 全記事インデックス
  • 生産管理トップ
  • MONOistトップ

スキルアップ/キャリアアップ(JOB@IT)

スポンサーからのお知らせ

- PR -
@IT Sepcial

@IT MONOist 求人情報

- PR -