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皆さまこんにちは! 五葉コンサルティングの楊です。
前回のプレゼン資料編に続き、今回はパワーポイントを使用したプレゼン発表のコツを「プレゼン発表のABC」としてご紹介します。今回は当講座の最終回として、プレゼン発表の経験が少ない、何度かやったけれどできるだけ担当しないように避けている、という苦手意識をお持ちの皆さんを対象に、プレゼン発表を成功させるためのチェックポイントやコツをお伝えしていきたいと思います。
プレゼンは場数というけれど……失敗のトラウマ
プレゼンが上手な同僚や先輩に、その秘訣(ひけつ)について尋ねた経験のある方は多いのではないでしょうか? そこで返ってくる答えには、きっと「場数」「経験」というものが多かったと思います。
最初は失敗しながらも、何度も同じ緊張感や成功体験を重ねていくことでプレゼンに対する苦手意識がなくなり、上達していくというのは、ほかの技術の習得と変わらないところがあります。しかし、ことプレゼン発表ということになると、最初の失敗や緊張感が忘れられず、「プレゼン=苦手」の構図を自分の中に持ってしまうという方も少なくありません。最初に強い苦手意識を持つと、その後はできるだけこのような場面を避けるようになってしまい、十分な経験を積めないまま「プレゼンは苦手だから……」という意識を持ち続けることになってしまいがちです。
最初から緊張もせず、場を盛り上げて心に響くプレゼンができる方は、ごくごく一部の、限られた才能の持ち主です。ちょっとした苦手意識がありながらも、プレゼンの機会には進んで手を挙げ、経験と成功体験を重ねられるよう、今回はプレゼン発表の準備・発表・質疑応答の3つの段階で役に立つコツをお伝えしたいと思います。
プレゼン発表のABCの「A」:リハーサル5回で自信をつける
筆者が大手外資系コンサルティングファームのコンサルタントになったばかりのころ、大企業の経営層に対して堂々と自信にあふれるプレゼンをする先輩方を見て、自分との能力の差を痛感したことがありました。しかし、後に百戦錬磨と思われるコンサルタントでも、プレゼン発表を前に何度も何度も繰り返しリハーサルを行っているのを見て、能力の差以上に努力の差が結果に結び付いていることに気が付きました。
「あいつはプレゼンがうまいから……」と思われている同僚も、きっと見えないところで練習を重ねているはずです。そして、「自分はプレゼンが苦手」といっている方で、念入りなリハーサルを行う方は、実際にはあまり多くないようにも思います。
リハーサル回数が多いほど完成度は上がっていきますが、リハーサルだけに多くの時間を割くことは現実的には難しいものです。そこで、限られた時間を有効活用するために、実施目的を変えながら行う、「5回のリハーサル」をお勧めしたいと思います。
リハーサルを実施する前に、まずは原稿を準備します。最初のあいさつから最後のお礼の言葉まで、各スライドに話す内容をすべて書き出してみましょう(パワーポイントのメモ機能を使うと便利です)。
キーワードだけメモするという方法もありますが、これはプレゼン中級者以上にお勧めの方法です。少し手間に感じられるかもしれませんが、自分の場合、どのくらいの文字量にどのくらいの時間がかかるかを正しく把握することにつながりますし、話したいポイントを整理するためにも大変有効です。プレゼンに苦手意識がある皆さんこそ、まずは全文を書くことから始めましょう。
なぜ5回かというと、それぞれ下記表のような異なる目的があるからです。
| リハーサル | 目的 | 方法 |
|---|---|---|
| 1回目 | 時間の感覚をつかむ | 時間を計りながら、スライドごとに原稿を読み上げていきます。各スライドの時間と全体でかかった時間から、各スライドで話すボリュームを調整し、原稿を修正します。 |
| 2回目 | 話しにくさを取り除く | 再度時間を計りながら、先の調整の結果を確認します。併せて、読み上げ中にろれつが回らなくなる言葉や、話しにくい表現がないかをチェックし、話しやすさを重視した表現に変更していきます。 |
| 3回目 | ブラッシュアップする | 修正した原稿を見ながら、身振り手振りを交えて、通しでリハーサルを行います。可能であればこのタイミングで同僚などに見てもらい、意見をもらえるとなお効果的です。 |
| 4回目 | 話す内容を記憶する | 内容が固まったら、暗記するという意識を持ってリハーサルを行います。語尾や表現が原稿と違っても、伝えたい内容が伝わると思えれば、それでOKです。 |
| 5回目 | 自信を持つ | 原稿を持たずに、通しでリハーサルを行います。この時点では各スライドで伝えたい内容はしっかりと頭に入り、時間の感覚もつかめていると思いますので、たとえ原稿と少し違っても、「これなら本番も大丈夫」と思えるようになっていると思います。 |
5回のリハーサルを実施する理由と目的
ここでは5回を基本として紹介していますが、もちろんもっと時間が割ける方は、ブラッシュアップや暗記のために、繰り返しリハーサルを行っていただければと思います。
可能であれば、本番の前に一度はプロジェクタとパソコンの接続チェックを行い、会場で最終リハーサルを行うようにしましょう。ここまでやれば、本番の緊張度はかなり薄れているはずです。
また事前準備の一環として、万一のパソコントラブルに備えてプレゼン発表の資料はUSBメモリーなど外部メディアに保管し、いざというときには会場にあるほかのパソコンを利用して発表ができるようにもしておきましょう。備えあれば憂いなし。念入りな準備が成功のカギになります。
プレゼン発表のABCの「B」:小道具を効果的に使う
プレゼンの資料も分かりやすく、話し方も滑らかなのに、プレゼンの内容に集中できないという発表会に遭遇することがよくあります。この原因になりがちなのが、指し棒(指示棒)やレーザーポインタといった小道具類の使い方の失敗です。以下にありがちなNG例をご紹介します。
指し棒のありがちなNG
- スクリーンをトントンたたく
指し棒がスクリーンに当たる音は結構気になりますし、スクリーンが揺れることで投影されたスライドが見づらくなります。動きで強調したい場合には、軽く当てる程度にしましょう。 - 手遊びをする
指し棒を使わず、話を進めているときに、指し棒を伸ばしたり縮めたり、指し棒をさすったりしている方も見掛けます。本人は無意識にやってしまっていると思いますが、見ている側は、その動きが気になって、話に集中しづらくなってしまいます。指し棒を使っていないタイミングでは、指し棒は両手で持って胸の前に構える、演台に仮置きするなど、手遊びが起こらないよう意識しましょう。 - 「偉そう」と印象付けてしまう
お客さまなどに向けたプレゼン発表の場合、小さな会議室で指し棒を使ったプレゼン発表をすると「偉そうだ」と思われることもあります。聞き手のタイプを考え、そう思われるリスクがある場合には指し棒は使わずに、手を使って指し示すようにしましょう。
レーザーポインタのありがちなNG
- 手首で動かす
レーザーポインタの最大の弱点は、手の揺れに応じて細かくぶれやすいという点です。見ている側はこのぶれが気になって、話に集中し切れないということもよくあります。レーザーポインタを使う際には、手首は極力動かさないように意識し、ひじや肩を使って動かすように心掛けると、このぶれを最小限に抑えることが可能です。 - ぐるぐる回す
レーザーポインタを使ったプレゼン発表でよく見かけるのが、伝えたいキーワードをレーザーポインタでぐるぐる回しながら指し示す光景です。これは、見ている方もポイントに合わせて視点が移動するため、疲れてしまいます。強調したい言葉は、ぐるぐる回して示すようなことはせずに、揺れないように気を付けながら、一点を指し示すようにしましょう。 - スクリーンを向いて話をする
レーザーポインタを使ってプレゼンをする場合、話し手もどこをポイントするか意識がいってしまいがちになるため、正面ではなくスクリーンを向いての発表になってしまう傾向があります。レーザーポインタはごく限られた要所でのみ使用し、話し手は正面を向いて発表することを意識しましょう。
配布資料のありがちなNG
- ムダな印刷、見づらい印刷
配布資料としてプレゼンスライドを印刷したものを出席者に配る際に、注意したいのが1ページに何スライドを入れ込むか、という問題です。1ページに1スライドでは紙やインクがムダに感じられますし、3スライド枚以上では文字の判別すら難しい場合があります。最も見やすく、書き込みのスペースを確保できるという点では、2スライド1ページが望ましいと考えます。
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