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» 2007年10月05日 11時33分 UPDATE

デキるエンジニアのCAD設計(3):CADの特性を理解して設計しよう (2/3)

[山田 学,ラブノーツ/六自由度技術士事務]

2次元CADの特徴

 2次元CADと3次元CADを操作性だけで比較すると、2次元CADの方が3次元CADよりも優れています。この特性を生かして、次のように利用できます。

  • 詳細設計の初期段階では、試行錯誤による変更が多いため、操作性の良い2次元CADを用いて、与えられたスペース内でのレイアウト検討が効率的に行えます。
  • 複数のメンバーで同一の製品を分担して設計する場合、互いの構造(計画図)を重ね合わせることも容易にできるため、隣接するユニットの接合方法などを早期に決定することが可能です。

 このように手軽に使える2次元CADも誤った使い方をしてしまうと、間違えた設計思想に陥る可能性があります。その顕著な例を紹介します。

 手描きの場合、方眼紙という有限のスペースの中に、最初に基準線あるいは中心線を描き、そこからイメージした形状を具現化していきます。一度描いた線を消すという作業は、大変な労力を必要とし、関係のない隣接する線まで消してしまう恐れがあり、描き直す作業は精神的にも大きな負担でした。

 紙にバランスよく配置したいのに基準線(中心線)の位置を誤って、何度も消しゴムで消したり、新しい紙に取り換えたりする無駄な作業の中で意味を持った線(=命のある線)を描くスキルが自然と身に付いたものです。ところが、2次元CADを使った場合、ディスプレイの中は無限の平面であり、配置を気にせず図形を描き、後から必要な位置に移動することができます。また、線を「描く」「消す」の作業も簡単に実行できるため、1本の線の重要性が認識されなくなりました。

 2次元CADでは、イメージも持たずに「取りあえず線を描いてみて、それらをつないでいったら形状ができた」という成り行きの設計パターンが可能になってしまったのです。

 手描きで軸の「設計」をする場合と、2次元CADで軸の「絵を描く」場合を図に示します。

yk_dekicad3_z.gif

 このように2次元CADでは、見よう見まねで軸の絵を描き、適当な太さや長さに調節して軸らしいものを描くことができるのです。不幸なことに、この2つの手法で描かれた軸は、図面化して部品を製作してもまったく同じモノが出来上がります。

 しかし、軸のような簡単な部品では違いが出なくても、何百何千という部品が組み合わさって成り立つ製品設計において、必ずその設計思想の違いが、品質あるいはコストの差として出てくることを理解しなければいけません。

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