バリやカエリも考慮して安全な部品を作る演習系山田式 機械製図のウソ・ホント(5)(2/2 ページ)

» 2008年06月18日 00時00分 公開
[山田学 ラブノーツ/六自由度技術士事務所,@IT MONOist]
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次回までの宿題 ― 【問題5】

 今回は「幾何公差の使い方についてのウソ・ホント」です。以下の図面は、金属部品を切削で加工する部品です。幾何公差記入上でどこが誤っているのか指摘してください。ただし、表面性状記号は省略しています。

※本部品は製図の解説用に作ったものであり、実際に機能する部品ではありません。

豆知識:幾何公差

寸法公差とは、大きさの最大値と最小値の差のことをいいます。基準寸法を中心としてプラス側とマイナス側に公差を付けた両側公差と、基準寸法から片側(プラス側あるいはマイナス側だけ)に公差を付けた片側公差があります。幾何公差とは、設計者が意図する形状や位置、姿勢、振れなどの誤差をいいます。幾何公差には、寸法公差のようにプラスマイナスという概念はなく、公差値の範囲内を許容するという意味です。



 次回は、問題5の解答を通して、幾何公差記入において勘違いしやすいポイントを解説していきます。(次回に続く)

Profile

山田 学(やまだ まなぶ)

1963年生まれ。ラブノーツ代表取締役、技術士(機械部門)。カヤバ工業(現、KYB)自動車技術研究所で電動パワーステアリングの研究開発、グローリー工業(現、グローリー)設計部で銀行向け紙幣処理機の設計などに従事。兵庫県技能検定委員として技能検定(機械プラント製図)の検定試験運営、指導、採点にも携わる。2006年4月、技術者教育専門の六自由度技術士事務所を設立。2007年1月、ラブノーツを設立し、会社法人(株式会社)として技術者教育を行っている。著書に『図面って、どない描くねん!』『読んで調べる 設計製図リストブック』(共に日刊工業新聞社刊)など。



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