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» 2008年08月08日 00時00分 UPDATE

ETロボコン2008〜チャンピオンシップへの道〜(1):ロボコンを通じてUMLモデリング開発をしよう

ETソフトウェアデザインロボットコンテスト2008の連載スタート!今年は過去最大数の291チームが参加。新たな難所コースも追加された。

[上口翔子,@IT MONOist]

 社団法人 組込みシステム技術協会(JASA)主催のETロボコンの季節がやって来た。ETロボコン2008では、7月から9月にかけ東北、関東、東海、関西、九州の5地区で地区大会を実施する。各地区の上位数チームが出場する11月開催のチャンピオンシップ大会へ向け、過去最大数となる291チーム(昨年は150チーム)が参加予定だ。

新人教育、技術力向上、他開発者との交流の場――ETロボコンを通してモノづくりの楽しさを知ろう!

 現在日本にはNHK主催のロボコンや高専ロボコンなど、年次イベントとして複数のロボットコンテスト(通称:ロボコン)が開催されている。個性あふれる外装のロボットたちが無線の遠隔操作にて一生懸命ブロックを積み上げている動作などを見ると、製作者側も見ている側も、つい夢中になってしまう。

 ETロボコンは毎年2月に説明会が行われ、夏から秋にかけて大会が開催される。LEGO社のLEGO Mindstormsを題材としており、自律走行式ロボットのレースタイムとソフトウェアのモデリング技術を競うものだ。

 レースは、白い平面にミニ四駆コースのような黒や灰色のインコース、アウトコースの2本のラインが描かれたトラック上を、光センサで黒、白、灰色を検出しながらトレースする。途中いくつかの難所が用意してあり、難所をクリアすれば高ポイントが付与される。難所は強制ではないため、ルート選択は重要だ。

ETロボコンで使用されるLEGO Mindstormsとトラックの全体図 図 ETロボコンで使用されるLEGO Mindstormsとトラックの全体図
(ETロボコン2008ホームページより転載)

 ロボットの頭脳部分であるソフトウェアの設計は、UMLモデリングと呼ばれる設計手法により行い、光センサが判別した白や黒の色に応じてどういった動作をさせるかなどをあらかじめ設計、分析をする。

 審査はトラックのインコースとアウトコースをそれぞれ1周した際の合計タイムとUMLモデリング手法の評価により決定し、単に速くゴールすればよい、もしくは複雑なモデリングを行えばよい、というわけではないのもETロボコンの面白さ(難しさ?)の一つである。

 詳しい審査基準については大会ホームページをご覧いただきたい。

関連リンク:
モデル審査基準

 「モデリング手法ってなに?」という方でも、ロボットの動作を試行錯誤しているうちに楽しみながら学べるETロボコン。高校生から企業の組み込み開発者まで誰でも参加できる。連載を通して、今年参加する方にもエントリーを逃した方にも、ETロボコンの魅力を1つでも多くお伝えできればと思う。

ETロボコン2008は始まったばかり

 2008年7月28日、29日に行われた関東地区第1回目の試走会では、本大会で使用するトラックでの初走行だけあり、各チームは普段の練習コースとの違いを確認しながらデータ収集を行っていた。

試走会の様子 写真1 試走会の様子
普段は2畳ほどのスペースで走行しているチームや薄暗い部屋で白黒の区別があまりつかない部屋で走行しているチームなど、それぞれが本コースでの貴重な走行に集中していた

 ETロボコン参加常連の数チームに2008年のコース難易度について伺うと、基本ルートから分岐している「点線のショートカット」や「ツインループ」などの難所が困難とのこと。

難所ポイント 写真2 難所ポイント
難所はクリアすればボーナスポイントが得られるが、それ以上にタイムロスが大きいため、現段階で挑戦を考えているチームはごくわずかのようだ

 また、外光の影響を軽減するために“スカート”と呼ばれる遮光用の黒い紙やアルミホイルをロボットのセンサ回りに着けているチームもいた。

スカートを着けたロボット 写真3 スカートを着けたロボット
スカートはコースに付いてしまうと失格になってしまうため、坂では要注意

 計2回行われる試走会だが、例年1回目はデータ収集で終わってしまうという。初参加ながら順調な走りを見せていた新入社員チームもあれば、昨年チャンピオンシップ出場ながらも難所につまずいているベテランチームなど、次回の試走会ではどのような走りを見せてくれるのだろうか。第2回試走会は8月30日、31日に行われる予定だ。

 次回は数チームのインタビューも含めたレポートを予定している。お楽しみに!(次回に続く)

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