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» 2008年08月21日 00時00分 UPDATE

演習系山田式 機械製図のウソ・ホント(7):自社内だけでなく海外でも通じる図面を描く (2/2)

[山田学 ラブノーツ/六自由度技術士事務所,@IT MONOist]
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グローバル化と製図

 第1回から第7回まで、JIS製図の投影法や寸法記入、幾何公差の作法に関するウソ・ホントを解説してきました。

 第1回と第2回で出題した問題を通して解説した投影図の作法は、昔からJIS製図として決められていた項目に加え、近年ISOに従い改正されたものまでさまざまです。また寸法記入に関しても同様のことがいえます。多くの企業における製図の作法は、最新JISの情報を知らずに、その昔先輩方が決めた作法を大切に守っているのが現状です。

 産業のグローバル化に伴い、日本で部品を何万個と製作した実績があるのに、同じ図面を持ち込んで中国や東南アジアで部品を作ったとたん問題が発生します。この問題とは、「ソリがあったり、直角になっていない」など形状の崩れが原因であることが多いのです。いまでは日本の加工職人の技能の高さと心遣いで、きちんとした形の崩れがない部品を提供してもらっていたおかげで設計者は助かっていたのです。

 第5回と第6回で出題した問題を通して解説した幾何公差は、「試作では問題なかったのに、量産になると干渉して組めない、機能が出ない」といった不具合発生率を減少させる効果があります。

 なんとなく過去の図面のまねをして図面を描いていては、設計者としてグローバル化の波に乗り遅れてしまいます。設計者の意図を伝え、世界に通用する幾何公差を取り入れた図面を描くよう心掛けましょう。

 本連載はこれにて終了です。ご愛読ありがとうございました。(編集部)

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Profile

山田 学(やまだ まなぶ)

1963年生まれ。ラブノーツ代表取締役、技術士(機械部門)。カヤバ工業(現、KYB)自動車技術研究所で電動パワーステアリングの研究開発、グローリー工業(現、グローリー)設計部で銀行向け紙幣処理機の設計などに従事。兵庫県技能検定委員として技能検定(機械プラント製図)の検定試験運営、指導、採点にも携わる。2006年4月、技術者教育専門の六自由度技術士事務所を設立。2007年1月、ラブノーツを設立し、会社法人(株式会社)として技術者教育を行っている。著書に『図面って、どない描くねん!』『読んで調べる 設計製図リストブック』(共に日刊工業新聞社刊)など。



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