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» 2009年01月27日 00時00分 UPDATE

ピタゴラスイッチの計算書を作ろう(5):ボールがスコーンと跳ねる高さを調整せよ (4/4)

[岩淵 正幸/技術士(機械部門),@IT MONOist]
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 台車からボールが落下するときの高さが約190mmで、シーソー板との衝突点高さが約20mmです(図5.3)。従って、落下高さは、

 190-20=170 mm

となります。草太はエクセルで計算式(5-16)と(5-2)から、バスケットボールの質量をパラメータとして、バスケットボールの跳ね上がり高さを計算しました。

yk_pita05_xls01.jpg

草太「バスケットボールが飛び上がる高さが200mmを超えるために必要なバスケットボールの質量は大体4gとなるよ。しかし4gの重さのボールなんてあるかな?」

yk_pita05_5.jpg 図5.3 台車から落下するボールの「落下高さ」

実験検証

銀二「4gかぁ。ピンポン球ってどの位の重さかな?」

草太「ちょっと待ってよ、ネットで調べてみるよ。何々、直径40mm、重さ2.7gって書いてあるよ」

銀二「じゃあ、バスケットボールはピンポン球にしようか?」

草太「そうだね。取りあえず、100円ショップへ行って、適当なボールを捜してくるよ」

 草太と銀二叔父さんは休憩がてら、草太の下宿の近所にある100円ショップへ行きました。

 でも、そこにはピンポン球が売っていませんでした。その代わりに、おもちゃコーナーにあったピンポンとバドミントンの中間のような遊具を買って帰りました。小さなプラスチックのラケット2つに、ピンポン球とよく似たプラスチックのカラーボールが付いていたのです(写真5.2)。

yk_pita05_4.jpg 写真5.2 プラスチックボール

草太「さあ、このボールはどうかな?」

銀二「重さが3gで直径が34mmだ。ちょうどいいと思うよ」

草太「そうすると、エクセルで計算した跳ね上がりの高さは230mmとなるね。本当にそうなるか、実験で確認してみようか」

 2人は、早速実験を始めました。

 実験でのバスケットボールの飛び跳ね高さは床から約250mmという結果になりました。バスケットボールがシーソー板の上に乗っているときの高さは床から約5mmであることを考慮すると、跳ね上がり高さは約245mmであるといえます(実験結果は動画5.2)。


銀二「エクセルの計算と似たような結果となったな。念のためシミュレーションでも確認してみようか(動画5.3)」


草太「シミュレーションも実際とよく似た運動だね。跳ね上がり高さも床から245 mmだからほぼ実際と一致しているね。これで、シーソーの設計が完成したね。次は、いよいよ全体システムでの実証試験だね。うまくいくかな。わくわくするね?」

 次回は最終回です。全体システムについて、シミュレーションと実験を行います。果たして、バスケットボールはうまくバスケットの中に納まるのでしょうか?(次回に続く)

yk_iwa.jpg

Profile

岩淵正幸(いわぶち まさゆき)

1953年生。技術士(機械部門)。日本セメント(現太平洋セメント)、川崎重工業精機事業部(現カワサキプレシジョンマシナリ)を経て、現在事務処理機器メーカーでシミュレーションを活用した設計方法の開発および設計コンサルティング業務を担当。川崎重工では、油圧制御システム設計、旧石油公団(現石油天然ガス・金属鉱物資源機構)委託研究による圧力波通信システムの開発研究、対戦車用ミサイル操舵装置の開発に従事。



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