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» 2010年02月02日 00時00分 UPDATE

第2回 国際カーエレクトロニクス技術展レポート:カーエレの進化を支える組み込みソフトウェア開発 (1/2)

カーエレ JAPANの組込みシステム技術ゾーンに注目。開発効率化、品質向上、コスト削減に向けたツールやサービスを紹介する。

[八木沢篤,@IT MONOist]

 2010年1月20から22日の3日間、東京ビッグサイトでアジア最大級のカーエレクトロニクスイベント「第2回 国際カーエレクトロニクス技術展(カーエレ JAPAN)」が開催された。

 今回から新設された「第1回 EV・HEV駆動システム技術展(EV JAPAN)」に注目が集まる中、@IT MONOist「組み込み開発」フォーラムでは、国際カーエレクトロニクス技術展に設置された“組込みシステム技術ゾーン”にフォーカスし、カーエレクトロニクスを支える最先端の組み込みソフトウェア設計・開発ツール、各社の取り組みについて紹介する。なお、EV JAPANのレポートについては、「EV/HEV時代に欠かせないエレクトロニクスメーカー」を参照していただきたい。

会場入り口・受け付けの様子 画像1 会場入り口・受け付けの様子(東京ビッグサイト 西展示棟)

MATLAB/Simulink連携による開発プロセスの効率化 ― ベクター・ジャパン ―

 CANを主軸とした車載ネットワーク関連の設計・開発ツール/組み込みソフトウェア製品を提供するベクター・ジャパンは、自動車業界で広く普及しているモデルベースデザイン支援ツール「MATLAB/Simulink」との連携機能を強化した設計・開発ツールに関する展示・デモンストレーションを行っていた。

ベクター・ジャパンのブース 画像2 ベクター・ジャパンのブース
関連リンク:
ベクター・ジャパン

Simulinkモデルの測定とキャリブレーション

CANapeについて 画像3 CANapeについて

 その1つが、昨年(2009年)10月にリリースされた同社のECU(Electronic Control Unit)測定/キャリブレーションツール「CANape 8.0」の新オプション「Simulink XCP サーバ」だ。この新オプションは、Simulink上でシミュレーション実行しているモデルに対して測定/キャリブレーションが行えるというもの。

 「昨今、ECUの制御モデルの開発段階において各モデルが大規模化し、実ECUと変わらないほどの制御モデルとなっている。また、これらを十分に動かすための環境(プラント)が整いつつあり、シミュレーションがより実物に近づいている。そのため、モデル開発の初期段階での測定/キャリブレーションが重要視されつつある」(説明員)。

 従来のECU設計・開発手法だと開発ボードにプログラムを落とし込み、実際に動かしながら各種パラメータを変更・調整していたが、同ソリューションであればモデル開発の段階、つまりソフトウェアレベルで測定/キャリブレーションが行えてしまう。このシミュレーション上での適合値を基に、実ECUでのキャリブレーションを行えば、はじめから実ECUでキャリブレーションするよりも早くECUを開発できる。「シミュレーション上でチューニングしたパラメータを基に、実ECUのキャリブレーションをスタートすれば、0からのスタートではなく感覚的に9合目くらいからのスタートが切れる。また、仮想の世界であれば何度失敗してもコストが掛からないといったメリットがある」と説明員。

 展示ブースでは、バーチャルメカニクスの車両運動シミュレーションソフトウェア「CarSim」とCANapeを連動させ、シミュレーションしているSimulinkモデルに対して、測定およびキャリブレーションをするデモンストレーションを披露した。

ABSの制御モデルを測定/キャリブレーションしている様子 画像4 CarSimを車両の仮想プラントとし、ABSの制御モデルを測定/キャリブレーションしている様子。Simulink上で動く既存のプラントと組み合わせたMILSにおける測定/キャリブレーションが可能
関連リンク:
CANape 8.0
Simulink XCP サーバ

手戻りを減らすSimulinkモデルビューア

 また、同社主力の統合車載ネットワーク開発ツールの最新版「CANoe 7.2」(2010年1月18日)に新たに加わったモデルビューア機能が披露された。

 同機能は、Simulinkモデル中の内部シグナル値の表示とパラメータ値の変更をCANoeのモデルビューア上で可能にするというもの。

モデルビューア機能のデモンストレーションの様子 画像5 モデルビューア機能のデモンストレーションの様子

 従来は、パラメータを変更した結果を確認するのに一度、Simulinkモデル側で数値を変更し、それを再びCANoeに取り込むといった手間が掛かっており、「変更値の精度が悪いと、この作業を何度も行わなければならず、開発現場の課題となっていた」と説明員。同オプションにより、いちいちSimulinkに戻らずともCANoeのモデルビューア上で値を変更できるため、こうした手戻りが大幅に削減できるという。制御モデルが複雑化する中、こうした使い勝手の向上が開発者の手助けとなっている。

※注:CANoeのモデルビューア上の数値として変更できるだけであり、Simulinkモデルのパラメータ値を直接変更するものではない。そのため最終的に調整・決定したパラメータはSimulinkモデル側に変更を加える必要がある。


 そのほか、同社はECUテストの工数を削減するソリューションの1つとして、ECUテストの実行や合否判定、テスト結果のレポート作成を自動化するツール「CANoeテスト機能」とECUテスト用I/0モジュール「VTシステム」とを組み合わせたECUテストソリューションを展示。実際に、ヘッドライトコントロールユニットのI/Oテストのデモンストレーションが行われていた。VTシステムについては、「ECUを“徹底的”にテストするソリューション」でも取り上げているので参照していただきたい。

ヘッドライトコントロールユニットのI/Oテストのデモ(1)ヘッドライトコントロールユニットのI/Oテストのデモ(2) 画像6 ヘッドライトコントロールユニットのI/Oテストのデモンストレーション

関連リンク:
CANoe 7.2
VTシステム


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