ZMP、研究向けロボットカー「マイクロ・ロボットEV」販売次世代自動車やパーソナルモビリティの研究開発を促進

ZMPが次世代EVプラットフォーム「マイクロ・ロボットEV」を販売すると発表。次世代自動車やパーソナルモビリティの研究開発を促進

» 2010年02月24日 12時00分 公開
[西坂真人,@IT MONOist]

 ゼットエムピーは2010年2月24日、研究開発向け次世代EV(電気自動車)プラットフォーム「マイクロ・ロボットEV(製品名:RoboCar G/ロボカー・ジー)」を販売すると発表した。受注生産形式で、搭載センサの数や種類など仕様決定のうえ個別に見積もりを行うという。2010年11月から出荷開始予定。

 同社は、低炭素社会における新交通システムと安全で快適なパーソナルモビリティの実現を目指して、2009年からカーロボティクス(カーエレクトロニクス+ロボット工学)の研究開発支援プラットフォーム「RoboCar(ロボカー)」を発売。これまで自動車メーカーおよび自動車関連メーカー、大学、研究所などに納入してきた。

 マイクロ・ロボットEVは、同社がRoboCarで培った技術やノウハウと、群馬大学 次世代EV研究会(責任者:松村 修二客員教授)の開発成果物である超小型電気自動車(マイクロEV)「RoboCar G ベース車体」を組み合わせたもの。

photo 画像1 マイクロ・ロボットEV(中央、右)は、ZMPがRoboCarで培った技術やノウハウと、群馬大学 次世代EV研究会の「RoboCar G ベース車体」(左)を組み合わせたもの

 レーザーレンジファインダ、ステレオカメラ、GPS、IMU(慣性姿勢計測装置)、ミリ波レーダー、ソナーセンサなどをユーザーのニーズに応じて設置可能。同社ではそれらをネットワークでつないでコンピュータ制御が行えるロボットシステムとして納品するという。

 カーロボティクスのプラットフォームとしてマイクロEVを選んだ理由について同社は「公道を走る製品としての早期実現性と、二次電池のコストパフォーマンスという観点から、現時点での最適解であるため」と説明する。

 マイクロ・ロボットEVのサイズは2480×1280×1370mm(全長×全幅×全高)、ホイルベースは1750mm(最小回転半径2.55m)、車両重量は96kg。原動機は直流ブラシレスモータで駆動方式は後輪インホイルモータ直接駆動。バッテリーはリチウムイオン充電池(57.6V/10Ah)を採用。航続距離はバッテリー1セットで30km、2セットで60km。

 同社は業界初のカーロボティクス専門書『カー・ロボティクス』(東京農工大学 永井 正夫教授/ポンサトーン・ラクシンチャラーンサク特任准教授の共著)の刊行を2010年8月に予定するなど、カーロボティクスの普及に努めている。

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