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» 2010年04月02日 12時00分 UPDATE

ZigBeeで知る物理層測定の基礎(2):ZigBee評価で欠かせない電波法の試験 (1/2)

ZigBeeの物理層であるIEEE802.15.4と技適を測定の観点から解説。第2回は無線通信で欠かせない電波法の試験について紹介

[アジレント・テクノロジー 福島 理絵,@IT MONOist]
ZigBeeで知る物理層測定の基礎 アジレント・テクノロジー
安価で消費電力が少ないことから照明やセキュリティなどのワイヤレスセンサネットワーク構築で注目を集めている「ZigBee」。本連載では、これからZigBeeの物理層評価を始める方向けに、2.4GHz帯の規格および試験の概要、必要な測定器、測定の際のポイントなどを説明していく。(編集部)


無線設備のRF試験

 第1回は、ZigBeeとIEEE802.15.4-2003規格の関係について整理しましたが、今回はもう一つの物理層試験、電波法の試験について解説します。

 ZigBeeに限らず、一般的な無線設備におけるRF試験は、大きく分けて2つあります。1つ目は、通信性能の保証検査、つまり快適な接続環境を提供するための試験です。ZigBeeの場合、これは第1回で説明したIEEE802.15.4-2003の物理層評価に該当します(無線LANであればIEEE802.11a/b/g/nなどの試験、BluetoothであればBluetooth SIGの試験です)。

 これらの試験では、ベースとなる無線規格で規定されている送受信機の性能がきちんと出ているかどうか(第1回で説明したEVMや受信感度試験など)を確認します。また、規格試験に加えて、温度や振動耐性などの環境試験が行われることもあります。

 2つ目は、各国の法律・規制に基づく試験です。

 無線機器は、それぞれの国の技術基準に適合していることを証明できない限り、使用できません。日本では「電波法」で規定された技術基準を満たす必要があります。ちなみにアメリカはFCC(連邦通信委員会)、ヨーロッパはETSI(欧州電気通信標準化機構)が規定した技術基準があります。

電波法の試験とは

 ここからは、日本の電波法について解説していきます。

 電波法には、無線通信の混信や妨害を防ぎ、電波の効率的な利用を確保する、という目的があります。電波を発射することにより、ほかの無線設備に干渉・妨害を与えないよう、周波数帯ごとに電波使用のルールや出力パワーなどの制限が規定されています。

 これらを満たしていることを証明するのが「技術基準適合証明」(通称:技適)です。

 証明方法には以下の2つがあります。「技適」というと、厳密には1の方を指しますが、広義で2の工事設計認証を含むこともあります。

1. 技術基準適合証明(電波法第38条の6)

  • 登録証明機関によって1台ごとに検査
  • 台数の少ないもの向け(3または4台以上の場合は抜き取りで試験)

2. 工事設計認証(電波法第38条の24)

  • 設計図(工事設計)および製造時などにおける品質管理方法(確認の方法)を登録証明機関で審査
  • 1件ごとの認証で、生産台数には関係しない
  • 台数の多いもの向け

 試験台数が少ない(数百台くらいまで)場合は1の技術基準適合証明、量産の場合は2の工事設計認証を申請します。申請先は「登録証明機関」と呼ばれる、総務大臣の登録を受けた証明の業務を行う国内事業者です。現在、10法人が登録を受けています。ちなみに国外にも、登録証明機関と同等の基準を満たした評価機関があります。

 電波利用ルールや登録証明機関などの情報は、下記の総務省の電波利用ホームページにあります。

総務省 電波利用ホームページ

http://www.tele.soumu.go.jp/index.htm


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