EMS生産、現場の可視化を視野に入れた課題解決を先取り突撃! DMS2010

2010年6月23〜25日の3日間、東京ビッグサイトで「第21回 設計・製造ソリューション展」(以下、DMS展)が開催される。毎年力を入れたブース出展を行っているSAPジャパンに、今年の見どころを聞いた。

» 2010年06月01日 00時00分 公開
[原田美穂,@IT MONOist]

 基幹システムベンダとして世界中にユーザーを持つSAP。システムインフラからモノづくりを支える同社の日本ブランチであるSAPジャパンは毎年DMS展に出展している。@IT MONOistでは、出展を控えたSAPジャパンから今回の出展内容のポイントを聞いた。

◇ ◇ ◇

 SAPジャパンが特に注目している関連トピックは次の6点だ。

  • 企業において取り組むべきサステナビリティの実行管理、評価、公開
  • 製造活動において消費エネルギーとそれによって排出されるCO2の管理と報告
  • 設計と生産の業務/データ連携
  • 企画・構想から出図までの統合製品開発管理
  • 経営と現場の一体化、見える化
  • 外部委託先との生産連携

 1、2については各国で規制が進むCO2排出ならびに環境規制物質へのシステムとしての対応だ。サプライヤ提供情報を含む部品、原材料などの物質情報管理には腐心している読者も多いだろう。5点目の項目も、生産・在庫調整の効率化に向けて各社が改革に取り組んでいる注目すべき領域だ。

 また、設計・開発時点の情報と生産側の情報も連携の必要性が語られて久しいが、いまだに完全な協調は取れていない企業も少なくない。

 フォーラム連載記事「いま考えるべき品質マネジメント改革」でも紹介しているように、製品企画・構想の段階からBOM情報などをモジューラブルなデータとして管理することで、開発リードタイム短縮を図る取り組みは、特に受注生産を主とする企業にとっては大きなインパクトのあるものだ。

 日本の機器メーカーでも活発になってきたEMSメーカーでの委託製造も、管理を複雑にする要因の1つだが、SAPジャパンブースではこうした企業の動きに併せたソリューションを提示するという。

キーワードは「環境」「PLM」「グローバル製造」

 今年のSAPジャパンブースのテーマは「『見える・分かる・実行する』 - 経営と現場の一体化を実現するSAPソリューション」だ。ブース内では3つのカテゴリを用意しているという。それぞれのカテゴリ詳細を見てみよう。

 「環境・サステナビリティ」では「サステナビリティ〜自社の価値を高める活動」をテーマに「自社活動に対する客観的な評価と外部への公開」「REACH、ROHS規制への対応」「コストを削減し、自社の利益を創出する動的かつ戦略的なエネルギー管理」の3つをキーワードとした展示内容になる予定だ。

 「SAPは、『サステナビリティ』という分野においてスイート(包括的な)ソリューションを提供する唯一のソリューションプロバイダー」(広報部)と語るとおり、企業が持続的にビジネスを実行するうえでの課題を解決するためのソリューションとして提案ししていくという。

 「PLM新製品開発・設計」では、ビジネス視点での設計、製造プロセスを改革するソリューションである「SAP PLM」を紹介する。SAP PLMの特徴や最新機能、さらに個別受注生産、多仕様管理、レシピ管理といった個別のソリューションへの対応がどのようなものかも分かるようになっているという。

グローバル製造と製造連携〜EMS生産、現場の可視化を視野に

 もう1つのカテゴリは、@IT MONOist読者にとっても関心の高いであろうグローバルでの生産体制や、電子機器メーカーの多くが取り組んでいるEMS企業との連携を視野に入れたソリューション展示となるという。

 「グローバル製造と製造連携」関しては、「自社製造力と委託製造(EMS)の最適活用による競争力強化」というテーマで、「外部製造委託先との製造連携」「グローバル生産・製造管理」「製造現場の可視化と基幹システムとの連携」という切り口からSAP Manufacturingソリューションを紹介する。

 グローバル製造については、国内外で実績の豊富なSAPのシステム構築ノウハウに裏付けされたプロセス導入によるグローバル規模でのビジネスプロセス標準化なども期待できるだろう。

 「『PLM』『グローバル製造』に関しては、世界に幅広く導入実績を持つSAPの主力製品になっています。多くの実績に裏打ちされたベストプラクティスを基に、幅広いニーズに対応した柔軟な提案が可能です」(広報部)

「見えそうで見えない、分かりそうで分からない、できそうでできない」を解決するヒントを提示したい

 最後に、本稿で事前情報を収集する@IT MONOist読者に向けて、「1人でも多くのお客さまに、『見える・分かる・実行する』を実現するSAPソリューションを実際にご覧いただき、各お客様が日々現場で感じられている、『見えそうで見えない、分かりそうで分からない、できそうでできない』ことを解決するヒントを提供したく考えているので、ぜひSAPジャパンブースに立ち寄ってほしい」とメッセージを受けた。

◇ ◇ ◇

 「見えそうで見えない、分かりそうで分からない、できそうでできない」……あと一歩のカイゼンをどう進めるべきか、課題解決の方向性を探っている向きはぜひSAPジャパンブースの経験豊かな担当者らと意見交換していただきたい。

展示会名 第21回 設計・製造ソリューション展(DMS2010)
開催日 2010年6月23日(水)から25日(金)
会場 東京ビッグサイト
ブース番号 東1ホール 18-2

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.