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» 2010年06月15日 00時00分 UPDATE

Windows Embedded Standard 7概論(1):ついに登場! Windows Embedded Standard 7 (1/2)

Windows 7の最新テクノロジを継承した最新の組み込みOS「Windows Embedded Standard 7」の概要、刷新されたツール群を紹介

[中田佳孝(安川情報システム),@IT MONOist]

 2010年6月1日より、マイクロソフトから「Windows Embedded Standard 7(以下、WES7)」の提供が開始されました。これまでマイクロソフトが提供してきた「Windows XP Embedded」「Windows Embedded Standard 2009(以下、WES2009)」の後継となる組み込み用途OSです。

 本連載では、WES7の概要や開発ツールの使い方などについて紹介していきます。


Windows Embedded Standard 7とは?

 WES7とは、デスクトップPC向けOSである「Windows 7」をベースとし、Windows 7で搭載されている各機能をパッケージとして分割・管理できるようにし、組み込み用途向けにカスタマイズ可能としたOSです(ちなみに、前バージョンのWES2009は、Windows XP SP3がベースでした)。Windows 7がベースOSとなっているため、Windows 7用に開発されたアプリケーションやドライバが、WES7上でほぼそのまま動作するのも見逃せない特長の1つです。

 Windows 7の各機能は、約150個のパッケージとして用意されています。ユーザーは任意でそれらパッケージを選択し、OSイメージに組み込むことができます。そのため、WES7では、デスクトップPC向けに提供されている最新のWindowsテクノロジ、例えばWindows AeroWPF(Windows Presentation Foundation)、タッチ&ジェスチャといったリッチなユーザーインターフェイス(以下、UI)を実現する機能や、AppLockerBitLockerといったセキュリティ機能などを組み込み機器に適用することができます。

Windows Embedded Standard 7のデスクトップ画面 図1 Windows Embedded Standard 7のデスクトップ画面

 もちろん、これまでと同様にシステムドライブなどを保護するための「EWF(Enhanced Write Filter)」といった、組み込み特有機能のパッケージも用意されています。また、デジタルサイネージやシンクライアント機器向けといったOS構成のテンプレートもあり、迅速な開発をサポートしています。

 WES7では、開発ツールも刷新されました。「IBW(Image Builder Wizard)」というツールは、ターゲット機器上でWES7のOSイメージをコンフィグレーション、ビルドするウィザードを提供しており、評価用プロトタイプOSを容易に作成できます(図2)。また、「ICE(Image Configuration Editor)」は、従来の「Target Designer」に代わるツールで、OSイメージに含めるパッケージの選択や設定を開発用PC上で行います(図3)。なお、開発ツールについては次回で詳しく紹介する予定です。

Image Builder Wizard実行時の画面 図2 Image Builder Wizard実行時の画面
Image Configuration Editorの画面 図3 Image Configuration Editorの画面

要求スペックについて

 WES7のOSイメージを実行するターゲットデバイスに必要なスペックは、以下のとおりです(表1)。

項目 スペック
CPU 1GHz以上のx86またはx64系CPU
システムメモリ 512Mbytes(x64の場合、推奨1Gbytes)
ドライブ容量 空き容量1Gbytes以上のハードディスク
またはSSD(Solid State Drive)※推奨4Gbytes以上
そのほか ブート可能なDVD-ROMドライブ
またはブート可能なUSB 2.0ポートとメディア
(USBメモリやUSBハードディスク)
表1 ターゲットデバイスに必要なスペック
※WES7 RC版のヘルプを基に記載

 ここで注目すべきは、x64系CPUにも対応していることです。これにより、医療機器分野やエンターテインメント分野など、高画質の画像処理を多用するシステムでの活用も十分に可能だと考えていいでしょう。

 続いて、開発用PCに必要なスペックを以下に示します(表2)。

項目 スペック
CPU 1GHz以上のx86またはx64系CPU
OS Windows Vista Service Pack 1
Windows Vista Service Pack 2
Windows Server 2008
Windows 7
システムメモリ 1Gbytes(32bit)
2Gbytes(64bit)
ドライブ容量 7Gbytes以上の空き領域
ソフトウェア .NET Framework 2.0以降
MSXML 6.0以降
そのほか DVD-ROMドライブ
USB 2.0用ポート
表2 開発用PCに必要なスペック
※WES7 RC版のヘルプを基に記載

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