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» 2010年07月05日 11時00分 UPDATE

第21回 設計・製造ソリューション展レポート(1):あと10年で3Dプリンタはもっと小さくなる (1/3)

2010年6月23日から25日までの3日間、東京ビッグサイトにて「第21回 設計・製造ソリューション展(以下、DMS展)」が開催された。本稿では、ラピッドプロトタイピング(RP)機を扱う企業ブースを紹介する。

[小林由美,@IT MONOist]

 DMS2010会場にはそれぞれ個性が光るRP機が勢ぞろいしていた。各社製品はそれぞれ、得意とする機能が異なる。例えばデザイン(意匠)評価のみで使うか、機構評価にも使うかで、製品選択の条件は当然異なる。「どれが一番か?」を決めるのは、あくまでユーザーだ。

 価格が500万円以下の3次元プリンタ製品の展示も目立った。3次元プリンタのローエンドの機種なら、加工機械を買うよりもはるかに安い。ミッドレンジ3次元CADのライセンスをいくつか買いそろえるぐらいの額でもある。あなたならこの価値をどうとらえる?

 かつて、モックアップや試作部品を作る場合は、外部の加工メーカーや造形メーカーに発注するのが常だった。ただ、それは単にそうせざるを得なかっただけで、社内で廉価に作れる仕組みがあったなら、それに越したことはなかったはず。

 本レポートでは3次元プリンタを中心としたPR関連を扱う企業ブースの概況を交えつつ、各社のRP製品に関する最新情報を紹介する。

機構評価にも使えるプリンタを紹介

 Zコーポレーションは2010年5月18日に全世界で発売開始した「ZBuilder Ultra」(以下、ZBuilder)を同社パートナー 武藤工業のブースでお披露目。DMS2010には、米国本社CEO John M. Kawola氏が来場し、自らZBuilderについて語った。

写真1 写真1 武藤工業のブース

 これまで、ZPrinterシリーズでフルカラー3次元プリントの特許や造形スピード、コストパフォーマンスなどを強みとしてきた同社だったが、機構評価などに適した高精度なプラスチックモデルが出力可能なプリンタは持っていなかった。

写真2 写真2 米Z Corporation CEO John M. Kawola氏

 同社はドイツの樹脂造型機メーカー エンビジョンテック(ENVISIONTEC)の技術を生かし(2010年5月OEM提携に正式合意)、ZBuilderを開発。ZBuilderは、ABSの物性に近い造形用樹脂(液体フォトポリマー)を用いた造形が可能で、その造形モデルなら勘合(かんごう)やスナップフィットも検証できる。価格は498万円(税抜き)。造形スピードは、Z軸(積層)方向で1時間当たり1.25cm。材料コストは1kg当たり約3万円。

 造形精度は、±0.2mmで、最小造形サイズは138μmをうたう。材料については現時点1種類のみだが、これから1年間ぐらいはユーザーの要望をヒアリングし、それを基にどんどん増やしていく予定とのことだ。ユーザーのリクエスト次第だが、ABS以外の物性にも対応する可能性はあるとKawola氏はいう。

写真3 写真3 ZBuilder Ultraの出力サンプル

 材料色は、黄色。ZBuilderは高解像度での表現を得意とする製品。白は膨張色で、肉眼だと詳細な形状の確認がしづらくなるため、何らかしら着色が必要だと考えたという。暗い色でも詳細形状が見づらくなるため、明るめな色である黄色を選んだとのことだ。こちらも、やはり今後のユーザーのリクエスト次第で、材料色のバリエーションを増やしていくとのことだ。

 ZBuilderのターゲットど真ん中は、やはり製造業。設計の機構試作での活用はもちろん、多品種小ロット生産の現場へも勧めていきたいとKawola氏。今後1年間における目標販売台数は、全世界で200台とのことだ。

写真4 写真4 ZBuilder Ultra

対応カラーが増えてパワーアップ

 丸紅情報システムズは、6月21日に発表したデスクトップ3次元プリンタの新製品「uPrint Plus」(米ストラタシス社製)を展示した。価格は268万円(税別)。なお、同製品の下位機種「uPrint」の価格は198万円(税別)。

写真5 写真5 uPrintの展示 チョイノリ……。ちょっと懐かしキーワード?

 同製品は、下位機種比で造形速度およびサイズが3割増しとのことだ。造形材料のカラーも、アイボリー、黒、ダークグレー、赤、青、オレンジ、蛍光黄、オリーブグリーン、白(それぞれ単色のみ)と多彩に。造形材料はリアルなABS樹脂で、UV(紫外線)硬化樹脂など造形専用のものではない。米ストラタシス社の3次元プリンタは熱溶解積層法(FDM法)という方式で造形することが特徴だ(過去記事参照)。

 デスクトップ製品である同製品の本体外寸は660×670×800mm(幅、奥行き、高さ:マテリアルベイ1個の場合)。こちらは下位機種とまったく同じ寸法。

写真6 写真6 uPrint Plus

 丸紅情報システムズのブースでは、このほか「FORTUS360mc」、非接触3Dデジタイザ「ATOSI2M」、X線CT装置、CAD/CAMなども展示した。

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