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» 2010年09月28日 00時00分 UPDATE

Windows Embedded Standard 7概論(3):どこが変わった? 刷新されたWES7のツール【後編】 (1/2)

Windows Embedded Standard 7のToolkitをセットアップすることでインストールされる「Image Configuration Editor」について解説

[中田佳孝(安川情報システム),@IT MONOist]

 前回の記事では、「Windows Embedded Standard 7(以下、WES7)」の「Toolkit」のセットアップおよび「Image Builder Wizard(以下、IBW)」について解説しました。

 今回は、Toolkitをセットアップすることでインストールされる「Image Configuration Editor(以下、ICE)」について解説します。


ICEの概要

 スタートメニューからICEを起動すると、以下のような画面が表示されます。

ICEの画面イメージ 図1 ICEの画面イメージ

 ICEでは、以下のようなさまざまな機能が提供されています。

  • Full DSを含むIBWイメージの作成
  • Windows PEイメージの作成
  • Answer Fileの作成
  • Answer Fileを使用したカスタムIBWの作成
  • 3rdパーティアプリケーションの動作に必要なパッケージの解析

 ここからは、それぞれの機能およびICEを使ったOS開発について解説していきます。

Full DSを含むIBWイメージの作成

 前回の記事では、IBWを使用したOS開発の流れを解説しました。「Distribution Share」をすべて含んだIBWイメージは、Toolkitと一緒にダウンロードできますが、実はICEを使用して作成することも可能です。

 まず、ICEのメニュー[Tools]−[Create Media]−[Create IBW Image with full Distribution Share …]を選択してください。「Create IBW Disk」ダイアログが表示されるので、下記の項目を設定し、[OK]ボタンを押してください。すると、自動的にIBWイメージが指定フォルダに作成されます。

  • [Select the desired distribution share]……IBWに含めるDSフォルダ
  • [Select the target folder for the image]……IBWイメージの保存先フォルダ
  • [Target Architecture]……CPUアーキテクチャを選択

 なお、DSフォルダにはx86とx64用がありますので、選択したフォルダと[Target Architecture]が一致するように注意してください。

FullDS版IBWの作成 図2 FullDS版IBWの作成

 IBWをUSBメモリから実行したい場合は、保存先をブート可能なUSBメモリに指定してください。ただし、ドライブのルートディレクトリを指定する必要があります(例えばUSBメモリのドライブレターが「g」の場合、「g:\」としてください)。

 IBWイメージをDVDに書き込む場合は、まず「oscdimg」ツールを使用してISO形式のディスクイメージファイルを作成します。oscdimgツールは、Toolkitと一緒にインストールされた「Windows PE Tools Command Prompt」から実行できます。

 [Windows PE Tools Command Prompt]を起動し、以下のコマンドを入力してください。

コマンド例)

oscdimg -n -h -m -b..\PETools\x86\boot\etfsboot.com c:\XXX  c:\YYY\ZZZ.iso 
c:\XXX……IBWイメージを保存したフォルダ
c:\YYY\ZZZ.iso……ディスクイメージファイル名

 作成したISO形式のディスクイメージファイルは、Windows 7のディスクイメージ書き込みツールなどでDVDメディアに書き込むことができます。

Windows PEイメージの作成

 ICEでは、「Windows PE 3.0(以下、WinPE)」のイメージを作成することも可能です。ICEで作成するWinPEイメージは、主に以下の作業のために使用します。

  • ターゲットアナライザ(TAP.exe)を使用して、ターゲット機器に接続されているデバイスの調査を行う。
  • (WES7インストール後に)ImageX.exeを使用して、OSイメージをWIM形式でキャプチャする。 
    →キャプチャしたOSイメージは、ほかの複数のターゲットに展開します。

 WinPEイメージを作成するには、まずICEのメニュー[Tools]−[Create Media]−[Create Windows PE Image …]を選択してください。「Create WinPE Disk」ダイアログが表示されるので、下記の項目を設定し、[OK]ボタンを押してください。すると、自動的にWinPEイメージが指定フォルダに作成されます。

  • [Select the target folder for the image]……WinPEイメージの保存先フォルダ
  • [Target Architecture]……CPUアーキテクチャを選択

 WinPEをUSBメモリから実行したい場合は、保存先フォルダ内にあるISOフォルダにある全ファイルをUSBメモリのルートディレクトリにコピーしてください。

 WinPEをDVDメディアから実行した場合は、先のoscdimgツールの説明を参考にDVDメディアを作成してください。

WinPEイメージの作成 図3 WinPEイメージの作成

ICEを使った開発の流れ

 図4は、WES7でのICEを使ったOS開発の流れの例を示しています。

 IBWのみを使用した開発では、ターゲット機器上で対話的に設定を決めながらWES7 OSを構築するため迅速なOS開発が可能ですが、詳細な設定はOSインストール後に手作業で行うため、プロトタイプ向きといえます。

 ICEを併用すると、IBWで対話的に決める設定を自動化できるだけでなく、各種パッケージの詳細設定も自動化することが可能です。

ICEを使った開発の流れ 図4 ICEを使った開発の流れ
  • (1)ターゲットデバイス上でターゲットアナライザ(TAP.exe)を実行し、ターゲットに接続されているチップセットなどのデバイス情報(PMQファイル)を取得する。
  • (2)開発用PCでICEを実行し、OSに含めるパッケージなどの情報を含むAnswer Fileを作成する。Answer Fileを基に、カスタムIBWイメージを作成する。
  • (3)カスタムIBWをターゲットデバイスで起動し、Answer Fileで指定した設定でOSイメージをビルド・インストールする。

ターゲット機器のデバイス情報の取得

 ICEで作成したWinPEイメージをターゲットデバイス上で起動します。

 起動後、以下のコマンドを入力して、ターゲットアナライザを実行します。デバイス情報が自動的に収集され、PMQファイルとして保存されます。

コマンド例)

tap.exe -o d:\device.pmq 

Answer Fileの作成

 ICEでは、IBWのウィザードでの各種設定や項目入力を自動化するためのAnswer Fileを作成することができます。

 Answer Fileでは、ターゲットにインストールするパッケージを選択するだけでなく、インストール先パーティションの選択やOOBEフェイズの自動化も可能です。

(1)Distribution Shareの選択

 メニュー[File]−[Select Distribution Share …]から、使用するDSフォルダを選択します。

 選択したDSフォルダはICEに読み込まれ、DSに含まれるパッケージのツリーがDistribution Shareペインに表示されます。

(2)Answer Fileの新規作成

  メニュー[File]−[New Answer File]を選択して、Answer Fileを新規に作成します。

 作成すると、Answer Fileペインの表示が更新されます。

 デフォルトで、「Windows Embedded Editionパッケージ(eCore)」がAnswer Fileに追加されます。eCoreについては、前回の記事中の表1「Windows Embedded Standard 7のパッケージ」を参照してください。

(3)デバイス情報のインポート

 ターゲット機器に含まれるデバイス情報をPMQファイルより取得します。

 ICEではこの情報を基に、必要なドライバパッケージを自動的に選択します。

 PMQファイルのインポートは、メニュー[File]−[Import]−[Import PMW …]より行います。

(4)パッケージの選択

 ターゲットの用途に応じて、OSに必要なパッケージをAnswer Fileに追加します。Distribution Shareから必要なパッケージを選択し、ダブルクリックするだけで、Answer Fileに追加することが可能です。

 追加したパッケージは、Answer Fileペインのツリーに自動的に表示されます。

パッケージの追加方法 図5 パッケージの追加方法

 また、IBWでのパッケージ選択と同様に、テンプレートからパッケージを選択することも可能です。

 Distribution Shareペインのツリーで「Templates」以下を展開してください。「Set Top Box.xml」や「Thin Client.xml」など、デバイスの用途に応じたテンプレートが表示されます。使用したいテンプレートをダブルクリックすると、テンプレートに登録されているパッケージがAnswer Fileに追加されます。

使用できるテンプレート 図6 使用できるテンプレート

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