パナソニック、車載用ニッケル水素二次電池事業を中国企業に譲渡電気自動車

三洋電機子会社化に伴い、車載用ニッケル水素二次電池商品市場における競争法上の懸念を中国当局から指摘されたことへの対応。

» 2011年02月03日 16時43分 公開
[佐々木千之,@IT MONOist]

 パナソニックは、湘南工場が担当する車載用ニッケル水素二次電池事業を、湘南科力遠新能源股份有限公司(湖南科力遠)に譲渡する契約を1月31日に締結したと発表した。

 パナソニックは2009年12月に三洋電機を子会社化したが、両社それぞれが車載用ニッケル水素二次電池事業を持つことについて、中華人民共和国商務部が商品市場で競争法上の懸念が生じると指摘していた。2010年4月にも中国商務部の指摘を受けて、トヨタ自動車と共同出資した車載用ニッケル水素二次電池生産子会社パナソニックEVエナジー(現在はプライムアースEVエナジーに社名変更)の出資割合を引き下げていた。今回の事業売却は「当該懸念を解消するための措置の一つ」(リリースより)と位置づけている。湖南科力遠との譲渡契約締結では、譲渡先、対象事業の範囲、契約内容について中国商務部の審査・承認を受けたという。

 譲渡に当たっては、まず関連資産をパナソニック100%子会社の湘南エナジーに譲渡し、その後で湘南エナジーの全株式を湖南科力遠に譲渡する。1月31日から3カ月以内に譲渡を完了する予定。

 三洋電機は、パナソニックの子会社になるにあたって、エネループなど車載用を除くニッケル水素二次電池事業をFDKに譲渡している。今回パナソニックが車載用ニッケル水素二次電池事業を湖南科力遠に譲渡したことで、パナソニックグループとしては、パナソニックが車載用を除くニッケル水素二次電池事業を、三洋電機が車載用ニッケル水素二次電池事業を行う形となった。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.