キヤノンが考える複合現実セカイのモノづくりとは?特別企画:モノづくりIT EXPOの見どころプレビュー

2011年2月16日〜3月1日、@IT MONOist、EE Times Japan、環境メディアの3媒体共同でバーチャルイベントを開催する。本稿ではその見どころを紹介する

» 2011年02月03日 00時00分 公開
[原田美穂,@IT MONOist]

 2011年2月16日〜3月1日にわたって、日本のモノづくりを支えるITシステムや、いま注目のスマートデバイス、電気自動車(EV)に関する最新の情報が一堂に集まる3つのバーチャルEXPOが開催される。@IT MONOistとEE Times Japan、環境メディアという、アイティメディアのものづくり系メディアが主催するイベントだ。

 イベントは下記3つのテーマで展開する。

 本稿ではこの中から「モノづくりIT EXPO」を中心に見どころを紹介する。

キヤノンが考えるMR(複合現実)設計・開発

 キヤノン 情報通信システム本部 副本部長 浜谷 雅秀氏による講演「先進的なIT革新手法を活用したキヤノンのモノづくり戦略〜MRと3D CADを融合した次世代最新技術の実現〜」を配信する。

 MRという言葉をご存じだろうか。古くはVR(仮想現実)、昨今ではAR(拡張現実)が話題となっているが、これらとMRとは似ているようで異なる概念のようだ。VRは、仮想空間を主とし現実空間のヒトやモノがその空間に入り込むものを指していた。昨今話題となったARは現実空間を主とし、現実空間の人やモノを起点として付加情報を重ねるものといえる。一方、キヤノンが考えているMRは、現実空間に仮想空間を「重ねる」というものだ。

 現実の空間を主するため、実際にMRを実現するには実にさまざまな障壁がある。例えば、現実世界に仮想のデータを配置する場合、現実の映像と重ね合わせる仮想空間の人やモノの位置関係を瞬時に把握して表示させる必要がある。人間が視線を動かしたときに自然に振る舞うためには高速な処理とレスポンスが必須だ。カメラと人間の目との光軸についても検討しなくてはならない。こうした課題に対し、キヤノンでは同社が保有する技術を持って解決、将来的には設計・製造業務で利用できるMR技術に昇華させることを目指しているという。

 キヤノンが考えているMRを活用したモノづくりがどのようなものかは、直接講演を視聴して確認していただきたい。

キヤノン 情報通信システム本部 副本部長 浜谷 雅秀氏<br>MRを活用した革新的なモノづくりがどのようなものかを紹介いただいた

「センシングの組織能力」を高めた日本の家電メーカー

 東京大学大学院 経済学研究科 ものづくり経営研究センター 特任准教授 学術博士 朴 英元氏の講演「グローバル競争に打ち勝つための日本のモノづくり戦略〜センシングの組織能力を鍛える」も配信する。

 日本のモノづくり革新をけん引してきた東大ものづくり経営研究センターの研究成果を織り交ぜての講演だ。

 一昨年来、日本の製造業界に対しては非常にネガティブな言説が聞こえてくるが、朴氏によると、講演テーマにもある「センシングの組織能力」を高めていくことが、製造業復活のキーとなるようだ。

 センシングの組織能力を高めるための取り組みを成功させ、市場シェアを劇的に伸ばした日本の家電メーカーの事例やその成功のポイントも紹介いただいているので、ぜひ参考にしていただきたい。

 朴氏は現在「統合型ものづくりとITシステム研究会」の「統合型ものづくりITシステム(IMIS:Integrated Manufacturing Information System)」の実証研究にも参画しており、モノづくり情報の統合についても深い知見を持っている。設計情報などの企業の資産と実際のモノづくりシステムのあり方も整理して解説いただいているので、こちらもぜひ視聴いただきたい。

東京大学大学院 経済学研究科 ものづくり経営研究センター 特任准教授 学術博士 朴 英元氏

 このほか、各EXPOパビリオンでも各界の第一人者による講演を多数配信する。詳しくは、講演一覧ページを確認してほしい。

スポンサーセッションにも注目コンテンツ多数

 イベントサイト内では、講演動画配信のほか、各スポンサーブース内でも趣向を凝らしたコンテンツが提供される予定だ。

 例えば構想設計から詳細設計への一連の流れを、自身のパソコン環境で操作体験できる「体験デモンストレーション」など、オンラインならではの仕組みもあるのでぜひ試していただきたい。このほか、大手海外メーカーのモノづくりITシステム事例などの有益な資料も併せてイベントサイト内で配布する。一度に複数の資料を収集できるので、気になるものはすべてチェックしておくとよいだろう。

視聴方法について

 イベントのコンテンツ視聴には、事前登録(無償)が必要だ。1度の登録で3テーマとも閲覧可能なので、早めに登録フォームから登録していただきたい。

 なお、本イベント内のコンテンツ視聴はWebブラウザを介して行う。動作環境は下記の通りとなっている。

OS 対応Webブラウザ
Windows XP の場合 Internet Internet Explorer 6.0以上、Firefox 2.0以上
Windows Vista の場合 Internet Internet Explorer 6.0以上、Firefox 2.0以上
Windows 7 の場合 Internet Internet Explorer 6.0以上、Firefox 2.0以上
Apple Mac OS X の場合 Firefox 2.0以上 または Safari 2.0以上
Ubuntu Linux の場合 Firefox 2.0以上
動作環境

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