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» 2011年04月28日 01時03分 UPDATE

電気自動車:トヨタ自動車、電気自動車の無線充電に取り組む

トヨタ自動車はワイヤレス給電技術の開発を進める米国のベンチャー企業WiTricityと提携し、ケーブル類を使わなくても無線で電気自動車の充電が可能なシステムの実用化を目指す。

[畑陽一郎,@IT MONOist]

 トヨタ自動車は2011年4月27日、ワイヤレス給電技術の開発を進める米国のベンチャー企業WiTricityと提携し、増資を一部引き受けると発表した。WiTricityの技術を採用することで、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)を無線で充電できる非接触充電技術の実用化と普及促進を目指す。

 現在製品化されているEVは、充電の際に専用の充電器とケーブル、プラグコネクタを用いる。充電できる設備が限られており、EVが普及するかどうかは充電インフラに掛かっているともいわれている。

 今後、無線で充電できるようになれば、自宅や駐車場、道路などに埋め込んだ充電器にEVを近づけるだけで充電が可能になり、利便性が高まる(図1)。無線充電インフラが十分普及すれば、搭載する二次電池の容量が小さいEVであっても、無線充電による継ぎ足し充電の助けを借りて長時間走行できるようになる可能性がある。二次電池はEVのコストの50%を占めており、二次電池が少なくてもすむ無線給電技術はEVの普及拡大に役立つだろう。

ALT 図1 ワイヤレス充電の利用イメージ 駐車場の床下に設けた定置式充電器の上に、ワイヤレス充電用車載機器を搭載したEVを駐車すると、共鳴によるワイヤレス送電によって充電が始まる。ケーブルやプラグコネクタは不要であり、充電器にEVの一部を密着させる必要もない。出典:トヨタ自動車

 トヨタ自動車は2011年3月に発表した「トヨタ グローバルビジョン」において、「未来のモビリティ社会をリードする」と表明しており、EVとスマートグリッドなどの情報技術との融合なども含めて産業をリードすることを目指している。今回の取り組みはこの一環だという。

WiTricityの技術はEVに適する

 無線を用いて電力を送るワイヤレス給電技術にはさまざまな方式があり、電動ハブラシなど電磁誘導を利用した小型の家電製品が広く利用されている。ただし、電磁誘導には、送電装置と受電装置の位置がずれていると効率が大幅に低下するなどの課題がある。

 WiTricityは、Massachusetts Institute of Technology(MIT)から共鳴型と呼ばれるワイヤレス給電技術のライセンスを受け、2007年に設立されたベンチャー企業。同社の技術は電磁誘導とは異なる原理に基づき、電磁誘導と比べて伝送距離が長く、数10cmの送電が可能だ。さらに送電装置と受電装置の位置ずれの影響を受けにくいという特長がある。互いの位置関係が厳密でなくてもよいという性質は、EVの充電に適している。

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