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» 2011年09月26日 12時50分 UPDATE

特集・小型組み込みデバイス向けファームウェア:最新!! 「.NET Micro Framework 4.2」の追加機能とは? (1/2)

マイクロソフトが提供する小型組み込みデバイス向けファームウェア「.NET Micro Framework」の最新バージョン“4.2”に追加される機能とは? 変更点とは? その概要を詳しく紹介する!

[太田 寛,@IT MONOist]

 間もなく、マイクロソフトが提供する小型組み込みデバイス向けファームウェア「.NET Micro Framework」がバージョンアップを遂げます。本稿では、正式リリースが待たれる最新バージョン“.NET Micro Framework 4.2”で追加される機能について紹介します(記事執筆時点では“RC2”となっている)。

 もしも、「“.NET Micro Framework”って一体何!?」ということであれば、本稿を読み進める前に、解説記事「いまさら聞けない .NET Micro Framework入門」を参考にしてみてください。


 繰り返しになりますが、新しくリリースされるのはバージョン“4.2”です。.NET Micro Frameworkは、2009年11月のバージョン“4.0”から、Apache License V2.0によるオープンソースとして提供されるようになり、その後、約1年に一度の頻度で、バージョンアップによる機能の追加・拡張が続けられています。

 今回の機能追加では、

  • Visual Basic対応
  • ソフトウェア更新用API
  • 各種暗号化アルゴリズムの追加

の3つが大きな目玉となっています(詳細については後述)。

 また、.NET Micro Frameworkは、4.0でオープンソース化された後、開発もオープンソースサイトを活用した“コミュニティー開発”と呼ばれる開発手法がとられ、現在「CodePlex」上で開発が続いています。

.NET Micro Frameworkのオープンソースサイト(CodePlex)

http://netmf.codeplex.com/



 このWebサイト(CodePlex)の[Home]の右側にある[Download]と書かれたタブをクリックすると、.NET Micro Framework SDKの最新の正式リリース版を取得できます(記事執筆時点では「.NET Micro Framework 4.2 RC2」)。このWebサイトからはアプリケーション開発用SDKやポーティングキットが提供されているだけでなく、.NET Micro Frameworkのソースコード、開発の進捗(しんちょく)具合を全て知ることができます。また、意欲があれば開発活動への参加も可能です。

 ちなみに、このCodePlexサイトでは、.NET Micro Frameworkの他にも非常にたくさんのオープンソースソフトウェアが開発、公開されています。CodePlexサイトは、「Visual Studio Team Foundation Server」がバックエンドで動いており、バージョン管理はもとより、バグトラッキングや要求管理、ディスカッション、開発者間情報共有用のWikiなども用意された開発者支援機能満載のWebサイトになっています。開発者登録を行えば、読者の皆さんもこのWebサイトにプロジェクトを作成してオープンソースソフトウェアを開発することができます。

 さて、余談はこれぐらいにして、.NET Micro Framework 4.2に追加される機能を紹介していきましょう。

Visual Basic対応

 これまで、.NET Micro Frameworkのアプリケーション開発で使えるプログラミング言語は「C#」だけでしたが、最新の“4.2”からは「Visual Basic」も使えるようになります。

 SDKをインストールすると、これまでのC#向けのプロジェクトテンプレートに加えて、Visual Basic向けのものが追加されます。Visual Basicでアプリケーションを開発したい場合は、このテンプレートを利用してください。

Visual Basicテンプレート 図1 Visual Basicテンプレート

ソフトウェア更新用API

 次に紹介するのは、デバイスで稼働中のソフトウェア更新用APIです。

 .NET Micro Frameworkデバイスの特長は何といっても豊富な「ネットワーク接続機能」と「UI機能」にあります。ネットワーク上の各種サービスとの連携で動作するデバイスでは、デバイスへの機能追加や使い勝手の向上、また、.NET Micro Framework自体のアップデートに伴うファームウェア更新など、“稼働中のソフトウェアを更新する機能”が必須といえます。

 しかし、バージョン“4.1”までは、デバイスごとに、それぞれPC上で動作する更新用ツールが提供されるなど、各デバイスで異なる更新手段が提供されており、アプリケーション上で統一的に制御する方法はありませんでした。

 今回のアップデートではソフトウェア更新用APIが追加され、稼働中の.NET Micro Frameworkデバイス上で動くアプリケーションから、デバイスのファームウェアやアプリケーションの更新が可能になります。

 更新できるのは、

  • ファームウェア(※下回りのライブラリ群)
  • アセンブリ(※ライブラリやアプリケーション機能モジュールを含む部品単位)
  • デバイスキー(※個々のデバイスを識別するキー)

の3種類です。それぞれに対し、「アップデート用パケットデータの管理」「アップデートファイルの検証」「アップデートファイルを使ったインストール機能」「アップデートファイルの削除機能」が、名前空間“Microsoft.SPOT.MFUpdate”の以下の3つのクラスを通じて提供されます。

  • MFFirmwareUpdate
  • MFAssemblyUpdate
  • MFKeyUpdate

 アップデート用ファイルは、.NET Micro Frameworkプロジェクトをビルドする際に作成されます。

 本機能の詳細は、CodePlexサイトの[Documentation]で公開されている「General HowTo manual for Software Updates in the .NET MF.pdf」を参照してください。

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